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保育園は見学する意味がない

結論、保育園は見学する必要がない。特に、認可保育園は見学しても意味がない。私は一園も見学せずに決めたし、問題も起きていない。

この記事は、産後なるべく早く子どもを預けたいというキャリア女性のための記事である。

「気に入った保育園が」、とか、「保育方針が合わないと」、とか、「園庭が広くないと」、とか、保育園にこだわりがあって、「こだわりを捨てるくらいなら育児休暇を取って、仕事を辞めて、仕事よりも子育てを優先する」、という方には向かない記事だと思われる(そういう方向けの記事は他でたくさんあると思うので検索すると良いと思う)。早く仕事復帰するため、なるべく最短で保育園に入りたいという方に向けた記事である。


「保育園は見学するべき」「大事な子どもを預けるのだから実際に目で見て確認しないと」という論調がある。一方で、東京都の保育園の状況を鑑みれば、保育園の見学は不要だし、しても意味がない。その理由について述べていく。

※「見学しないと申し込みができない」という園もあるらしいのでその場合は仕方ないと思うが、私はそのような園を見たことはない。おそらくそういう面倒なことを最初から要求する園はキャリア女性には向かなそうなので、あったとしても私は候補から外すと思う。


(1)無認可(認可外)保育園の場合

<他に選択肢がないから>

無認可保育園は構造的に赤字経営になりやすい。そのため、webサイトなどで収集した保育園の電話番号に電話をかけると、すでになくなっているケースも多い。

そのため、我々保護者は多くの場合、「保育園を選ぶ」立場にはない。「徒歩で通える範囲にたくさんの無認可保育園がある」というケースは少なく、1つか、あっても2つくらいだろう。私も徒歩15分圏内に無認可保育園は1つしかなかった

無認可保育園の場合は、妊娠中から早めに動いて、入園を決めて予約をすれば、必ず入園できるので、見学しても良いと思う。私も徒歩15分圏内に一つだけ存在していた無認可保育園に見学に行き(見学というよりは、手続きのついでに見学したという程度である)、最低限まともそうに見えたのでそのまま予約した。他に選択肢がないからである。産後3ヶ月目から預ける先が見つかってひとまずほっとした。

無認可保育園の場合は実際やばい園も(少ないものの)存在はするが、そういうやばい園は検索する段階で「〇〇園 虐待」「〇〇園 傷」「〇〇園 事故」などのブラックなキーワードがてんこ盛りで出てくるので、普通の検索能力を持っているキャリア女性であれば回避できるだろうと思う。


(2)認可保育園の場合

<見学しても、しなくても、申し込む園は変わらないから>

認可保育園の場合、誰がどこに入園するかは市区町村が決定するので、無認可保育園と違い、早く予約すれば、とか、お金さえ払えば、ということにはならない。シングルマザー・シングルファーザーの方や所得の低い方から優先的に入園できるため、共働きのキャリア女性は収入が高い場合、優先順位が低くなり、入園できるとは限らない。つまり、見学したからといって、入園できるかはわからないのである。

認可保育園は無認可保育園のように園に直接予約するのではなく、市区町村に申し込みのリストを提出し、「私は認可保育園に入りたい。第一希望はここ、第二希望はここ、第三希望はここ、第四希望はここ…」といった形で入園希望リストを提出することになる。ここにおいて保護者にできることは、「リストの中に書くか、書かないか」だけである。

当然、リストに3つの園しか書いていなければ、3つ落ちたら終わりである。6つ書いていれば、受かっていたかもしれない。少しでも保育園に入る確率を上げたいのであれば、リストにはなるべくたくさんの園を書いておきたいということになる。

認可保育園での保育士経験のあるベビーシッターさんに聞くと、「見学されるお母さん方はよく、“ここの園にしようと思ってて~”と仰るし、気に入ってもらえたのはとても嬉しいんですが、この園に入るか決めるのはあなたではなくて役所の職員なんですよね、と思うことはあります(苦笑)」と言っていた。

その通りである。例えば5つの保育園を見学したら、「ここが一番いいな」と思う園は当然見つかるだろう。だからといって、そこに入れるかはわからないし、結局は家から見学に行ける程度の距離に5つ保育園があって、できるだけ早く保育園に入りたいと思っているのであれば、5つ全部書くことになるのである。見学しても、しなくても、5つ全部書くことになるのだから、見学に意味はない。認可保育園は経営の構造的にやばい問題は起こりにくいし、30分~1時間見学した程度で表面化するほどのやばい問題はなおさら起こりにくいだろう。


