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社会の非合理をハックし、well-workingな世界を求めて─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#5

SmartHRは、2024年7月1日にシリーズEラウンドの実施と、新規領域への参入や、労務管理・タレントマネジメントの新プロダクトを発表しました。
シリーズEラウンドの実施や新領域への参入を受け、それぞれの管掌組織の挑戦や戦略について、SmartHRのVP陣がリレー形式でnoteを執筆します。

第1回:村から都市への発展過程で求められるもの──シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#1
第2回困難だからこそやりがいがある。エンタープライズ事業本部の進化と挑戦─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#2
第3回:Alignment と Autonomy と Agility ── シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#3 
第4回:カテゴリー型マルチプロダクトのブランディングのための重要3テーマ─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#4
第5回:本記事です

第5回は、グロースマーケット事業本部長(VP of Growth Market Business)の中尾さんです。



私たちの使命

SmartHRは従業員1,000名を超え、2024年に新たなフェーズを迎えました。大きな変化として、THE MODELでの機能別組織から、よりマーケットへのフィットを強化するため、インサイドセールス(IS)・セールス・カスタマーサクセス(CS)領域は企業規模によりTierを分け、エンタープライズ(EP)とグロースマーケット(GM ※中小企業)の2つの事業本部体制へと進化しました。(詳しくはこちらご参照ください

私の管掌はGM領域です。GM領域は、SmartHRが掲げる“well-working”の実現に向けて、また“日本社会のアップデート”に、大変重要な意味を持つ領域だと考えています。
日本企業の中小企業割合は99%超であり、中小企業で働く従業員数は労働人口の69%と言われています。
また、日本には100年企業(創業100年以上の企業)も多く、世界の100年企業の50%は日本国内にあり、うちGM領域は90%超(従業員数9名以下を除くと40%強)を占めます。戦争や震災など多くの困難を乗り越えたこれらの企業は変化に強く、VUCAな時代の大きな道標となります。
私たちはこのような企業のみなさまから多くを学び、そしてサービスを通して企業の更なる成長を支え、日本市場の多くを占める中小企業のお客さまのお役に立つことを使命としております。

グロースマーケット(GM)

企業規模による組織体制への進化により、GM領域の特性を踏まえた戦い方に果敢に挑戦しています。GM領域の特徴としては以下の例が挙げられます。

  1. IS領域

    • 企業情報が少なく、琴線に触れる深い提案が難しい

    • TAM(Total Available Market)に対してヒューマンタッチに限界がある

  2. セールス領域

    • 活動時間に対し、商談初期での失注割合が多く生産性を上げづらい

    • 導入検討・実務者の環境・状況により検討が進めづらい

      1. 複数役割(人事・総務など管理系他)を兼務していることが多い

      2. 少人数であることが多い(1名であることも多い)

      3. 多忙で検討・トライアルに時間がなかなか割けない

  3. CS領域

    • CS一人当たりの担当社数が多く、お客さまへの深い理解が難しい

    • 取引企業数が多く、ヒューマンタッチに限界がある

上記の通り、GM領域におけるお客さま、そして相対する私たちビジネスサイドの課題を乗り越えるべく、テクノロジー(AI・LLM・インタラクティブコンテンツ・他)の活用に果敢に取り組んでいます。
効率化の観点だけではなく、そこにSmartHRらしさをどのように取り入れ、かつ成果に結びつけ、お客さまのサクセスを図るのか。
SmartHRというサービス提案にとどまらず、ビジネスサイド職の新たなスタンダード(ビジネスモデル)を作ることは、SmartHR社のGM領域で働く醍醐味の一つであると考えています。

“ありたい状態”としては、ビジネスサイド職のキャリアパスとして、GM領域で仕事することに憧れや、やりがいを見出していただけるようにしたいと考えています。

GM領域で仕事をすることに憧れるために必要な状態
・一人当たりの生産性・利益が他Tierよりも高い
 ・つまり...高い報酬を得ることができる
・テクノロジー活用により、時間や居住地などの制約からの解放
 ・つまり...長時間拘束から脱却(≒ワークライフブレンドの実現)
 ・つまり...キャリアにおける居住地でのディスアドバンテージのない世界

もちろんテクノロジーだけではなく、仕組みや体制なども創意工夫して取り組んでいます。しかし現時点ではまだまだ私たちの目指す理想の状態には遠く、道のりは長く険しいのが現状です。現時点では人海戦術的な側面もあり、日々ストイックにできること・やるべきことに向き合い、目指すべき“状態”、高い山の頂上を見据えながら、“質・量”の両面で着実に成果を上げ一歩ずつ険しい山を登っています。そして、この険しい道を確実に前進し、必ず“理想の状態”に辿り着けると強く信じています。

マルチプロダクト戦略と向き合う

今後のプロダクト展開について発表したプレスリリースにもある通り、SmartHRはマルチプロダクト戦略を掲げています。「SmartHR」「マルチプロダクト」と検索すると社員のnote記事なども見つかりますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
プレスリリースにも記載の通り、今後プロダクトのリリースラッシュが続きます。そのため、プロダクトの提供価値・提案方法を、短時間でインプットすることが必要となり、会社としても大きな成長が求められています。PMMや新たに立ち上がったプロダクトセールス・CS、そして事業本部に紐づくプランニング部隊など、組織横断で立ち向かっています。お客さまと対面するIS・セールス・CS職のみなさんは膨大なインプットと現場での臨機応変な対応、そしてナレッジのシェアなどマルチプロダクト戦略に向けて果敢に挑み、向き合い、日々研鑽しており、SmartHR社の底力を感じる毎日です。
競合各社とは鎬を削っておりますが、新たに情シス分野などにも広がるSmartHRのマルチプロダクト戦略は、近い将来、マーケットに対してゲームチェンジをもたらすのではと考えています。

孫子曰く
“   百戦百勝は善の善なるものに非ず。
 戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり   ”

私たちが目指すマルチプロダクトの展開が進めば、多くのお客さまにその有用性を新しい価値として認識いただけると考えています。そして、バックオフィスの効率化により、筋肉質な企業組織となることで、さらに「持続的成長に必要なシステム」として選ばれる状態を作り出せると信じています。私たちのマルチプロダクト戦略の肝は“個々の機能群をいかに繋ぐか”、また、“どのタイミング・順序でリリースをするのか”にあります。
現時点では機能単位で見るとSmartHRが後発の領域もあるため、熾烈なマーケット競争の段階であることも事実です。しかし、マルチプロダクト戦略が進めば進むほど競合他社との大きな差別化要素が生まれ、追随の難しい独自性を築いていけると考えています。

将来的には、マルチプロダクトの向かう先に、EP/GM領域のお客さまに特化したニーズにも応えられるよう、さらなる進化を求められるかもしれません。現時点ではTierに特化したプロダクトはありませんが、冒頭に記載した『私たちの使命』の実現に向けて、多くの可能性を視野に入れつつ、日々“いい仕事”に邁進していきます。

We are hiring

ここまでグロースマーケットにおける私の考え、現状、そして見据えている未来についてお話してきましたが、これはSmartHR社の持つほんのわずかな一部にすぎません。SmartHR社は、無限の可能性を秘めたフィールドです。
私たちと「社会の非合理をハック」し、「well-workingな世界」を目指し、急成長・急拡大するスケールアップ企業ならではのカオスを一緒に楽しみ、共に熱狂する仲間を募集しております!


次回は、VP of Product Design 宮原さんの記事をお届け予定です!どうぞお楽しみに!
前回のSmartHR VP記事はこちら