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【不定期雑記 #3】『趣味』の物書きとして生きること。

 noteに登録して2か月くらい
 すみません、書きたいものを書く性分なので、自己紹介が遅れました。当記事は固定にでもしておこうと思います。

 改めまして、透々実生(すきとう みつき)と言います。名前の由来は、色々なものを『透かす』記事(実)を生らしたい、という思いでつけています。
 そんなこんなで、『趣味』で物書きをしております。小説から推しバンドの記事から、日記から感想文まで何でも書きます。よろしくお願いします。

 ……と、ここで終わってもいいですが、もう少しだけ私のスタンスを言っておきます。
 自己紹介ですし、自分のことについて好き勝手書きますよ!

1:私の、『物書き』としてのスタンス。

 初めに、私は『趣味の物書き』です。
 『趣味』とは、『商業』と対極にあると考えています。或いは、『商業』とは別領域と言えるでしょうか。

 ……うん。まどろっこしい言い方は止めて、ストレートに言いましょう。
 『売れる』とか『読まれる』とか、そんな表面上の数字なんてどうでもいい、と思っている人です。有料記事制度のあるnoteで言っていいことではありませんねこれ……(noteさん、ごめんなさい)。
 勿論、読まれたら嬉しいです。何かを伝えたいと思いながら魂込めて書いていますので。でも、伝わらないならそれでいい、とも思っています。
(ちなみにそんな考えの人ですので、私の書く記事は全て無料で読むことができます。時間があったら暇潰し程度に楽しんでいってね!)

 さて、これから書くのは、この考えに至る経緯です。
 人によっては、少し刺激の強い話になるかもしれません。夢も希望もありません。怒られるかもしれません(私が)
 でも、同じことで思い悩む人もいるかな……という独善的な思考から、ちょっと書いてみようと思います。

2:前提1、『商業作家』と『趣味作家』。

 本題の前に、前提を2つ。ちょっと固い話になりますが、お付き合い頂ける方はお付き合いください。
 この前提が分かっていなかったために、私は数年間ずっと苦しみ続けるわけです。そしてこの前提に気付いたからこそ、今の『趣味の物書き』として腰を据えることになります。話を進めるうえでも必要ですので、いきますね。

 物書きには、大きく2つの類型があります。
 先にも書きましたが、『商業作家』と『趣味作家』です。

 『商業作家』はその通り、本を書くことで食い扶持を稼ぐ作家です。直球な表現をすれば、『売れなければ、読まれなければ死ぬ』わけです。だから、滅茶苦茶必死です。
 どういうものが売れるのか、読まれるのか。トレンドを分析する。どういう書きぶりが良いのか。読者のニーズを分析する。表紙はどうするか、ストーリーラインはどうするか、キャラクターは、世界観は……やっていることは、会社のマーケティング分析と然程変わらないと思います。
 つまり、仕事として物を書いている訳です。
 そして、仕事には『金』が絡み、『権利と義務』が付いて回ります。そう、『商業作家』には義務が課せられるのです。『面白い物語を、継続的・安定的に供給し続けるという義務が。
 そして、その作家に対して、出版社も読者も『金を払う』という権利を行使するわけです。権利を行使された限りは『義務(労働と言い換えてもいいです)』を履行しなくてはなりません。しかし、商業作家はどれ程苦しくてもこれを是とします。義務を履行して対価(金)を得なければ死んでしまいますから。

 一方『趣味作家』は、『商業作家』の逆。つまり、『別に書かなくても死にはしない』作家です。だから、ある意味必死にならなくてもいい。余暇に自分の好きなことを好きなように表現するのです。(勿論、『何でも』書いていいということを意味していません。)
 そして、こうした作家は食い扶持を稼ぐ必要はありませんから、本来的には金を得る必要がありません。つまり読者側からは権利が行使されません。従って、義務を履行する必要がありません。『面白い物語を』はさておくとしても、『継続的・安定的に供給し続ける』なんて義務は履行しなくても良いのです。好きな時に好きなだけ書けばよろしい、ということです。

 と、ここまでが1つ目。疲れたら休憩するか読むのを止めて下さいね。では次。

3:前提2、小説投稿サイトの存在意義。

 さて、私達の世代はかなりラッキーで、このネットの海に文章をいつでもどこにでもぶん投げることができるようになりました。そして、沢山の目に触れて、反応を貰う機会も増えるようになりました。
 一昔前ではこうはいきません。勿論、物語を書いている人は今も昔も多かったでしょう。しかし、こうして気軽に沢山の人の目に触れるプラットフォームなんて存在する筈もなく、ほとんどが闇に消えてしまったに違いありません。後世まで語り継がれるのは、一握りの作家だけ――という世界でした。

 物書きの敷居を低くして多くの作家へ門戸を開いた、という意味で、小説投稿サイトの存在意義は大変大きいです。
 しかし、それは最大の存在意義ではありません。

 小説投稿サイトの最大の存在意義は、『次の売れる作家を探すこと』だと思います。

 考えてもみて下さい。
 おおよその小説投稿サイトは企業が運営しています。有名どころだと、

・カクヨム(KADOKAWAが運営)
・ノベルアッププラス(ホビージャパンが運営)
・エブリスタ(運営のエブリスタはDeNAとドコモの共同出資会社)

辺りでしょうか。
 企業というものは、それぞれが抱えるミッションを果たす必要がありますが、その大前提として『倒産してはならない』というものがあります。金を使って、それによって価値を生み、より多くの金を稼ぎ続けなければならないのです。未来永劫。
 そんな企業が、ただ湯水のように金を使って、善意で小説投稿サイトを運営するでしょうか。

