iPhoneで撮るアメリカの古都・ボストン〜⓶ 2020年後半、私たちはパンデミックをどう生きたか?

画像1 ニューベリーストリート、エマックアンドボリオ(アイスクリーム屋)(2020年8月11日)すっかりお馴染みになった社会的距離を保って並ぶ6フィートのサイン。2020年7月6日より、フェーズ3ステップ1が解禁になり(ボストン市内では13日から)、映画館、博物館なども開かれ、スポーツイベントも観客なしで始まり、集まる人数の制限(インドアは1000スクウエアフィートに8人で最大25人まで、アウトドア施設は25%のキャパまでで、最大100人まで)、それ以外は社会的距離6フィートと、まだまだ規制は続いていた。
画像2 マサチューセッツ州(左)クレーンビーチ(中)ケープアン(下)ロックポート(2020年7月)2020年7月6日より、フェーズ3ステップ1が解禁になり、ビーチや観光地も解禁されたが、社会的距離6フィート、ゴミは持ち帰る、泳いでいない時にはマスクをする、などなど規制は厳しくあった。外を歩いている人も、家族単位で行動して外でもマスクをしている。
画像3 ハーバードヤード(2020年8月3日)普段なら、夏の休みには観光客が自由に入ることができ、賑わう場所だ。経済が再開したとはいえ、屋内で集まれる人数や密度に制限があるため、9月から新学期であるが、ハーバード大学は構内の人数を上級生の40%ほどに絞り、残りはリモートでの授業の予定としていた。構内にはIDを持った用事のある人しか入れない。マスク着用。門は閉じられており、入り口にセキュリティがいてIDをチェックされる。
画像4 アメリカで最も古い居酒屋ウオーレンタバーン(2020年8月21日)この頃、交通量が減っていたため、店の前の路上への席の設置が認められていた(平常化した今は禁止)。メニューはQRコードになっている。使い捨ての紙を配られる。密度が限られているので、どこも順番待ちの名前を書くが、筆記用具が消毒済みと使用済みに分けられている。入り口で手の消毒は必ず。
画像5 ボストン市つるとんたん(左)、ケンブリッジ市牛角(右)(2020年7-8月)この頃、感染防止のアクリル板が席の間に設置され始める。レストランでは、普段の25%ほどの密度での営業で、最大6人の集団しか着席できない。
画像6 ボストン市公園のトイレ(2020年8月9日)トイレも1つおきに使用するように、間が使用禁止となっている。隣と6フィートないからだ。密になりやすいバーの開店やスポーツイベントなどが始まるフェーズ4は、ワクチン接種のすすんできた2021年の3月をまたねばならなかった。
画像7 ニューベリーストリート(2020年8月11日)レストランの屋外席は地元市民で賑わった。渡航制限も続いており夏のボストンはすっかり旅行客がいなくなった。国内でも、州間の移動に規制がかけられていたケースが多く、感染が猛威をふるう州の車などに敏感になっていたのもこの時期。8月1日より、他州よりマサチューセッツ州に入るためには、原則14日間の検疫期間か陰性証明が必要となり違反者には罰金が課されることになった。業務に関連する旅行も控えるように勧告されている。この頃、検査方法はPCR。簡易キットはまだ普及していない。
画像8 ボストンコモン(上)ビーコンストリート(下)(2020年9月26日)市民も慣れてきて、公園でも距離をとってマスクをするようになった。今回最も被害を受けたのは、バーだろう。リスクが高いということで最後の最後まで営業が許可されていない。熱狂的なレッドソックスファンのマイケル・マグリービィが営業していた三塁サロン(1894年開業)に由来するスポーツバー「マグリービィズ」は、レッドソックスの記念品や写真の展示が豊富でファンにとっては天国のような場所であったが、2020年に閉鎖されている。
画像9 ケンブリッジ市Hマート(韓国系スーパーマーケット)のフードコート(ファーストフードの飲食スペース)(2020年9月20日)外が寒くなってきたため、屋内に飲食スペースを移さざるを得なくなってくる。外食産業は、お互いに離した席を設置するなど苦心の対応が続く。ボストンの公立学校は、2020年9月の新学期から全てリモートの授業を決めた。この頃、大学の対応はまちまちだったが、大学生が大人数でマスクなしのパーティーをするなどして感染した例が立て続けに公表され、各大学が退学などの厳罰に踏み切った例もあった。
画像10 ホーリードーナッツ(メイン州の名物ドーナツ)(2020年11月8日)店内で食べるのが主でないドーナツ店などは、基本的に店外で買う形を取り続けているところも多い。10月7日には、ボストンでの陽性率が4%を超えてきたため、学校の再会計画は見通しが立たなくなっていた。11月入ると感染者数はさらに増え、マサチューセッツ州では10時以降から翌5時までの門限が敷かれた。
画像11 プリマスプランテーション(2020年11月22日)7月以降博物館や文化施設も開き始めたが、収容人数について細かい規定があり、手の消毒やマスクの使用が義務付けられていた。プリマスプランテーションは17世紀のピューリタンの生活を再現しているマサチューセッツ州プリマス市にある文化施設。17世紀の生活を再現する人もマスクをせざるを得ない。
画像12 ボストン地下鉄レッドラインチャールズ駅(2020年11月20日、2021年1月15日)アメリカでは雇用者も被雇用者も、いつ辞めても、いつレイオフしても問題がないため、例えば飲食店は収入がなければ従業員はすぐにレイオフされてしまう。社会的弱者のため、同州では家賃が払えなくても強制退去されないように2020年4月21日に猶予令が出て、7月21日は10月まで延長されたが、この措置が終わり11月になると強制退去のケースが増えた。それに対応する法律相談の窓口が広く開かれた。
画像13 ケンブリッジ市の検査場所(2020年11月20日)。この時点ではPCRの検査が主力だった。簡易キットが広く普及するのは2022年に入ってからだ。この頃、まだワクチンは接種されていない。
画像14 ボストン市レストラン ソンシー(2020年11月)カフェ シンキングカップ(2020年12月)10月5日にはフェーズ3のステップ2に移行し、レストランは6フィートの社会的距離と6人1卓さえ守れば密度制限がなくなったが、感染状況の急速な悪化により11月2日には門限が敷かれ、インドア10人、外では25人の制限ができたが収まらず、12月13日にまたフェーズ3のステップ1に戻った。各テーブルは大きく離され、大きなアクリル板で仕切られているケースも多い。
画像15 ボストンコモンのフロッグポンド(2020年12月31日)12月3日には、陽性率が4.9%を超え、感染、死者が急増し始めた。10月5日にはインドア50%500人まで、アウトドア施設も収容許容の50%までと密度制限が緩和されるフェーズ3のステップ2だったが、12月13日にまたフェーズ3のステップ1に戻った。下の写真は2023年12月のもの。いつもはスケートリンクが作られ、市民で賑わう場所も閉鎖されている。

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