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目的はただ一つ、生き延びること「ホテル・ムンバイ」

「ホテル・ムンバイ」
滅茶苦茶面白かったです。ノンフィクション映画それほど観てはいませんが、この作品は忘れることのできない一作として頭に残り続けると思います。それほどまでに、無惨さや従業員たちの覚悟、家族としての想いなどが強く伝わって来た作品でした。ですが、だからこそこの残酷さを受け入れることのできない人には、この映画はおススメすることが出来ません。

予告

あらすじ

インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らす青年アルジュンは、街の象徴でもある五つ星ホテルの従業員であることに誇りを感じていた。この日も、いつも通りのホテルの光景だったが、武装したテロリスト集団がホテルを占拠し、“楽園”は一瞬にして崩壊する。500人以上の宿泊客と従業員を、無慈悲な銃弾が襲う中、テロ殲滅部隊が到着するまでに数日かかるという絶望的な報せが届く。アルジュンら従業員は、「ここが私の家です」とホテルに残り、宿泊客を救う道を選ぶ。一方、赤ん坊を部屋に取り残されたアメリカ人建築家デヴィッドは、ある命がけの決断をするのだが──。

公式サイトのあらすじを引用させていただきました。

観て欲しいポイント

一つ目「無垢なる青年たち」

テロを起こした青年たち。正直、この映画をホラー映画と言っても差支えがないと思います。人の形をし、しかし話も通じず、表情を変えずに銃を乱射して人を殺していく。覚悟をしてやっているというよりも、そうすることは当然だからという風に感じました。
しかし、そんな少年たちも、ただの青年に戻る時がありました。
それはホテルの内装や洋式トイレ、料理の美味しさに驚くというものです。
その三点の時は普通の男に戻り、はしゃぐ姿はやはり普通の青年なんだと思わせてくれます。

二つ目「従業員たちの覚悟」

この作品の英雄である従業員たち。どんな時もお客様のことを考え動く。
確かにお店の場合お客様の安全を優先するのは当たり前かもしれませんが、それは思うことで、誰しもが出来ることではないと思います。
しかしこのホテルの従業員ほとんどがお客様を守ると決断する場面はどんな作品よりも胸が熱くなりました。
特にアルジュンは家族を持っていながらも、決して誰も死なせないという覚悟が伝わります。
そのほかにも、目の前で人が殺されるところを目の当たりにして、恐怖に怯えても、フロントの人は震えながらもお客様一人一人に電話をしていく場面は人として凄いと思いました。

最後に

この映画で好きなセリフがあります。それは部屋を出て行こうとするお客様に足して従業員が「祈っています」と言う言葉に「祈るな、すべての元凶だ」と返す言葉は、この映画のためだけに存在するかのようなセリフだと思ました。あまり宗教を知らない僕でも、このセリフの意味が深く突き刺さりました。

思うこと

いつも悲惨なノンフィクション映画を観るたびに思うのですが、どうしても観たあとに呟くのは、「面白かった」なんです。とは言ってもfunnyではなく、interesting。ですがいつも思うんです、「面白い」と言う感想でいいのかと。もちろん言葉を知らないという自分の問題もありますが、「面白かった」が自分が言える最大限の表現なんです。
上手く言えるか分かりませんが、ノンフィクション映画を観ていて共通していると思うのが、人としても覚悟や在り方が素晴らしいということ。
「ホテル・ムンバイ」はノンフィクション映画を観たことがない人にはぜひ観ていただきたい。最も「人」が生きている映画だから。

冒頭に書いた通りこの作品は、惨く心の弱い人にはお勧めできません。しかし、観た後の気持ちはどの映画よりも「面白かった」と感じることが出来るでしょう。

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