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【small design】竪穴式住居

日本人は電車やバスでも必ずと言っていいほど隅っこに座りたがる

私も好んで隅っこに座ってしまう質だ

海外では隅っこ好きは珍しく、日本人のこの特性は島国ならではの特徴とも言われる


建築においてこの隅っこ理論を考えてみると、自分の部屋をレイアウトする場合、ベッドやテーブルは多くの人は壁に付けるように配置するはずである

ともすると、テーブルやベッドの上の部分はほとんど使っていない空間と言えないだろうか


時代を旧石器時代に移してみると、『竪穴式住居』という洞窟のような住居形式があった
床を少し掘り下げたところに木を中心に沿って傘状に組んだ構造である

簡単に言うと壁はなくて、屋根だけで出来た家である

もしこの竪穴式住居に現代人が住んだらどのようなレイアウトをするだろうか?

恐らく周囲に沿って家具を配置するだろう
要は真ん中をオープンスペースにして大好きな隅っこを堪能する暮らしをするのではないだろうか?

しかもこの傘状の型は、建築と人との距離を近づけてくれる
より建築と人間がフィットした暮らしができるのではないだろうか?
衣服の延長のような、人の肌の少し先にある存在としての建築ができるのではないだろうか?

私は現代の建築は、子どもの頃体感したサイズの合っていないブカブカのユニフォームみたいなものだと思っている

竪穴式住居のような形は、人の暮らしにフィットした心地よい暮らしのヒントが隠れいるように思う

『小さい(=small)』ことで生まれる豊かさをデザインしていきたい

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