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これを抑えておけば大丈夫!プロトタイプ製作における工法5つ




5つの代表的な工法

みなさん こんにちは!
株式会社SLD 広報/マネジメント/デザイナーの佐土原です。
本日はプロトタイプ製作における代表的な5つの工法を紹介します。

クライアントからの要望でプロトタイプを製作するにあたり、定番の工法をそれぞれ簡便にお伝えしておきます。基本的にはデザイン(意匠)のプロトタイプを製作する前提ですので、金属加工等は今回は含まれておりませんのでご了承ください。

  1. 粉末造形 (ふんまつぞうけい)

  2. ABS切削

  3. ケミカルウッド

  4. 光造形

  5. FRP

それぞれについての概要

  1. 粉末造形 粉末樹脂を焼結させて造形していく工法で定番の工法です。レーザー光線で照射して焼結させて一層ずつ積層しながら形状を作る方式で3Dデータがあれば比較的安価に製作できるため弊社でもこちらの工法を選択する機会は多いです。

2.ABS切削
ABS樹脂を切削機を用いて加工し、貼り合わせたり、樹脂同士をボルト等で締結し、最終的な目的のフォルムを再現します。

3.ケミカルウッド
主にウレタンを用いた人工的に作った木材になります。
 こちらも切削加工が行いやすいため、切削加工を行うことで最終的に表現したいフォルムを再現します。

4.光造形
光硬化樹脂紫外線レーザーや類似の光源で1層ずつ硬化することによって積層して作成します。

5.FRP エポキシ樹脂やフェノール樹脂などに、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックである。

メリット・デメリット

1.粉末造形
メリット強度、耐久性、用途に対して多くの材料が用意されています。
造形機の性能の目覚ましい向上、取り扱うメーカーが多くなった結果製作コストが下がってきています。

デメリット:塗装を行う前の下地処理に(工数)コストがかかり、塗装の仕上がりはABS樹脂に塗装を施した場合よりもやや劣ります。又、ナイロン系樹脂が主材料の為、粉末造形後の修正が極めて困難です。

2.ABS切削
メリット熱や衝撃に強く、加工性に優れます。デザインモデルの再現には非常に適した樹脂ですので精度の高いモデルを製作する際はお勧めします。又、塗装前の下地処理を丁寧に行えば、塗装品質が非常に高いのも大きなメリットです。

デメリット:大量生産には不向きな素材です。又、耐熱性が高くはないため、塗装前に高温で下地処理のサフェーサー乾燥させるのは避けましょう。ABSの耐熱性は一般的に60°~70°とされています。

3.ケミカルウッド
メリット:切削加工がしやすく、寸法安定性や強度に優れています。
又、用途により硬度が選べます。ABSよりも加工しやすいため切削機との親和性も高いのがメリットでしょう。

デメリット:強度的にも試作向きで大量生産には不向きです。

4.光造形
メリット:造形精度が高く、なおかつ積層痕が目立ちにくく、表面が滑らかな仕上がりになります。又、アクリル切削に比較して安価で製作できるため
原理モデルの再現であれば十分再現性の高い工法と言えます。

デメリット:長時間経つと黄変(黄色く変色)してきます。最近はだいぶ改善され値ます。又直射日光に弱く劣化が早く進むため屋外での長時間展示等には不向きです。

まとめ

いずれの工法を選択するかは、クライアントが求める最終目的によります。私たちは経験上最良と思われる工法をご提案しますが、やはり最終的にはコストと折り合いがつく工法に落ち着くことが多いです。

これから私たちのようなプロトタイプを正確する会社に発注する際、工法について熟知されていらっしゃる方も、そうでない方も、今回の5つの工法を念頭に置いてプロトタイプの製作をすすめられると良いと思います

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事がモノづくりのお役に立てばうれしいことです。

それでは、またお会いしましょう。




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