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夢の中の君

夢の中。
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私は帰ろうと、駅の一階ホームに降りるエレベーターに乗った。
ドアが開いた瞬間、そこには酔っぱらって顔を赤くしてつま楊枝をくわえた、大学一、二年生くらいの君が立っていた。
子犬みたいになんだか可愛くて、会った瞬間に、思いのまま抱きしめてしまった。
ぎゅっと抱きしめながら、そのまま彼の向かう二階ホームへエスカレーターは上がっていった。
彼はきっと酔っぱらっていたから、そのときのことは良くわかっていなかっただろう。
電車は西からカーブにそってきた。
たわいもない話をした。彼が大学まで行き来するこの電車はもうすぐなくなるらしい。
「道はすっごく混むし、地下鉄も絶対やばいですよね~。どうしよっかなぁ(笑)」
そうふてくされながら、初めましての私との時間をなんだか楽しんでくれてるようだった。

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夢の中の彼。その時に初めて会ったがどこかとても愛おしかった彼。誰だっただろう。


目覚めてから気づいた。あの人だ。夢の中の初めましての人なんかじゃなくて、、!

あの人だ。バイト中、私に先輩だからってちょっかいばっかかけてきて、でも絶対私のこと好きやろ!って伝わってきちゃう人。だから私も好きになっちゃった人。
お互いの気持ちが伝わって、1ヶ月だけ恋人みたいな感じだった人。一緒に電車のったり、大学サボってどっかでかけたり、本当に濃いい思い出がつまってる人。
私が人生で一番大好きだった人。こんなに好きになることってある!?ってくらい好きだった人。
幼い私の人生をどこまでも色鮮やかにしてくれた人。
私を送っていってくれて、じゃあね、ってしたすぐの横断歩道で事故に遭ってもう一生会えなくなってしまった人。大好きで大好きなあの人。本当に会いたかった人。
そう、あの人だ。
幼く見えた夢の彼は先輩だったはずだが、大学二年生からもう歳はとらない。あれから三年経った今の私が見たから幼く見えたのか。
ともかく、私が一番大好きで会いたかった人に会えた。幸せそうな顔が見れた。夢でも本当に本当に嬉しい。
夢の中で君が誰か気づけていたら、電車がなくなる話なんかよりもっともっと話したいことが山ほどあったのに(笑)
でもいいや。また君に会える日を楽しみに待ってるから。私はずっと待ってるから。

本当は今もずっと大好きだよ。

じゃあ、またね。