フォローしませんか?
シェア
しゅげんじゃ
2023年10月16日 07:30
誰もいなかった。たった独りきりだった。 ウゥゥー……ウゥー……。 荒涼とした大地に、呻きにも似た何かが木霊していた。言い知れぬ焦燥感とともに空を見ると、天頂には眩い光があった。耳元には囁く声。誰も、いないはずなのに。 見えるか? あの輝きが。ぴかぴかとしたあの光が。わかるだろう? 俺とお前が求めてやまなかったもの。ありとあらゆる犠牲を費やし得ようとしたもの。俺とお前の生と死。終わりにして
lizardfolk
2023年10月10日 21:25
誰もいない家に忍び込むのを私が趣味にしてから、もう10年が経っていた。とはいえ、私は泥棒ではない。家の中に入っても何かを盗んだり壊したりはしない。誰かの生活の痕跡にそっと潜り込んで、楽しむのが好きなのだ。だから、私は空き巣狙いと違って、住民が少し前にいなくなったような空き家にも忍び込む。 始まりは17のときだった。私は勢いで、隣の家に住んでいるハンサムな大学生にラブレターを書いた。しかし、土