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私を映画館に誘う映画監督たち


 配信ストリーミングが普及した現在においては、新作の公開を映画館でなく配信で行うこともあって、映画館で映画を観るというのは、より能動的な趣味になった感じですね。

 私自身も、Amazon-Prime-VideoNetflix をよく使ってる人ではあるんですが、やっぱり映画館で観たいと思うことがあります。
 もちろん、話題作を ”今、観たい!” っていう適時性もあるんですが、映画館の魅力はそれだけじゃないんです。


(其の一)

「大画面での映像に溺れたい!」

 皆、まずはこれですよね。
 スクリーンで観る映像は、家のテレビが大画面であっても太刀打ちできないんです。

 たとえば「トップガン マーヴェリック


たとえば「ゼロ・グラビティ


 等々
 映画館で観るのと、テレビで観るのとでは、受ける印象が異なる映画って間違いなくあるのです。


 そして、この映像区分において、いつも映画館で観たくなるのが、間もなく新作が公開される二人の監督さんなんです。


🎬 クリストファー・ノーラン監督

 ひとりは、デジタルではなく、現在もフィルム撮影にこだわっているクリストファー・ノーラン監督。
 2005年の「バットマン ビギンズ」以降、常に新作を映画館で観てる監督さんです。
 特に2010年の「インセプション」以降は、次はどんな映像を見せてくれるのか、いつもワクワクさせられる監督です。

 特徴としては ”IMAXフィルムカメラ” を使ったリアル映像へのこだわりなんです。
 たとえば、「ダンケルク」(2017)なんて、ストーリーとしてはあんま面白くないんです(おいッ)が、あの迫真映像だけで106分を見せてしまうんですよね。
 多分、「ダンケルク」は、映画館で観た人と、家で観た人とでは、かなり印象が違うん映画なんじゃないかと思います。 

 
 そんなノーラン監督の最新作、アカデミー賞で作品賞をはじめ7部門で受賞した「オッペンハイマー」が、ようやく公開です。
 いろいろ論議になる点はあるのでしょうが、その部分も含めて、映画館で確かめたい作品なのです。



🎬 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

 さて、映像によって映画館で観たくなるもうひとりの監督が、ドゥニ・ヴィルヌーヴです。

 はじめて知ったのは「ボーダーライン」(2015)という麻薬もののアクション映画で、映画館で観はじめたのはテッド・チャン原作の「メッセージ」(2017)からです。
 その後、「ブレードランナー 2049」や、「DUNE/デューン 砂の惑星」と、SFファンの心を熱くする作品を撮ってくれています。

 この監督、「メッセージ」の映像化もそうだったんですが、その後の「ブレードランナー」の続編や、「デューン」の再映画化、そして、次は、アーサー・C・クラークの「宇宙のランデブー」の映画化予定なんて、映像化の面では、かなり困難な道ばかりを歩いてますよね。
 そんなチャレンジ精神スピリッツに溢れる作品は、裏切ることなくこだわって作られていて(作品の是非は置いておいて)、やっぱり映画館で観るべき作品だと思うんです。

 そんなドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作「デューン 砂の惑星 PART2」も間もなく公開です。
 前作も凄かったので、続編でも、どんな映像を見せてくれるのか楽しみなんです。


    映像は映画の醍醐味のひとつなんですが、監督たちがこだわり抜くためには資金が不可欠で、そのためには実績も求められるんです。
    この区分で、自分が気になる監督を考えてみると、サム・メンデス監督やアルフォンソ・キュアロン監督など、過去の実績を持つ60歳前後の方々ばっかりで、若手監督さんが、あまりいないんです。
    私が情報不足なだけなんでしょうが、40歳で『インセプション』を撮ったクリストファー・ノーランみたいなインパクトのある監督さんとの出会いを期待しています。
    


(其の二)

「音や音楽に包み込まれたい!」

 さて、映画館に行きたくなる二つ目の理由がこれです。
 ちょっと私のフェチっぽいんですが、大音量の音楽が身体にぶつかってくるような感覚や、音響や音楽で包み込まれる感じとか大好きなんですよね。
 たとえば、スターウォーズシリーズで言うと冒頭の ”ジャーン!” 
 まず、20世紀FOXのファンファーレが流れますよね(近年の配給はディズニー)、暗転して「A long time ago in a galaxy far, far away....」の文字が浮かんで、再び暗転して…  …   …   ジャーン! みたいな…   
    この "ジャーン!" を浴びる瞬間がたまらないんです!(伝わりますかね..)


