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「2.43 清陰高校男子バレー部」の魅力

男子バレーの話?それって「ハイキュー!!」でしょ?というあなたにこそ伝えたい!

2021年1月からアニメも始まったので、ぜひ原作アニメも見てほしい!!壁井ユカコさんの小説ならびにアニメ「2.43 清陰高校男子バレー部」ネタバレなしで紹介していきます。

INTRODUCTION

東京の強豪中学バレーチームで深刻なトラブルを起こしてしまった灰島公誓は、子供時代を過ごした母方の郷里・福井に転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会。
ずばぬけた身体能力を持ちながらプレッシャーに弱い黒羽と、バレーへの圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との摩擦を引き起こしてばかりの灰島はエースコンビとして成長していく。だが、中学最後の県大会で衝突……。
絶縁状態のまま、二人は地元の清陰高校に進学する。
男子バレー部で待っていたのは、身長163cmの熱血主将小田と、秀才で毒舌家の副主将青木の3年生コンビや日光アレルギーで常に長袖長ズボンの棺野をはじめとする2年生たち。
新生バレー部はやがて弱小チームの殻を破り、福井の新星として注目される存在に成長していく。その行く手に立ちふさがる魅力的なライバルが続々登場!


2.43って何?

そもそもタイトルにある「2.43」とは、バレーのネットの高さを示しています。つまり2m43cmの高さということ。めちゃくちゃ高い。

しかし、高校男子バレーの県大会は2m40cmが多いそうです。それが、春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)では、2m43cmになる。この高さをオレ達は目指そう。全国へ行こう――!

というタイトルなのです。秀逸だと思いませんか?


「ハイキュー!!」と何が違うの?

「ハイキュー」がならば、今回紹介する「2.43」は(日向と清陰にかけているよ)だと思います。

地方の弱小高校でメンバーも少ないが、そこへ超天才セッターの1年生が入ることによって仲間も感化され、いろんなことを乗り越えて成長して、春高の大舞台を目指す―!というのは、共通要素となっています。

どちらの作品も2012年連載開始ということですが、ここまで題材が似ているのにどちらもめちゃくちゃ面白いというのはすごい。だからハイキューファンにこそ、ぜひ読んでほしいのです。

もちろん漫画と小説なので表現方法も異なりますが、より高校生たちの内面にフォーカスし、「青春の苦さ」も描いているのが「2.43」です。


青春はほろ苦い

陰といっても暗いとか重いとかそういうわけではなく、高校生の溢れんばかりのエネルギー量はまぶしいし、仲間との友情、先輩後輩の信頼感、恋未満の甘酸っぱい関係もアクセントになっていたりと、青春ど真ん中の王道小説です。

でも、青春ってキラキラしているだけじゃない。

バレーをする理由も、そこにかける熱量も、目指す場所も違う。仲間を信じられないこともある。話せない過去がある。チームを背負わなければいけない。優勝に導かなければいけない。負けたら終わり。あと10センチ高ければ――。

主人公視点だけでなく、様々なキャラクターの目線で物語が動いていくので、それぞれに思いを寄せながら追いかけていくことができます。

バレーに青春を捧げる彼らは、葛藤やプレッシャー、痛み、嫉みといった何か少し影を落とすようなものを抱えている。

それを抱えながらも、バレーと、仲間と、ライバルと向き合い、時にはぶつかり、そうやって少しずつ成長していく。

平等に与えられた3年間。迷ったり、転んだり、時には立ち止まって、でもまた走り出す。同じメンバーでプレーできるのは1年弱という限られた時間を駆け抜ける姿が、まぶしくて、羨ましくて、懐かしくて、愛おしい。

登場人物の内面を丁寧に描くことのできる小説だからこそ、なおさら読者に刺さるのだと思います。


魅力的なライバルたち

スポーツものにライバルの存在は欠かせませんが、「2.43」で特徴的なのはライバル視点の描写が多いところです。

1章まるごとライバル校の話だったり、試合自体もライバル側から見たものになっているシーンも多い。強豪と呼ばれるチームも、絶対的なエースとして有名な彼も、それぞれに強い思い、信念があるということがわかります。

だからこそ、ライバル達が魅力的になるのです。それゆえに相手校もついつい応援したくなる。ここに登場するキャラクター全員が熱をもった存在になる。

試合のシーンは手に汗握り、ページをめくる手が止まらなくなるかもしれません。


地方が舞台

本作は福井県が舞台。特に主人公の黒羽や灰島が住む紋代町は、よくも悪くも人間関係が濃く皆が顔見知りで、田んぼが広がっていたり、遊ぶ場所も限られていたり、電車は1時間に1本だったりする。

地方出身者は特に共感する部分も多いのではないでしょうか。地方特有のゆったりしたあたたかい雰囲気もある一方で、どこか閉塞感のあるような少し暗さを感じるところもあります。

また方言がたくさん登場するところも魅力!柔らかく穏やかな話し言葉は、ぜひアニメでも味わってほしいポイントです。声優陣は榎木淳弥さん、小野賢章さんら、とっても豪華でかっこいい方々ばかりなので、こちらも要チェックです!


アニメのOPはyama!​

また神OPのアニメが来たと思いました。

何も言わないから、とりあえず聴こう。

「2.43」の世界観を上手く表現しているなと思いました。歌詞も曲もめちゃくちゃかっこいいので、おすすめです!


ここまで、ちょっぴりビターな青春小説「2.43 清陰高校男子バレー部」を紹介してきました。キャラは個性豊かで、試合シーンの緊張感も、日常の何気ないやり取りも、衝突も挫折も成長も、胸キュンポイントも、魅力が語りきれないくらいたくさん詰まっています!

現在、小説は単行本3巻が刊行され(文庫版もあります)、ウェブサイトで既刊の続きが連載されています。サイトはコンテンツ盛りだくさんなのでこちらもぜひ訪ねてみてください。

アニメは1月末現在、4話まで放送されています。配信サービスでも見ることができるので、まだまだ間に合いますよ!

おうち時間にいかがでしょうか?

それでは(。・_・)ノ


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