見出し画像

半年ぶりの講義、教えると学びが加速する

祝日ですが、半年ぶりに講義で話をしました。学生からのフィードバックも含めて、感じたこと。それがタイトルにある「教えると学びが加速する」という実感です。これって、noteを書いている方には共感いただける気がして記事にします。

大学1年生向けの科目で、哲学と名打っていますが、あくまで工学部の学生に哲学的な素養を身に着けることを目的としています。非常に限られた時間の中で、単体の知識ではなく、考え方や思考術を伝えることを目指しています。自分自身、哲学を咀嚼して新しい教材をつくってきました。

既存の教科書で教えてもよいのですが、それだと私にとっての学びもないので、一から作ったんです。工学部の1年生に教える哲学とは何だろうか?と。そうすると、自ずと学びます。もともと哲学を習ったこともないので、完全な独学です。とはいえ、ソクラテス、ブッダなどから、最近のガブリエルさんまで読み漁るほどの時間も余裕もないです。

そう時間は有限で、数年単位で哲学を習熟することは不可能です。にわか知識を教えることに抵抗もあります。

なので、本質は何か?を考えました。

哲学とは?をすごくわかりやすく言葉にしてみます。

「問いかけを考え、それに答える。」

につきるとシンプルに腑に落としました。かなり強引ですけど、結局、これしかないとの核心にたどり着きます。

よく考えると、これは哲学だけではなく、人は何か前進するときには、このプロセスを踏むわけです。これが出来れば、あらゆる場面で役立ちます。たった1コマでできる教育なので、それだけを伝えると決め、組み立てていきました。そもそも課題が、この「問いかけを考え、それに答える」ですので。

(注  もちろん、誘導をしっかりとしますよ。)

そうと決まると、対象の工学部の1年生の姿を思い浮かべ、好奇心や向学心を搔き立てる資料と講義内容を決めていきました。身近な問題を取り扱う、将来のキャリア形成に役立つ、など考えていると、アンテナがビンビンに張り巡らされ、書籍、時事ネタ、他の人の講演などがどしどしとインプットされていきます。まさに、学びの玉手箱状態です。

そう教えるとなると多くを学ぶことにつながります。全くやらされ感も義務感もなく、教えるために、また学ぶ。そのスパイラル。

私自身、哲学的な思考回路で、学びを深めていくわけですね。

ありがたいことに、授業の後に、学生から関心のあった箇所などのフィードバックも集まります。次回に向けて、またアンテナがたちます。

ただ、問いかけを決めるのは、実はとても大変です。問いかけができれば、問題は解決したようなものだ、との格言は多いのもうなずけます。1年生から大変でしょうが、単位を得るころには、知識と共に実践的な哲学スキルを得てもらえると嬉しいなぁ、と思います。

今は、研究に集中していますが、教えることは続けていきたいと実感しました。何せ、教える側は、教えることを通じて、ただで高濃度で、学べますからね。学生との対話も楽しみですし。

お読みくださり、ありがとうございました。

この記事が参加している募集

#SDGsへの向き合い方

14,720件

「世界を変えるお金の使い方(Think the Earth Project編)」に基づいて100円単位~数万円単位でできること、50項目を実行し、その報告を記事にします。 「毎日使う100円玉にも世界を変える底力があります(P11)」 応援、ありがとうございます!!!!