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負けた俺の癖に”勝者のメンタリティ”を語る!

前回 
後楽園のリングに25年ぶりに立たせてもらった話を書いた
若い時に逃げた自分を取り戻すためにね。

この記事を読んだ友人から 
年齢も年齢だし競技が競技だ。
その中でもう一度、自分と向き合うあの心の強さはどこから来たのか?
なんでそんなに頑張り続けられたのか?
なる質問を受けた。

2024/6/60プロデビュー戦!


ん~
正直、考えたことはない。
自分の心が強いと思ったことはないからだ。


すぐに凹むし、心が折れることだって結構ある。
おそらく、俺も皆と同じぐらいしか、心の強さを持ってないと思う。

あえて違いがあると言えば
せいぜい、俺は話を聞いてくれるコミュニティが
人よりはたくさんあるのかもしれない。

仕事でうまく行かなければ、友人たちに相談するし、
友人関係がおかしくなったら、家族に逃げる。
家族がギクシャクすれば、趣味友と共有するし、
趣味友と疎遠になれば、社員たちと話す。

社員総会で社員から誕生日をサプライズお祝い


そう!

俺は心が強いのではなくて
心の回復が早いんだ!!
信用できる逃げ先がたくさんあって
その人たちに甘えられる環境がある。

ただそれだけだ。

この信用できる環境、
甘やかしてくれる環境が結果的に俺を強く見せられたと言ってもいい。

おじさんになってから今回の後楽園を含めると
13試合してきた。


13戦 11勝 2敗 7KO が俺の戦績だ。


この戦績を自慢したいから書いたわけではない。
なぜこの戦績をに至ったのか?


そもそも俺は試合に出ようと思ってキックを始めたわけじゃない。
ただ、おじさんなりに少しでもモテたくて
ビール腹を凹ませたくて始めたに過ぎない。

仕事で十分にスリルやプレッシャーを味わっているのに
良い年したおじさんがわざわざ殴られに行くって緊張感を味わいたくはない。

初戦のきっかけは
友人が経営者を集めた勉強会の目玉企画で
社長同士に試合させたらおもろい!ということで
たまたま、白羽の矢が立った。 
出る気もなかったが友人の力になると思って
仕方なくオファーを受けたら、これに勝ってしまった。

この試合を見た周りの経営者や社員、トレーナー含めて
すごく褒めてくれたのは記憶に新しい。

俺は単純だから褒められると気持ちいいもんだ。
けど、もう試合に出るのはやめようと思ってた。
殴り合いのリングに、しかも大勢に人前に上がるんだから
セコンドが付いてくれるとは言え、リングの中は一人だ。

試合前の緊張感が想像を超えるものだ。
他の競技では味わったことがない。
そのうえ負傷はつきものの競技だ。

この一試合で
もう普通に体を鍛えるためだけにキックを続けようとそう思った。
しばらくして、 
試合でセコンドについてくれたトレーナーから
ジム内の周年ベントで試合に出てください!と言われた。
いつも世話になってるし、セコンドもついてくれたし・・・

これもまた出て勝ってしまった。

もう、やらんぞ!!

・・・今度は
先輩から大会に出るぞ!って誘われた。
まぁ~誘いというよりかは
半強制的にその大会に申し込まされての出場だ。

これにも勝ってしまった。
たまたま勝ち続けて 
周りからお褒め続けてもらったことが
いつしか俺の中で小さい自信に変わって行った。

気が付いたら試合に出る抵抗がなくなり、
連戦連勝した。
やがて、俺の自信は 
徐々に負ける怖さを纏い始めた。。

ハッキリ言って、レベル的には
周りから期待されるような代物じゃないのは
よーく分かっている。
所詮はオヤジが趣味でやってるキックボクシング試合だからね。

だけれども 
勝ち続ける中で目にしてきた
家族の安堵と喜び、
友人たちの興奮した姿や、
一緒に練習してくれたトレーナーや仲間が讃えてくれること、
これらに対して 
勝手に期待に応えないといけないような思いが強くなったのは確かなんだ。

ここら辺から俺はトレーニングに対する姿勢が変わった。
トレーナーに追い込まれなくても
勝ちづつけるために自分で勝手に追い込めるようになり始めたんだ。

追い込みを無駄にやり過ぎちゃうぐらいやり始めた。

はっきり言ってオヤジにとって良いことが一つもない。
特に毎晩酒飲む俺は、
自分で決めたトレーニングをサボりたくないもんだから
コンディションが悪くてもやり切ってしまうんだ。
その結果 
肉離れになったり、ぎっくり腰になったり、骨にヒビが入ったりと
ケガが絶えなくなった。

もはや、ここまでくると
勝ちへの渇望が中毒症状のようになったんじゃないかと思う。


俺が思うに「勝者のメンタリティ」っていうモノは 
勝ち続けなければいけない、勝つことが当然と思うがあまり
必要以上に準備段階で自分を追い込む心の持ちようなんだ。

とある機会で
K-1チャンピオンの野入選手に話を聞けた時、
彼も同じようなことを言ってた。
吐くまで自分を追い込んでしまうから、
逆にトレーナーが諫めると言っていた。

◾️勝者のメンタリティ



俺は今回
あくまでもキックボクシングの話で勝者のメンタリティを語っているけど

これは、
子育てでも、
社員教育においても
大事なポイントを示唆している。

誰しも最初からこのメンタリティーが備わているものではなくて、
周りの期待(称賛)、努力、実績、自信、自分の意志が 
何度も繰り返されて
初めて獲得できる代物なんだと思う。

いかに このメンタルを獲得するのに周りの協力が欠かせないのか、だ。

俺が冒頭に書いた、心の強さを思い返してくれ。
俺は信用できる良いコミュニティをたくさん持っている。

つまり、
良い環境(大人の環境)に身を置いてきたからこそ、
勝者のメンタリティーを獲得したと言える。

これは育つ側も、育てる側にも言えることだ。 
小さい自信の種をかき集めて、勝者のメンタリティを獲得するまで
皆で育てて行かないといけないのだ。


PS:親御さんや、上司や、監督さんなどの指導者で期待があまり、小さい自信をへし折り行く大人がまぁ~まぁ~居るけど、人を育てるにはまだ遠~い先にあるんだとよ~って言いたいこの頃です。