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「献笛紀行」 阿蘇神社 (熊本)

令和2年4月24日に熊本県阿蘇市に御座います、
肥後國一宮阿蘇神社にて、正式参拝と「献笛」
奉納をして参りました。阿蘇神社と言えば、
2016年(平成28年)4月14日に震度7を観測
する地震が発生し、日本国内の震度7の観測
事例としては、4例目(九州地方では初)の
地震でした事は記憶に新しく、熊本県益城町
や熊本城、そしてこの阿蘇神社の楼門や拝殿
と倒壊の被害が起こり、数多くの死者や負傷
者が出ました。

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熊本地震の4年後に、阿蘇神社にて正式参拝と
献笛を奉納することが決まり、参りましたが、
そこにはかつてあった楼門や拝殿がなく、拝殿
は仮設の拝殿が造られており、新しく再建する
べく、工事中の幕が張られ、正に再建工事の
最中でありました。阿蘇神社へは過去に何度と
なく、参拝に訪れておりますので、その光景を
目にし、4年前の地震の大きさが想像できる程
のものでした。

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この日は4月だというのに、風が強く、気温も
低い日でありました。ただでさえ、阿蘇山中に
あるお宮さんで標高が高いので、正式参拝と
献笛奉納までの待ち時間の間に笛を懐に入れ、
暖めておく必要がある程でした。

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丁度、時間となり、ご神職様よりご案内頂き、
拝殿へ。祝詞奏上と参拝の後、いよいよ
奉納献笛。寒さと冷え切った笛で、笛の音が
硬く感じられ、身体の体温が徐々に失われて
いく中、有難くも何とか、笛のね(音)を
奉納する事が出来ました。

そして、ご存知の方も多いかとは思いますが、
この阿蘇神社は、静岡から新潟にかけて列島
を横断している巨大な断層帯(フォッサマグマ)
と交差する、東西の列島を横断している中央
構造線というラインがあり、この中央構造線は
茨城県と千葉県の境目から熊本県から鹿児島県
の境目まで繋がっており、この中央構造線上
に社殿が建っております。阿蘇神社以外にも
この ライン上に東から順に以下の神社が
鎮座しています。

▷鹿島神社(常陸國一宮)茨城県鹿嶋市宮中 
▷諏訪大社(信州國一宮)長野県諏訪郡下諏訪
▷砥鹿神社(三河國一宮)愛知県豊川市一宮町
▷伊勢神宮 
▷丹生比売神社(紀伊國一宮)和歌山県伊都郡
▷伊太祁曽神社(紀伊刻一宮)和歌山県和歌山市
▷日前宮(日前神社・國懸神社)(紀伊刻一宮)
   和歌山県和歌山市秋月 
▷大麻比古神社(阿波國一宮)徳島県鳴門市大麻町
▷阿蘇神社(肥後國一宮)熊本県阿蘇市一宮町
▷新田神社(薩摩國一宮)鹿児島県薩摩川内町
※参考著書【縄文の神が息づく一宮の秘密/
著者戸矢学】より  

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伊勢神宮を別として、これらの古社大社は
阿蘇神社をはじめ、これらの「一宮」は
このライン上(中央構造線)に遥か昔から
鎮座していているのです。
東西に真っ二つに分かれているフォッサ
マグマという巨大断層に建つ阿蘇神社の
役割はとても大きなもので、4年前の
熊本地震にて、楼門や拝殿の
倒壊にはとても衝撃を受けました。

今回の阿蘇神社での正式参拝と奉納献笛
の他、新しい社殿の建築費用への
ご寄付も心ばかりですが奉納させ
て頂きました。また、参拝の数日後に
阿蘇神社様より御礼状が届き、有難く
思いました。

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※令和3年7月12日に完成の新しい拝殿。
次号は筑前國一宮 筥崎宮(福岡)にて。


□□ 阿蘇神社(あそじんじゃ)□□
熊本県阿蘇市にある神社。式内社
(名神大社1社、小社1社)、肥後国一宮。
旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の
別表神社。全国に約450社ある「阿蘇神社」
の総本社。

□□  御祭神 □□
健磐龍命(たけいわたつのみこと)
をはじめとする家族神12神

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