『MON-ZEN [もんぜん]』(1999)【海外映画の中の“日本”】
妻子に去られた、キッチンプランナーの兄。
妻に不倫されている、風水コンサルタントの弟。
日本の事も良く知らず、どこにあるのかも分からない
禅寺を目指す道中。
ガラケで通話する人間だらけ。
コレが今は、スマホいじり人間に取って代わってるね。
常にどこかに繋がっていないと、根無し草状態に
不安を覚えるんかなぁ?
百貨店でテントを盗む兄。
回転寿司で食い逃げする弟。
平和な日本を象徴するひとコマだね。タチ悪い外国人に
「日本じゃ何でもヤリホ♪」
と思われそうだが…。
そして、やっぱり出た!
デリエ監督作品おなじみの前衛舞踏。
あの、パブで車のハンドル持ってドイツ民謡踊ってるオバちゃん
どこかで見たなぁ…?
そんなこんなでようやく能登の禅寺に辿り着き、
修行生活が始まる。
日頃ジョギングで鍛え、学習能力も高い兄は
要領よく日課をこなしてゆく(手抜き含め)。
不器用で太った弟も、苦手な床の雑巾がけが
何とか出来る様になっていく。
後半で、いきなりドキュメントになって困惑した。☆
でも、このお陰で作品のテーマが身近なものに感じられたので
吉と出ている様に思える。
修行生活を終え、見送られて禅寺を後にする兄弟。
ゲイである事を兄にカミングアウトする弟。
心はすっかり穏やかな二人。♪
もう、ドイツに帰る事は無いのだろう…。(笑)