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遠野大弥選手について語りたい

はじめまして。皆様は遠野大弥(とおの だいや)という1人のプロサッカー選手をご存知でしょうか。

経歴とプロフィール

遠野大弥(とおの だいや)1999年3月14日生 21歳 静岡県出身藤枝明誠高→Honda FC→川崎フロンターレ→アビスパ福岡(期限付き移籍)

2017年、JFLのHonda FCに藤枝明誠高校より加入し、3年間所属。

Honda加入前は藤枝明誠高校で第95回全国高等学校サッカー選手権大会に出場。(同期にJ1大分トリニータ特別指定選手の藤本一輝)

その他ではSBSカップ2016静岡ユースに選出されています。大会では当時のU19日本代表相手にもゴールを決めていました。

Honda加入後はリーグ戦62試合18ゴール(1年目16試合4ゴール 2年目20試合5ゴール 3年目26試合9ゴール)を記録し、2019年JFLベストイレブンを獲得。そのオフにJ1川崎フロンターレへ3カテゴリアップの移籍。即レンタルでJ2アビスパ福岡に期限付き加入。記事執筆時点(2020年10月24日現在)ではリーグ28試合全試合に出場し7ゴール2アシストと活躍中の21歳のFWです。


遠野選手との出会い

私が遠野選手と出会ったのは2017年のJFL開幕戦。2016年にHonda FCと出会い、今年は追いかけようと決めた矢先の出来事でした。事前情報として遠野選手の高校時代の戦績や経歴は知っており、出ないかな?でも高卒ルーキーだし厳しいかな。と思っていたのを覚えています。

ところがいざ蓋を開けてみれば、いきなりベンチ入りを勝ち取って後半から途中出場。彼のJFLファーストシュートはSBのクロスに対してジャンプで合わせたファンタジックシュートでした。枠に飛んだものの相手GKに弾かれて、ゴールとはなりませんでしたが、このプレーを見た瞬間「この選手はプロに行く」と確信しました。
https://youtu.be/TQN5VX8ygg8

シュートシーン引用。YouTubeより


Honda時代の遠野選手

遠野選手の最大の特徴は高い攻撃意識にありますが、その意識をプロの目に留まるまで引き上げたのはHonda FC監督・井幡博康氏だと思っています。ボールを持ったらまず前を見る。そして果敢に仕掛けていくという遠野選手のスタイルを、井幡監督は最大限に発揮させようとしていたのが見て取れました。

2017,8年の遠野選手はその高い攻撃センスとは裏腹にスタミナと守備意識に課題を残していました。ルーキーイヤーの起用法を見てもそれは明らかで、リザーブからの登場(60分台)が多かったです。また、試合に出た際も当時のHonda都田サッカー場でのリーグ戦で、何度「ダイヤー!」という井幡監督の叫び声を聞いたことか……。持ったら前。ドリブルで果敢に仕掛ける。積極的にシュートを打つ。そういったいわゆる観衆を沸かせるプレーが出来るスター候補生という認識と、よく監督に怒られている選手、という認識が当時は半々でした。

そんな遠野選手の課題を、井幡監督は起用法である程度補おうとしていたのではないかな、と当時試合を見ていて思いました。ジョーカーのような起用をすることでスタミナの不安を軽減したり、なるべく高い位置に遠野選手を残すことで、攻撃に専念できるような環境を作ったり。
この2点は試合を見ているただのファンの推察ですが、後に出た記事で遠野選手本人はルーキーの頃のことを自身の成長を感じる部分と共にこう振り返っており、やはり井幡監督の影響は大きかったのだろうと思います。

「一番成長したのは、意識の部分だと思います。入団当初は、難しく考えすぎて、プレーにも迷いがありました。ボールが来たらまずはパスする先を探して、FWとしては逃げてしまっていたんです。しかも苦手なくせに難しいパスをしようとしてしまって(笑)。そんな時、『お前はゴールだけ見ろ』と監督に言われて、ボールを持ったらシンプルに前を向いて仕掛ける意識を持つようになりました。敵から怖がられるストライカーになろう、と考えて、そうすると肩の力が抜けて、点が取れるようになってきました」
引用元 https://www.honda.co.jp/uslete/story/11/

そんな遠野選手がHondaでレギュラーの座を固めたのは2019年。26試合で9ゴールを記録してチーム内得点王に輝き、その活躍からJFLベストイレブンに選出されました。前述のスタミナへの不安が減り、その高い攻撃センスは洗練され、JFLではちょっと格が違う。そんな領域に到達したのが2019年だったと記憶しています。後述する天皇杯での大活躍も含め、まさに転機の1年だったと思います。


遠野選手と天皇杯(大舞台)

