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子どもに関わる職業の方に読んで欲しい本

悲しいけど、青空の日–親がこころの病気になった子どもたちへ–

ドイツの社会教育学専門のシュリン・ホーマイヤーさんが作者で、精神疾患へのタブー視を乗り越えられるよう、書(描)かれた具体的に貢献する児童書である。
日本においても、精神疾患へのタブー視は根強い

子どもへのハードルはもっと高いと思うので、まずはこの本を大人に読んで貰いたい!

私は、まず子どもに携わる大人の人たち(教員・医師・ソーシャルワーカー・心理士)から知って欲しいと願っています。
訳者の思いと実践者・当事者の繋がりで
クラウドファンディングで出版に至る
訳者である、田野中 恭子先生は、『こころの病気は分かりにくく、困りごとを抱え込むことが多い。そのような中で7年前に本書に出会った。その頃、日本でこのテーマの本は“ぷるすあるは”の本のみと限られていた。』一方、海外では英語はもちろんドイツ語のものも多く、そのうちの一冊がこの本だった。

日本でこのテーマを扱った“ぷるすあるは”さんの絵本のリンクも貼っておきます。

ハルくんという男の子が主人公です。ぷるすあるはさんの絵本もとても分かりやすく、大人向けの説明も豊富です。

(私…人に貸したら返ってこなくて、内容を思いっきり忘れています)


「精神疾患の親をもつ子ども」について実態調査の
研究に基づいて書かれている

欧米では1930年代から「精神疾患の親をもつ子ども」について実態調査がされてきた。

ドイツでは、1970年代にこのテーマ「精神疾患の親をもつ子ども」の研究プロジェクトが始まった。

その分野の研究も日本は遅れているのだと訳者のあとがきで知りました。

​3章構成で成立している

1章が子どもの主人公モナの視点で、お母さんの異変について、モナの心の葛藤や生活のしにくさ、学校でのイジメについて描かれています。

きちんと、キーパーソンは居ます。モナの場合は学校の担任の先生でした。学校の担任の先生が、モナと寄りそい、お母さんの病気について説明してくれています。

2章がモナからあなたへ-子どもたちへのアドバイス-として、子どもが疑問に思うことを説明しています。

原書の第2章は、ややショッキングな回(自傷シーン)となっているため、1章の中でぼやかしてショッキングなシーンは回避してあるそうです。
相談機関は、日本の専門機関にカスタマイズされている
電話では                                                             チャイルドラインや子どもの人権110番、24時間子どものSOSダイヤル、児童相談所。
インターネットが使えればその情報収集。            誰に相談したら良いのか?色々な関係機関について説明されています。大人が読んでも学べると思います。

第3章が、親と身近にいる人たちへのアドバイスとして書かれています。

精神疾患の親をもつ子どもの当事者としての感想

あくまでも、私の感想です。

私は、一部モナと似ている生活を送っていたので…周りの大人が助けてくれれば当時助かったなというのが率直な感想です。
しかし、私の場合は目に見えるネグレクトではなく、見えにくいネグレクトでしたので、分かりにくかったのかもしれません。
20年前も今もタブー視されている、子どもへの親の病気の説明は…私はして欲しかったです。実際に本を手に取って知っていただきたいですが…子どもの頃は「自分が悪いんだ」と責めることがありました。少しでも、親が病気なんだということが分かっていれば、ほんの少しだけですが救われていたかもしれません。
日本でも精神障害者の人数が増えてきている。       
しかし、未受診・未治療の方も居るので実数はもっと多い。

親が精神疾患をもつ子どもは増えるのではないか?と思われます。

親がこころの病気を抱えていても、子どもは子どもらしい生活を送る権利があります。しかし、親も病気で苦しんでおり、親を責めたり、親が何とかしろという問題でもありません。

周りにいる子どもに関わる職業の皆さん!是非、手に取って読んで頂ければ嬉しいです。そしてその子どもの気持ちに気づいて下さい。


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