ならべかえ。
≪結・急≫
わたしは、反面教師としてこんな風にはならないでおこうと思った。
越路吹雪のサントワマミーに抱いた違和感を、疑問のホコサキを、そのままにして放置しておける余力がワタシにはまだある。
≪起・序≫
越路吹雪のサントワマミーに違和感を感じた。アンチではない。聴いていて異物を感じるほどの違和感であれば、「何故だろう」と追いかけるのだが 追い掛ける程の違和感ではなく、「なんかすっと入ってこないな」と思った。上手いんだけど、素晴らしいのだけれど、入らない。彼女のラストダンスなんとかとか言う歌はすっと入る。おしゃれで最高、桑田佳祐の歌にもそういうのあったよなとか思った。
何でも初見を大事にするのでほっておいた。
≪承≫
元気付けたい奴がいて、ロックを聴いた。忌野清志郎も同じサントワマミーを歌っていると知った。歌詞が一部変わっていた。
忌野清志郎という人は、言っていることは下品なんだけど よく考えれば下品なんだけど、本人がギトギトしていないから全く下品じゃない。不思議な変な人だ。誰もが持つ弱さ情けなさをさらけ出す強さがあって、それをファンはロックだと言うのかもしれない。
そんな彼のサントワマミーは、何故だかめっちゃいいと思った。「こっちとこっち どちらがいい」という質問にすぐに答えられる “ こっち ” が清志郎さんのサントワマミーだった。
なんでやろうと思った。他の人も多くカバーしているのに、何故かここは清志郎だと思った。清志郎ファンであると胸を張って言えるほど、今のところ詳しくはないのだけれど。
前川清のサントワマミーは、長年連れ添った奥さんが先立って、別離の歌に聴こえる。
布施明のサントワマミーは、20個くらい歳の離れた恋人と別れたように聴こえる。
後藤真希のサントワマミーは、ヤンキーの彼氏にフラれた感がある。
(出来ることならここで あややに歌ってほしかったなと思う、隠れあややファンではある…と思う。あやや、待っているからね~ヽ(*´∀`)ノはい、脱線。)
天海祐希の場合は、(本人も歌の世界観も) 美しすぎて。 歌もダンスも完璧すぎて、『恋をしたことがなさそう』に聴こえる。
今述べた歌い手の方々に共通している事は、『本人ではなく別の人が “落語みたいに”話す』ということだ。
落語やすべらない話を聴いている時、観る側の私達はどこに目線を向けているかというと、どこにも向けていない。見ていない。もっとも、これは素晴らしく一流のものを観たときの視点であって、聞き上手や観るの上手なお客さんは、2秒で演者が分かっちゃうのかなと思う。
読むのもそう、私の徒然は2行くらいで(この子は ふざけているのね)と思われてしまう。読み上手に助けられている。
さて。言うまでもなく越路吹雪はスーパースターのなのに、やはりサントワマミーだけは入ってこない。(まだ言うか、こいつ( ̄▽ ̄;))
私の視点は、越路吹雪のままなのだ。落語で言うと、米朝さんのアゴを見ている感じ。(アゴ?なんで、アゴ?知らん。そこは突付かんといて)
ここに来ても、まだ越路と清志郎の(歌に抱いた) ちがいが分からなくて、ようやくソーシャルメディア大明神のお力を借りることにした。
【サントワマミーは元々、男性が女性にフラれる歌だった】
はい、解決。便利な世の中だ。
フランスのシャンソンを日本で歌うにあたり、越路用に【女性が、男性にフラれる】というものに置き換えたとか。なるほどな、だから布施明も前川清も (あれ?)って思いながら咀嚼出来たのか。(あれ?)と思ったのは多分、描かれる中の人物が違いすぎて、幅広すぎて抱いた感情だと思う。
越路吹雪の場合は、輸入感があるというか 『恋を芸術に昇華してしまった』というところに違和感があったのだと思った。何故なら多くの人(大衆、庶民)は それを芸術に昇華はしない。
≪転・破≫
ある表現者と、あるクリエイターの『本題』という対談を読んだ。
その中で、表現者はクリエイターに
『あなたの作品、アニメ化するにあたり “あなたではない人が台詞を一部書き換えましたか”』と言う質問をした。
へんたいだと思った。もっと へんたいだったのは、言われたクリエイターの方で、そんな所を気付いてくださるなんてと うほほしていた。
これは、漫画作品をアニメ化するにあたり時間内に収めなければならないので。アニメーションスタッフはとても優秀にやってくれています的な、きゃっきゃうふふな答えをしていた。
アニメと原作の読み比べをして、(ここが書き換えられた所かなと自分がにらんだ所が当たっていたりしたら、面白くて)間違いさがしをしているようで面白かったと言っていた。(ふわっとしか読んでいないけど。)
ちがいを考察しすぎると、きゃっきゃうふふの へんたいうほほになってしまう。気を付けよう。あんなんしんどそうやもん。
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