そんな遠野選手が一躍名を上げたのは天皇杯でしょう。サッカーを良くご覧になる方ならば2019年のHonda FCの躍進はご存知のことかと思います。遠野選手はそんな昨年の天皇杯でJ相手に3戦連発を含む5戦4発を記録しています。しかし、そのもっと前。2017年にも彼は天皇杯でゴールを記録しています。2017天皇杯2回戦VSジュビロ磐田戦です。

結果だけ書くとこの試合は120分で2-2。PKまでもつれ込み、ジュビロ磐田が3回戦にコマを進めています。この試合、私は現地で観戦していたのですが遠野選手がゴールを決めたのは120分です。117分に川又堅碁選手に勝ち越し点を入れられ、負けを覚悟した直後の出来事でした。当時まだ18歳のルーキーが、土壇場の大舞台で結果を出すことは簡単ではありません。末恐ろしい選手だと思わされる一点でした。

それ以外にもこのような舞台での得点は多く、遠野選手はいわゆる大舞台やダービーマッチにとことん強いクラッチシューターであると断言できます。
JFLではHonda FCとソニー仙台FCの対戦が天王山などと形容されているのですが、昨年の遠野選手はソニー仙台FCとの2試合で4ゴール。
天皇杯本戦に出場するための静岡県予選では藤枝MYFCから2ゴール。
記憶に新しいところでは2020J2リーグ開幕戦の福岡ダービーでのデビュー戦初ゴールなどなど、そういった舞台での活躍は数多くあります。数字に現れない部分の強さ。そういったスター性も持ち合わせた選手だということが出来ると思います。
ちなみに遠野選手はここまでのキャリア3年で天皇杯本戦に8試合出場。5ゴールをあげています。

遠野選手の強み、特徴。アビスパレンタル後の変化

あくまでも1ファンが見たものであるという注釈は付きますが、私が思う遠野選手の強み・特徴を3つと、アビスパ福岡に行ってからの変化に分けて書こうと思います。

攻撃意識

最大の特徴、と言って良いと思います。ボールを持てばまず前を見る。仕掛けられるスペースが有れば果敢に挑むなど、プレーから滲み出るほどの高い意識が遠野選手のプレースタイルの根幹を成しています。

ドリブルと体幹

その攻撃意識を支えるのがドリブルと体幹の強さです。身長165センチと決して大柄ではないのですが、それ故に遠野選手はボールを持ったときの重心が低いです。そしてタッチ数が多く、細やかにボールの方向を修正しながら運ぶことが出来ます。スピード感溢れる遠野選手のドリブルは、ファンをワクワクさせてくれます。

そしてもうひとつ。体幹がものすごく強いです。小柄なドリブラーは地上戦、空中戦問わず当たられると簡単に弾かれてしまうことも多いですが、遠野選手は簡単にはロストしません。
アビスパ福岡のチームメイトである福満隆貴選手が
「大弥は身長は高くないけど、ジャンプ力があってヘッドが強いので、勝つと思って信じて走りました」とアルビレックス新潟との試合後の取材でコメントしている部分からもわかるように、チームメイトからも強さという部分には一定の信頼を置かれているように思います。
引用元 https://soccermagazine.jp/j2/17400772

逆足精度、ワンタッチプレーの巧みさ

最後の一つにして、意外と触れられていない部分ではないかと思います。
Hondaに所属していた頃からそうでしたが、遠野選手の浮き球への反応は天性のものがあります。右足、左足どちらでも精度の高いボールコントロールが出来るためか、行けると思えば迷わずに足を振り抜きます。遠野選手はこれまで様々なゴールを決めてきましたが、中でも特に凄いと思うゴールは2019天皇杯3回戦VS徳島ヴォルティスで決めたゴール。あのゴールにワンタッチの巧みさ、浮き球への反応、左足の精度などが全て詰まっています。
https://youtu.be/_nQwF_V0s6U

ゴールシーン引用。YouTubeより

アビスパ福岡レンタル後の変化

最大の変化はスタミナにあると思っています。アビスパ福岡に期限付き移籍し、長谷部茂利監督のソリッドでアグレッシブな守備に適応するために相当鍛えたのだろうなというのが見て分かります。前線から守備をハードに繰り返す姿は、Hondaの頃からの最大の進化と断言できます。

守備をハードに繰り返すだけのスタミナがプロに行ってすぐついたことはとても大きく、遠野選手の努力が私のようなただのファンから見ても明らかです。スタミナが付いたことで試合後半でも攻撃を仕掛けられる回数も増え、より怖さが増したなという印象です。

最後に

ここまで書いてきたように、遠野選手は年々進化し続けており、Honda FCのルーキーの頃から見ている身としてはこれから先、どこまで行ってくれるのかと期待せずにはいられない選手です。この選手をルーキーの頃から応援できている幸せを噛み締めながら、そして多くのサッカーファンに愛される選手になってほしいなという思いを記事に込めながら、末尾とさせて頂きます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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