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本からもらうもの。「猫を処方いたします。」より🐈‍⬛

こんにちは!tamasiroです。
以前からため込んでいた積読本。
この度解消に向け一歩踏み出しました。
常に七冊から八冊を並行して読んでいますが、この度五冊を積読から読むことに。
ため込んだ中の一冊がこの本となります。
よろしくお願いします。


こちらの本の著者は石田 祥さん。発行はPHP研究所です。
文庫書下ろしとなっております。
あえてご紹介します。装丁 岡本歌織さん。装画 霜田有沙さんです。
なぜかというと表紙がとても私の好みで癒されました。
描かれた猫二匹の目線と角度、ふわふわが伝わる猫毛のタッチ、全体の絶妙な色合い、表紙だけで思わず口元が緩んでしまいました。
このデザイン、とても好きです。
カワイイ、ラブリー、猫吸いたい。
なでなでしてメロメロになるまで甘やかしてやりたい。
猫大好き。
すみません、推し心が暴走してしまいました。



🐾こんなお話し


何気ない生活の中で直面する悩みや鬱屈に苛まれる大人たちが各章の主人公です。全五話。
舞台は京都市中京区。
悩みから救われたい思いから『中京こころのびょういん』を訪れる人々が処方されるのは、なんと『猫』です。
患者となった人々の『猫』を服薬後の変化とは?
処方される『猫』とは?
なぜ『猫』が処方されるのか?
『中京こころのびょういん』の秘密とは?


🐾読後に


どのお話も共感できる人がいるのではないかと思える悩みでした。
最終章の主人公はペットロスの悲しみに苛まれ続ける女性です。
私自身が数年前に愛猫を腎臓疾患により亡くした悲しみから、やっと前向きに受け止められるようになったばかりでした。
大きく共感してしまいました。
辛い現実と残った罪悪感。まるで大きな罪を背負ってしまったかのようで、一生苦しみ続けるのではないか、そんな感覚です。
それは主人公の女性も同じでした。
しかし私は、保護猫との出会いがきっかけになり少しづつ回復し、今ではすれ違う猫にときめいてしまうほど。
まだ生涯を共にする覚悟はできていませんが、いずれまたお迎えすることができるのではないかと思っています。
では主人公の女性はどうなったのか。

女性は『処方猫』に罪悪感のため壁を作ってしまいます。
そんな彼女に『中京こころのびょういん』の医者が、猫の気持ちを代弁しているかのような言葉をかけます。
その言葉は同じようにペットロスに苦しむ人には、私のように大きく励まされる人がいるのではないかと感じる印象的な言葉がありました。
一文のみを切り取ると大きく意味が変わってしまうので、こちらでの紹介はしませんが、とても素敵で印象的。
作者様の綴る言葉に、最後は感涙です。

途中まではダークファンタジーと思わせた、ちょっと切なさがありつつのハートフルストーリー。
何と言っても『中京こころのびょういん』の秘密にドキドキです。
出会いと別れを悲しみに染めず、優しい思い出にしたい、そう思わせてくれるお話でした。



最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日が素敵な1日となりますように😊

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