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『ヒロシマモナムール/二十四時間の情事』(1959)【海外映画の中の“日本”】

「私はヒロシマを見てきた」
「お前はまだヒロシマを知らない」


広島での一夜を共にした後、別れを告げようとする
フランス人女性に、
「ここに残ってくれ」
クールにダダをこね続ける、岡田英次

着かず離れずの、執拗なストーキングが絶妙。
普通の男ならハイさよならと撒かれる所だが、
英次には通用しない!

タクシーに飛び乗って振り切ったかと思いきや、
目的地に着くと、後続のタクシーで何喰わぬ顔を見せ
登場
する英次。(笑)

逃げようが走ろうが、その行く先々で一息つくと、
当然の様に英次の影が差す
振り返ると、顔を上げると、そこには英次が…!☆

建築士と言っていたが、恐らくそれは
表の顔に過ぎない。

ていうかこの二人、本当に生きてる人間なのか?
亡霊か、何かの擬人化じゃないのか?とさえ
思えてくる。

しかし決して粘着的なものでは無く、ある意味
ファンタジーともいえる24時間。
そして、別れの時は刻一刻と迫る…。

舞台を広島とした意味を考えながら観ていくと、
うっすらと見え隠れしている何かを感じ取る事が…。

一部、『ひろしま』(1953)からの流用シーンもあり。

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