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私の十界論

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私のこれまでの経験に照らして、私の中にある十界を書きだしてみたいと思いました。それがこの【私の十界論】シリーズです。
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【私の十界論】仏界…「どんな自分もオーケー」

【私の十界論】仏界…「どんな自分もオーケー」

実は、このシリーズは「おわりに」から書き始めました。着地点がブレないようにということと、最後までちゃんと書ききるぞという思いからです。

仏界とはなにか。私は、今まで書いてきた九界のそれぞれの心が受け入れられて安心した状態、これを仏界というのだと思っています。正しい解釈かはわかりません。

成仏する、仏になるというのは、特別なことではなく、仏界があらわれて自分が心から安心できてる状態を指すのだと思

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【私の十界論】菩薩界…「人のために行動しよう」

【私の十界論】菩薩界…「人のために行動しよう」

私は母とは全然違う性格であまり気が合わないのですが、私が母の生き方から学んだことで、自分でも気に入っている生き方があります。それは「人に渡したものはあげたものと思う」ということです。

貸してほしいと言われたものでも、渡した時点であげたものと思う。帰ってきたらありがとう。帰ってこなくても気にしない。ものだけでなく、お金でも、親切の気持ちでも、愛でも、なんでもです。

これはきっと菩薩の気持ちに近い

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【私の十界論】声聞界…「もっと勉強しなきゃ」

【私の十界論】声聞界…「もっと勉強しなきゃ」

学生の頃、私は、教学(法華経や日蓮大聖人御書について学ぶこと)が好きでした。とても昔の文章なのに、今の自分のことを言われているような感じ、文章の奥にある普遍的な考えが見えたときの面白さが好きでした。

でも私の周りにはそのことについて語り合える人はあまりいませんでした。
学会の座談会では、御書講義という時間がありましたが、本に書いてある文章を読むだけだったので、皆がそれをどう感じて現実にどう活かし

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【私の十界論】餓鬼界…「もっと欲しい、まだ足りない」

【私の十界論】餓鬼界…「もっと欲しい、まだ足りない」

小さい頃から、絵が好きで、大人からも絵が上手ねと褒められて育ちました。小学5年生のときには自然と漫画クラブに入りました。

そのクラブでは、面白い漫画は学校の掲示板に貼られることになっていました。私は、自分の絵に自信がありました。でも、何作書いても、なかなか掲示板に貼る作品には選ばれませんでした。だんだん、自分が認められないことが不安で仕方なくなりました。

ある時、たまたま家に来ていた兄の友達が

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【私の十界論】地獄界…「何をしていても苦しい、消えたい」

【私の十界論】地獄界…「何をしていても苦しい、消えたい」

たんだんだんだん自分を嫌いになって、気づいたときにはどうしようもなくなっていました。
朝起きると涙が出て、会社に行っても涙が止まらず、毎日泣いていました。頭の中はごめんなさい」でいっぱいでした。「うまくできなくてごめんなさい」「会社の荷物でごめんなさい」「卑怯で卑しくてバカで……。」上司に、休職して病院に行こうと言ってもらい、精神科の病院に行きました。

初診のとき、一通りの話を聞いた先生が言いま

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【私の十界論】人界……「不満はない、でも希望もない」

【私の十界論】人界……「不満はない、でも希望もない」

衣食住が安定していて、家の中にいれば安全で、誰かに煩わされることもない時。私が欲を出したりしなければ、全てが上手く回っている。そんなふうに感じるときがある。

外の世界で起きているニュースはみんな他人事で、自分は安全にずっとこのままでいたいと思う気持ちと、このままでいいのかな?と不安な気持ちが混ざって、もやーっと霞んでるような感じ。

人界は休憩時間みたいなものだと思う。喜んでばかりも悩んでばかり

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【私の十界論】縁覚界…「川は留まらない。人生ってそういうこと」

【私の十界論】縁覚界…「川は留まらない。人生ってそういうこと」

私は音楽が好きだ。聞くのも歌うのも演奏するのも好きだ。

とくに好きなのはパーカッション。叩いて音がなるものはすべて楽器になってしまう。

中学3年生の夏、高校のオープンキャンパスで見た演奏は、そのへんにあるバケツやモップなどを使っていた。それをなんと呼べばいいかわからなかったけど、とても楽しくて印象に残った。

誰かにとってつまらないものでも、それを楽しむ心の人にとっては素晴らしいものになる。物

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【私の十界論】畜生界…「自分が良ければいい、弱いやつが悪い」

【私の十界論】畜生界…「自分が良ければいい、弱いやつが悪い」

中途で入社した会社には同期が二人いて、そのうちの一人は新卒の男の人だった。アルバイトもしたことがないらしく、働くことにとても一生懸命だった。

その会社は新卒を取るのが久しぶりで、教える人がかなり年上のおじさんだった。昔ながらと言えばいいのか、技は見て盗めというタイプで、あまりその人に丁寧に仕事を教えていなかった。

そのくせミスをすると怒鳴るし、感が悪いと言ってその人をけなしたりしていた。その人

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【私の十界論】天界……「欲望が満たされた喜び」

【私の十界論】天界……「欲望が満たされた喜び」

中学3年生の夏休み、進路調査の紙を書いていて、第一希望と第二希望で悩んでいた。

どちらも、その時の学力なら難しくないところだった。A高校は進学校で、やりたい部活があった。B高校はよく知らないけど制服がかわいい学校だった。どちらを第一希望にするかで悩んでいた。

母に相談すると「A高校がいいよ」と言われた。それが当たり前だと言わんばかりだった。

普通に考えて、制服がかわいいという理由で学校を選ぶ

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【私の十界論】修羅界…「人より上にいたい」

【私の十界論】修羅界…「人より上にいたい」

高校生のとき、初めてのバイト先はラーメン屋でした。厳しくも見放さずに教えてくれる店長や、優しい先輩に囲まれて、怒られながらも成長する自分に満足しながら楽しく働いていました。

一年くらいして入ってきたAさんは、私のひとつ上ですが、とても素直で可愛い女性でした。最初は失敗も多かったり、店長にもタメ口でヒヤヒヤして見ていましたが、周りの人に頼るのが上手で、数ヶ月後には仕事も順調に。タメ口もAさんの良さ

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【私の十界論】はじめに…喜怒哀楽と十界論

【私の十界論】はじめに…喜怒哀楽と十界論

喜怒哀楽という言葉があります。喜び、怒りなど一人ひとりの人の心の状態をあらわした言葉です。でも、4つではあらわせないような感情ってたくさんありますよね。

仏教の教えのひとつである「十界」というのも、一人ひとりの人の心の状態を十個に分類してあらわしています。

十界はそれぞれの状態を「〇〇界」と名付けています。たとえば、喜怒哀楽と比べると、
「喜」→喜んでいる状態
「天界」→欲望が満たされて喜んで

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