世界でいちばん仕事ができない

「私は世界でいちばん仕事ができない人間です」

こうやって話すと「いやいや、できるっしょ(笑)」みたいにみんな言ってくれるけど

いや、マジでできない

できなさすぎて「これってもしかして、何らかの病気…?」と思いWEBでできる診断みたいなのやったけど完全なる健康体だった

つまり「単純に仕事ができない人」なのである

自分で言うのもあれですが私は見た感じ真面目そうだし、その場しのぎのやる気で面接を乗り切るのも得意です
採用段階だけだと完全に「仕事できそう」な印象を持たれることが多いです

だからバイトやなんかの選考においては「仕事できない」ことを微塵も感じさせることなくトントン拍子で合格するのです

でも、実際にいざ就業してみるとミス連発で一切仕事ができない

そろそろ詐欺罪で逮捕される気がしています

(被告人の再来)

マジで昨今の幼稚園児たちの方が高レベルな思考を身につけている気がしてならないと思っているそんな私ができる唯一のことを考えました


そうだ…


世の中にいるすべての「自分って仕事できないなぁ」と落ち込んでいる人を「いやコイツよりは大丈夫だわ!」と元気付けるために私がいままで犯した失敗をひとつずつ紹介していくことが私の使命!

というわけで本当は思い出したくない失敗の数々を書き残して行こうと思います


〜遊園地バイト ドキドキ!4Dマシーン!編〜 


私は高校生のとき遊園地でアルバイトをしていました

たった1ヶ月の短期アルバイトでしたが、その1ヶ月の間に思い出深い失敗を2回しています(高頻度)

本日はそのうちの1つをご紹介します

遊園地内のゲームセンターの一画に「4D マシーン」といわれる、なんかいかついゴーグルみたいなのつけて乗ると目の前に本物さながらの景色が広がるうえに、乗っている乗り物も連動して動くからすごいリアル!4D!みたいなちょっとバカっぽい二人乗りのマシーンがありまして、私はそのマシーンの担当をしていました


そのマシーンには4種類のメニューがあり、イルカと泳いでいる気分になれるリラクゼーション系から、ジェットコースターに乗っている気持ちになれるハード系まで幅広く取り揃えており、お客さんから希望があったものをこちらが都度設定して楽しんでいただくスタイルとなっていました

スタッフとして、私はお客さんからメニューの希望を聞き、マシンを稼働させる、という非常に重要な役割を担っていました

そんなしょぼそうなマシーンなのに、意外に人気で、お客さんはわりとやってきました

一番人気はジェットコースターです。遊園地ですから外に出たら本物のジェットコースターがあるのになぜかみんなわざわざゴーグルをつけて4Dで楽しむのは謎でしたがまぁ人気でした

そして、滅多に出ないのはイルカと泳ぐやつでした
まぁ意味わかんないもんな、座った状態でイルカと泳ぐの

その日もいつものように、ジェットコースターの売れ行きは上々でした。ゴーグルをつけた人が激しく動くマシーンに揺さぶられながら「うわぁ!うわぁ!」と叫ぶのを外から見るのはなんとも言えない気持ちになる時間でした

その日、優しそうなお母さんと、小学校三年生くらいの女の子の親子がやってきました

「あの…これを」

そう言いながらお母さんに指差されたメニューは「イルカと泳げるリラクゼーション系」のやつでした

マジで?

と私は思いましたが、まぁそういう需要があるからこのメニューは生き残り続けているのだな、と思い、親子2人をマシンに乗り込ませました。シートベルトがしっかりと装着されていることを確認します

いよいよマシンの稼働です。これにはいくつかのボタンを複雑な順番で押していかなければなりません

ボタン1をセットし、ボタン2をセットし…といつも通りに順序よくセッティングを終え、見るからにスタートボタンだなとわかるデカい赤いスイッチを押して、稼働させました

いや〜イルカのやつってどんな動き方するんだろうな…

いつものジェットコースターだと最初はゆっくりなんだけど途中からガガガガガ!ガァァァァーー!ゴゴゴウンンンみたいなうっさい動きだから気になるな…

親子の動きはゆったりとしています

「え、え?」

ゴーグルをかけているお母さんが戸惑いながら言いました

「ちょっとこれ、違いますよね?」

ゴーグルをかけているため詳細な表情までは見られませんでしたが、明らかに焦りが見えます

「え、ちょちょちょちょ!!!!」

ガガガガガ!!!!!

ガァァァァーー!!!!!!

ゴゴゴウンンンンン


私は思いました


これが…イルカの動き…!?


いや、


これ、いつもの流れでジェットコースターにしちゃってんじゃん?


いつもの手順で何も考えず「ジェットコースター」のボタン押しちゃってんじゃん!?

気付いた私は慌てましたが、こういう時の止め方もわからないのでなんかエマージェンシーっぽいヤバめのボタンを押しました

マシンは「ゴウン!」みたいなすごい音を立てて止まりました

今まで見たどんなジェットコースターの動きよりもっともハード

この親子がまったく望んでないハードさ


異変に気付いた店長がやってきます


一通りの状況を聞かれて伝えたところ、とりあえずひと睨みされ、店長がなんらかの手を施して無事に再稼働しました


マシンはガガガガガ!とかまったく言わず、ゆーっくりゆらゆら動いていました


あー、これだよね、イルカ。と思いました


一瞬でも「イルカの大群に追われるアクション系のやつなのかな!?」とか思った私を恥じました


今もこのマシンがあるのかは分かりませんか、それからなんかこの遊園地に行くと心の中にもやっとしたものが残るようになりました



《今回の反省点》

① 頭で理解していない

なんかもうボタン押す手順が複雑すぎてとにかく押す順番だけ守ってたけど、大事なのってその押してるボタンが何を意味するかなんだよね

電源入れるとかメニュー選ぶとか、それぞれに意味があったはずなのに私は全くもって1つも理解していなかったのでこのようなことが起こりました

みなさんも複雑な手順でボタンを押さないといけないシーンでは必ずそれぞれの意味を理解したうえで押すようにしましょう!そうしないと変な「ゴウン」みたいな音が出ます


② ギャルの先輩が向かい側のコーナーの人と付き合ってる

唯一、私が仕事のやり方を聞けるギャルっぽい女の先輩が向かい側のコーナー(シューティングゲーム的なやつ)の男性と付き合っててすぐそっちのコーナー行っちゃうから話を聞ける人が現場にいなかったのも反省点です

私は名前の通り完全なる人見知りなので「コラコラ先輩〜!勤務中にいちゃつくのはダメですゾ〜!」みたいな可愛げある後輩キャラみたいなのにはなりきれず、私が勤務していた1ヶ月のうちそのギャルと会話をしたのは最初の挨拶のみでした

そんな関係性で「なんかこのマシーンイルカとは思えない動きを見せてるんですけど…」なんて聞けるわけがない

これは関係づくりに失敗した私自身の反省でもあり、その場にいない店長の責任でもあるけど、ぁたしはギャルの先輩を責めなぃ

だって、恋ゎ女を盲目にさせちゃぅカラ…


to be continue…


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