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水族館で感じた懐かしい感情

朝目覚めた時、なんだか無性に水族館に行きたくなった。
少し前のこと。note友達のとき子さんの記事に、家族で水族館に行ったことが掲載されていたからなのかな。


不意に帰省中だった息子に尋ねてみました。
「なぁ、お前まだ水族館に興味あるんか?」



息子は既に成人しているので、てっきり「ない」とか「はぁ」とかの類の返事が返ってくるものだと思いましたが、意外だった。


「そりゃあるよ、行くんだったら付き合うぜ」


息子は幼い頃から無類の魚好き。
水族館に行った時は何周も何周もぐるぐる周り続け、回遊魚顔負けの鑑賞ぶりだった。飼育されている魚からはきっと「人間も回遊するんだ」なんて思われていても仕方ないくらいだった。


半日どころか1日中振り回されることばかりで、相当にトラウマになっていたことを思い出しました。特に妻は酷かった。当時から息子の前では「水族館」の語句は絶対に禁句でありご法度。ついつい魚の話を口づさんでしまった日には、息子の「水族館」への熱弁を聞かされる羽目になってしまうから。



「名古屋港水族館」 Canon RF 24-105 F4L IS USM


どうにも収まりがつかない時は、スーパーの鮮魚売り場で誤魔化そうとしたことがあります。しかし悲しそうな顔で「死んでる」「切れてる」という失意のどん底の言葉を聞かされ、返ってこちらが落ち込んでしまうこともありました。


「本当に行く?」
「あぁ、入場券出してくれよ」


「しまった」と思い妻に目を移すと、明らかに気づいてないフリをしている。「なぁ、水ぞ、、、」と言いかけると、振り向きもせず、
「パス」と返ってきた。やはりトラウマなんだろう。


「夕方からちょっと用事があるんだけどねぇ」
恐る恐る息子にそう言ってみると、
「大丈夫だよ、今日は午前中だけ鑑賞しようよ、だから年間パスポート買ってよ」


「年間パスポート」ということは、次回もあるってことなんだろう。
古傷が再燃したような感覚ですが、親としてちょっぴり嬉しくもなる。まだ興味を持ち続けているんだ。そんな不思議な感覚になりました。


約束通り鑑賞は午前中で終えました。
しかし、広い水族館を4周くらいはしただろうか。キラキラと光が差し込む水槽をギラギラした眼差しで鑑賞する息子。子供の頃と何も変わらない横顔に、親として安らぎを感じてしまう。


それにしても密だな。
人間もいわしたちも。


「名古屋港水族館」 Canon RF 24-105 F4L IS USM


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。⛱



🍵 僕の居場所




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