 そんなはずないだろう、と。
 会社は稼がなければ潰れる。だから、稼ぎ頭を見つけないといけない。それが、コト小説になると『売れる作家』探しになるのです。
 文章が巧くて、人を惹きこんで、魅力的なキャラクターを生み出し続ける作家。私は西尾維新さんが大好きなのですが、私にとっては『売れる作家』の代名詞はこの方です。
 しかし、そんな『売れる作家』の原石がどこに埋もれているか分からない。

 だったら。
 手っ取り早くそういう場所を作って集めて、その中から選んでしまえばいい。
 勿論、そんな金稼ぎ丸出しの姿勢では人は寄り付かない。だから、適度な『お祭り騒ぎ』を開いて沢山の人を集めるのです。率直に言えば、『さあ皆、楽しもうぜ!』『書籍化したいかー!』という雰囲気を演出するわけです。こんな感じで小説投稿サイトは出来ています。多分。違ったら私が怒られるだけです。はい。

 ……では、いよいよ本題です。

4:最悪のミスマッチ。

 私は、思い返せば元々『趣味』で創作をしていました。ある時は段ボールで机を作ったり(「邪魔!」と親に捨てられましたが(笑))、カードゲームをひたすらに作ったり、年齢を重ねると小説を書くという手段も獲得していきました。
 その源泉は全て、『発散』です。『面白いものを作りたい!』『楽しんでもらいたい!』『ふざけやがって!!』『悲しい……』などの、自分の内なる感情を吐き出すための道具でしかありませんでした。

 そんな中で、私は小説投稿サイトに出会います。二次創作を扱っていたサイトで、そこで投稿されている小説を読んで、「私もこんな面白いものを作りたい!」と思ってユーザー登録したのを、今であれば思い出せます。

 しかし。
 私は徐々に小説投稿サイトというシステムに呑まれていくことになるのです。

 小説投稿サイトは、前にも言ったように、『次の売れる作家を探す』ためのプラットフォーム。元々『売れたい!』という人は別に集まるので良いのですが、実は『元々その気はなかった』人をその気にさせる仕掛けも満載なわけです。
 例えば、ポイントによるランキング制度。3~5段階の評価制度。自分の作品が面白いのかどうか、数字というデジタル情報で残酷に突き付けます。「もっと上を目指さなければ」と人に思わせ、競争心を掻き立てます。
 例えば、コンテスト。テーマに沿った小説を書かせたりします。優秀賞が取れれば賞金・賞品が手に入り、俄然やる気が湧いてきます。

 これ、どうでしょう。
 これに沿ったらまさしく、『商業作家』的な在り方にならないでしょうか?
 もっと上を目指すためにはどうするか?そのためには、『読まれる物語を書かなくては』、『読まれる時間帯を分からねば』と分析をします。もっと読まれている人を見ると焦りを感じ始めたりもします。『読まれなければ死ぬ』からです。
 賞金・賞品が手に入るなんて、まさしく『文章で食い扶持を稼ぐ』ことのシミュレーションみたいなものです。
 しかし、お祭り感覚で運営されているところが多く、そのことには気づきにくい。試しに登録して投稿してみてもいいかも、と思うわけです。

 呑まれていく内に、意識はすり替わっていきます。
 別に商業化を目指す気もないのに、中途半端に『どうやったら上を目指せるのか?』となってしまう。自分の表現の幅を広げたい、見える世界を広げたい、というのも、『趣味』的な意味ではなく、『商業』的な意味になる。
 これがさらに極まってくると、読まれないことが苦しく感じたり、読まれないことで死にそうになったりするのです(私がそんな状態でした)。
 逆に読まれていると、数字でマウントを取ったりするようになります。俺の方が読まれているんだぞ、と明に暗に出してくるようになります(私もそんな状態になることがありました。嫌なヤツだったな、って思います)。

 ……もうお判りのことと思います。
 『趣味』をし続けたい私と、『商業』を目指させる小説投稿サイト。最初から馬が合う訳がなかったのです。
 しかし、それに気づかないまま、私は11年の時を過ごしました。恐ろしすぎる。
 それでも馬鹿みたいに(11年も気付かなかったんですから『馬鹿』としか言いようがありません)小説投稿サイトに居続けた理由は、一言で言えば『承認欲求』があるからです。
 が、これを話し始めると社会的潮流に触れなければならなくなるので、この話はまたいずれ……。

一応言っておきますが、悪いのは踏み込んだ私であり、小説投稿サイトではありません。そこはあしからず。

5:『趣味』に戻った私。

 結局、私はほとんどの小説投稿サイトから撤退しました。一部分は諸事情により残していますが、小説はもうそこでは(というよりその名義では)書いていません。

 ミスマッチに気付き、このままいても精神には毒だと思ったからです。『商業的な在り方』を迫られる場ではなく、『趣味的な在り方』のままいられる場が、私は欲しかったのです。

 そして私が幾つかのサイトを検討して、結果行き着いたのがこのnoteでした。

創作を楽しみ続ける。ずっと発表し続ける。

 この理念が、私の中の『趣味で物語を書き続けたい』とマッチしました。今のところはのびのびと色々書かせて頂いています。
 多少の反応を貰えると、やはり嬉しいものはあります。が、それが目的ではありません。読んでもらえて、反応を頂けたらラッキーくらいに思っています。
 あの時の、何かに追われていた物書き時代とは違う生き方です。

 私は、私の好きなものを書き続ける。一生。
 それが、『趣味の物書き』透々実生の在り方でございます。

 それでは。
 私の書く様々な記事や物語を、どうぞお楽しみ頂ければと思います。
 マガジンを載せときますので、気になるものをどうぞ。


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