🎬 デヴィッド・リンチ監督

 そんな音楽・音響区分で、私の推しだったのがデヴィッド・リンチ監督なのですが、多分、リンチって音フェチなんですよね。
 音楽だけでなく、音のひとつひとつまでこだわってる感じがするのです。
 たとえば、私がリンチを映画館で観るようになったきっかけの一作、1990年のパルムドール作品「ワイルド・アット・ハート」の冒頭シーン

 マッチに火が点くだけのシーンなんですが、映画館で観ると、このマッチが燃える音が、自分の周りをかけ巡るように聴こえきて、その後、自分の周囲が炎に包まれるような感覚になるんです。
 最初っから背筋がゾクゾクってさせられるんですよね、リンチの映画はそういう楽しみ方もできる作品だったのです。


🎬 クエンティン・タランティーノ監督

    こちらは、フェチというよりも "マニア" といった方がしっくりくるクエンティン・タランティーノ監督。
    タランティーノっていえば、やっぱり音楽のチョイスですよね〜、ほんとすばらしい!
    こんな曲をここで?って、最初は思うんだけど、それがピッタリはまるんです。

    「パルプ・フィクション」から映画館で観てるんですが、予測不可能なストーリー展開はもちろんのこと、使われてる音楽に、いつも魅了されているのです。

    「キル・ビル」のクライマックス、日本刀による雪舞う日本庭園での死闘…
 この和風シーンにサンタ・エスメラルダを使うなんて、タランティーノ以外はあり得ない選曲だと思います!(しびれました!)


   この音楽区分を楽しみにして映画館に行くって監督は、私的にそう多くはないんです。
 紹介した二人について、リンチは商業映画には戻ってこないだろうし、タランティーノも監督するのはあと一作って話なので、この区分の監督がいなくなりそうなんです…   が

 … 実はいるんです、この区分では期待の監督が!

🎬 エドガー・ライト監督

 作品自体にも "パワー" を感じさせる監督なんですが、音楽の方は輪をかけて最高です! 
    偉そうに語ってますが、映画館で観たのは「ベイビー・ドライバー」と「ラストナイト・イン・ソーホー」の2作だけです💦
    が、どちらも素晴らしかったです!


ベイビー・ドライバー」(2017)


ラストナイト・イン・ソーホー」(2021)


 もしかしたら、私の中では、今一番新作が待ち遠しい映画監督かもしれません!
 ちょっと間隔が空いてるんですが、新作、心待ちにしています!


+  +  +  +  +  +


 と、映像と音楽・音響を中心にした映画館愛に関する記事でした。
    もちろん、映画館で観る良さには、特別感と没入感、また、複数人との共有感があったり、映画にもストーリーや演技など、必ずしも映像と音楽ばっかしというわけでもないんですが…
 いろんなメディアサービスが進化しても、映画館で観るというのは、やっぱり映像や音楽に存分に浸ることのできる贅沢な時間なんですよね。
    そこを強調したかったんです。


 この3月はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と、クリストファー・ノーラン監督の二人の作品が観れるなんて、自分にとって幸せな状況です。
    加えて、単館系の作品にも観たい映画が目白押しで、私的には映画強化月間みたいになっていてスケジュール調整に苦労しているところです。
 でも、映画館に行きたいと思える映画があるってことは、ホントに素敵なことだとも思っていて、そんな映画を作ってくれる皆さんに感謝なのです!

(近いうちに単館系の映画についても記事を投稿したいと思ってます。…映画強化月間ですから!)


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