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『自来也/忍術三妖伝』(1937)【忍者映画】

牧野省三監督の『豪傑児雷也』(1921)一連のシリーズを、
息子であるマキノ正博監督がリメイク。
歴代の児雷也を何人か観てきたけど、この片岡千恵蔵版が一番好き!

主人公・自来也に扮する千恵蔵御大の、あの
「口上→恫喝」がね…もう最高。♪

「―――すぃいいィ・さんッッ!!☆」
←もう、思わずプッ!と噴き出して笑ってしまうほどの
カッコ良さ!(笑) シビれますぜぇ…?

「恐ろしくば…泣けッ!叫べッ!吠えろッ!」
幼少時に言われた台詞をオウム返しに吐きかけながら、
容赦なく斬り捨てる!
「フハハハハ…
―――ハァーーーッハッハッハッハッ!!☆」


傍から見れば狂気の復讐劇も、痛快な勧善懲悪としてしまう、
このパワー!
いつかのトーク番組で高橋英樹も言ってたあれだね、
「時代劇はね、いくら大袈裟にやらかしてもクサくない!
コレがイイんだよ…!♪」
…あー、『旗本退屈男』が観たくなってきた。

男装でツンツンな綱手と自来也が口喧嘩しながら
川の水面を歩いて渡り、後から追いかける役人が
ハマってあっぷあっぷなるのとか面白い。

自来也といい大蛇丸といい、何処へ発つにもオバケの如く、
スゥッ…と消えて行く。
普通に門を開けて出て行けないのか?コイツら(笑)

デレた綱手ちゃんが、もう可愛くてね…。
自来也とのしばしの別れを、泣きながら惜しむの。
もうね、デレッデレよ?♪
今作では、ナメクジではなく、蜘蛛に変幻して敵に近づく。

自来也が使役する大ガマも大活躍。
煙を吐きまくって、敵を喰いまくって、城内を大混乱に陥れる!
その場から「一歩も動くこと無く」ね!(笑)

そして遂に、揃い踏みで復讐を成し遂げた自来也と綱手!
「泣けッ!喚けッ!叫べッ!吠えろッ!
フャァーーーッハッハッハッハッ!!☆」

…もうほとんど狂気の塊の様な、凶行夫婦の誕生である。
その瞬間を捉えた、壮絶なるラストカットを見逃すな!(笑)

志村喬さんも、この頃から、後年と全く変わらぬ貫録ですなぁ。☆

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