<最も重要な選定基準は見学しなくてもわかるから>

キャリア女性が保育園を選ぶ際に重要となる選定基準は以下の3つである。

①月齢何ヶ月から預かってくれるのか
制度上は2ヶ月から預かることができることにはなっているものの、2ヶ月から受け入れている園はとても少ない。なるべく早い月齢から預かってくれる方が仕事復帰はしやすい。0歳何ヶ月から預かってくれるのかをまずは見る。

②家から近い
その上で、家から近い園をピックアップする。毎日送迎することになるので、できれば徒歩10分圏内、遠くても徒歩15分圏内が一つのラインだろうと思う。自分が迎えに行けず、ベビーシッターさんに送迎を頼む場合を考えても、15分が限度だろうと思う。

③何時まで預かってくれるのか
制度上は保育時間もある程度決まっているものの、延長保育を設けているかは園によって異なる。延長保育を含め、何時まで預かってくれるのか、保育可能な時間が長い園を優先する。

以上である。そして、これらの3つは見学しなくてもわかる。保育可能な月齢や保育時間はすべて市区町村のリストや各園のHPにのっているからである。そして、住所が載っているので、Google mapが自宅から徒歩何分か教えてくれるだろう。

私は、認可保育園は基本的に見学する必要がないと考えている。認可保育園の設置基準はかなり厳しいので、その基準をクリアしているのであれば基本的に問題はないと思う。

そして、多くのベビーシッターさんを見るにつけ、保育は人で決まると思っているからだ。一つの保育園にもたくさんの保育士さんがいるわけで、全員と合うこともないだろうし、全員と合わないということもないだろう。大人同士、合わない人がいても折り合いをつけてうまくコミュニケーションしていくしかない。子どもは子ども同士でコミュニケーションをとるから、見学に行っても自分と同じ月齢の子どもでどんな子どもが入園するかはわからないので、見ても仕方ない。

もちろん雰囲気を見てある程度分かることもあると思うが、わかったところで、「雰囲気がすごく良い徒歩30分の園」と、「雰囲気が普通の徒歩5分の園」であれば、私は後者に入れたいからである。このような人であれば、保育園を見学する必要はなく、その時間を別の何かに使った方が良いと思う。

私が子どもを保育園に入れるのは、自分と夫が仕事や夫婦関係を含めた自分の人生を大切にしたいということと、子どもには早い段階から子ども同士のコミュニケーションを通じて成長してもらいたいと思っているからなので、上記の3点を重要視している。

その他のどうでもいい項目
一般的に重視されるらしい他の項目は例えば以下のようなものがあるが、私はどうでもいいと思った。

・園庭が広い:東京で園庭が広い園はほとんどない。だいたいどこも最低限の広さである。そんなに広い庭があったら土地が高くて仕方ないので、無理もないだろう。ほとんどの保育園は最低限の園庭以外に近くの公園などを上手く活用しているので問題ないと思う。

・給食は園で手作りなのか、仕出しのお弁当なのか、おやつの時間にどんなものを食べるのか:認可の基準を満たしている食事であれば全く問題ない。そもそも手作りが栄養満点で仕出しは栄養がないというのはただの迷信だと思う。

・英語を学ぶ機会などの保育方針:乳幼児の頃に週に1回2回英語に触れたからといって、何にもならない。英語は後からいくらでも学ぶ機会が持てる。

保育園を見学するデメリット

最後に、保育園を見学するデメリットについても触れておきたい。見学予約や見学に時間を取られるとか、妊娠中の重たい体で見学に行くのが体力的にも大変ということもあるが、私が妊娠時に一番恐れていたのは病気リスクである。一般に知られているように、子どもは病気にかかりやすい。保育園で子ども同士で病気が感染しやすいのも周知の事実である。私は妊娠中に風疹の抗体値が不足していることがわかり、特に風疹に恐れおののいていた。

妊娠初期の女性が風疹にかかった場合、高確率でお腹の中の赤ちゃんが先天性風疹症候群(難聴、心疾患、白内障、緑内障、精神や身体の発達の遅れなど)にかかり障がい児として生まれる。先天性風疹症候群の発生頻度は妊娠週数が早いほど高く、妊娠4~6週では100%、7~12週では80%、13~16週では45から50%、17~20週では6%となっている。詳しくはこちらの記事を参照されたい。

他にも妊娠中に気をつけるべき病気はいくつかあり、保育園でなんらかの病気にかかるリスクが気になっていた。

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