保湿剤
ずいぶん昔に「敵を知り己を知れば百戦百勝」みたいなこといった人がいたんだって。これを肌の文脈でいえば、敵（紫外線、乾燥、ウイルス、菌、ほこり等）を知り、己（肌の構造）を知ればうぇ～いってこと。
大前提
ホンモノ美肌（ちょ～健康的な皮膚）に必要なのは睡眠、食事（栄養）、運動、ストレス対策だということ。
そして、普通の人がスキンケアでやるべきことはたった一つ――皮膚バリアを守ること。
そのために必要な製品は以下の3つ。
①洗顔料
②日焼け止め
③保湿剤
今回は③保湿剤だ。
ポイントは3つ。
①皮膚は進撃の巨人の壁
『進撃の巨人』という漫画がある。13年ぐらい連載していて先日アニメの方も10年で幕を閉じた。
その中に人を食らう巨人がおってね。食われる側はたまったんじゃないから、巨大な壁に囲まれた要塞のような中に街を築いて引きこもり。
僕らの皮膚ってこの壁みたいなもん。
巨人ではなく、ウイルスや細菌、ほこり、紫外線の害から身を守る壁。同時に、カラダの中の水分を蒸発させずにキープする役割もになっている。他にもいろいろあるけれど。
ということは、キホンいかに肌にいい何かを含んだ水分（美容液）を外から塗ったところで通さない。いかにキレイにする成分が含まれていようが肌は識別できないからね。
厳密にいえば、進撃の巨人の壁だけじゃない。
これも例えが古くて恐縮だけど、エヴァンゲリオンっていうアニメがあってさ。
その中ででてくる「ATフィールド」という何かの侵入を防ぐバリアがでてくる。
僕らの肌にもそれみたいな皮脂膜がいっちゃん手前にあるんだよね。
皮膚の最前線はこのようにエヴァンゲリオンのATフィールドに進撃の巨人の壁という二段構造からなっていて、外部刺激から身を守っている。
②無農薬かそうじゃないか
肌には水分を保持する仕組みがもともとある。
エヴァンゲリオンのATフィールドにあたる皮脂膜は汗を含んでつくられる。
そして後に控える進撃の巨人の壁にあたる角質層は、レンガとモルタルでたとえられがち。死んだ細胞こと角質細胞がレンガ。その間隙をうめるのが細胞間脂質（セラミド、コレステロール、脂肪酸）。セラミドといえば潤い成分として有名だよね。
また、NMF（Natural Moisturizing Factor）こと天然保湿因子が肌にうるおいのアクセントを与える。死んだ細胞こと角質細胞が壊れるときに出るアミノ酸だ。
このように僕らの肌には天然の保湿剤を自前で作り出す仕組みが備わっている。
ただ悲しいかな、年をとると皮脂が減っていく。ライフスタイル次第じゃそのスピードはもっと速くなる。
プラス、若くてもたとえば女性がメイクを落とすときに洗顔料を使ってもっていかれたり。シャワーを浴びるときのお湯で皮脂は溶けてしまう。32～33℃ぐらいから溶ける。
そうすると肌バリアが弱まって無防備になっている状態・・・危険だね。こーゆー時こそ市販の保湿剤を使う好機。乾燥すると小じわの原因にもなっちゃうからね。
さて、ここで本題。
なんで「無農薬かそうじゃないか」の話だ。
無農薬の野菜っていろいろと手がかかる。形も大きさも整わなかったり。その分、栄養価も高く味も濃い。価格も高い。
一方でスーパーで売られている農薬を使った野菜は形や色もキレイ。ただ栄養価は低く、価格も安い。
いうなれば手前で用意される天然の保湿剤は無農薬の野菜だ。最初にいったように、ごく一般的な水分補給にバランスの良い食事、睡眠、運動など手がかかってできあがった質の高い保湿剤。
一方で、外からつける、市販されている乳液・クリームといったものは農薬を使った野菜。お手軽で簡単に保湿できるけれどその分、質がよくない。
魚でいえば前者が天然魚、後者が養殖魚。
質という点において健やかな肌のもちあわせている保湿機能に勝るものはない。
しかし、メイクを洗顔料で落としたりお風呂に入って熱湯で顔を洗ったりすると天然の保湿剤こと肌バリアが弱ってしまう。そこで天然の保湿剤が回復するまで何か代わりになるものを――。
③つなぎのワセリン最強
ワセリンは角質層に浸透しない。肌の表面をサランラップのように覆うだけだ。手前が持ち合わせている天然の保湿剤が充填されるまでのつなぎとして最適なのである。
メイク落とし、あるいはお風呂上りに濡れたまんまの顔にちょびっとだけ手のひらにとって伸ばして顔にぬるだけ。
よく化粧水をつけて乳液なりクリームなりを重ねて塗って蓋をする――なんてことする必要はない。水道水だろうがなんだろうかなんだってかまわない。
むしろ化粧水はほとんどが水だとしてもちょびっと合成のセラミドだかヒアルロン酸だかなんだかが混ざっていて邪魔だ。なぜならあくまで天然の保湿剤が回復するまでのつなぎだから。居座られても困る。もし微量でほとんど影響がなかったとしてもいらないものは無駄。
その上、ワセリンは安い。夾雑物の少ない白色ワセリンでさえ数百円で買える。
ここでポイントは小さいサイズのを買うこと。劣化しにくいとはいえすることはするからね。1回で使う量も少ない。大きいサイズのを買ってしまうと何年も洗面台に居座ることになってしまう（自分のように😢）。
あと、生まれもってフィラグリンの量が少ない特殊体質だとか、日ごろの行いが悪い――たとえばゴシゴシしょっちゅう顔を洗う、皮脂の分泌が多くなるような飲み物食べ物を食べる――だとかで極端な乾燥肌、オイリー肌のような人にはワセリンは向かないこともある。注意ね。
（ちなみに、自分の話をしておくとシャワー浴びる時に手にお湯をとってワンクッション、熱冷ましして軽く顔をなでるように洗う。落とすべき酸化した皮脂、過酸化脂質なんかはこれで落ちる。そして風呂上りに夏場はやらないけれど冬場はさすがに怪しくなってきたのでワセリンを軽く手のひらにとって伸ばして水道水で濡れた顔になでるようにつけて了。ってかーんじ）
ではまたね👋
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