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ToDoリストに現れる亡霊タスク

休みの日、ぼくは決まって、その日にやることを紙に書き出す。
「洗濯物を干す/風呂を洗う/買い物へ行く/晩ごはんを作る」
そして終わったものは、マーカーで思いっきり消していく。これは、仕事をする中で身につけた、というか、染み付いた方法である。

ToDoリストを書き出すなんて、アリキタリすぎるくらい誰もが知る方法論で、ライフハックとも仕事術とも言うほどのことではない。当たり前にやってる人も多いことだろう。タスクを可視化することは、正確に、効率的にものごとを進める上で大切なこと。

しかし、新卒の新入社員として旅行会社で法人営業をしていた頃、仕事でこんなことをする余裕さえないくらい行き詰まった時期があった。徐々に自分のお客さんが増え始め、旅行業界は繁忙期を迎えていた。右も左もわからないまま、契約書を交わし、数十万、数百万単位のツアー代金を請求をしていくことを考えると、手が震えた。

当時の自分としては、キャパオーバーに忙しく、帰宅するのは毎日23時を超えた。出勤して、自分のデスクに着いた途端、何から手をつけたらいいのか解らず、いつも八方塞がりな気分になった。

そんな自分に、上司が教えてくれたのが、先に書いたリスト化して消していく方法。書き出したところで、仕事が全く進んでないのが可視化されるだけで説教食らうんじゃないかと思っていたけど、言われるがままにやってみた。

書き出す、整理する、優先順位をつける、片っ端からやっていき、終わったら濃い目のマーカーで思いっきり消す。

「どうや?気持ちいやろ」と上司。

確かに、この作業は気持ちよかった。実際に、これをやって仕事がはかどるようになった。言い方は悪いが、次から次に現れる敵を倒していくような気分。

この方法に味をしめたぼくは、以来、私生活でも取り入れている。

今日やるべききこと、やりたいことを書き出す。そしてマーカーで消していく。スマホやPCに入力するのでは駄目なのだ。マーカーで消すことが気持ち良いのだから。


しかし、毎回書き出すぼくのリストの中には、書いても、書いても、消えることのないタスクがある。

・英語を勉強する

こいつだ。昨日も、先週も、先々週も書いたはずなのに消えない。自分で書いたはずなのに、見ていないことにしてスルーだ。

マーカーで消されることはないのは解っていても、名前だけは毎回登場する。

ぼくは、この度々現れては消えることのないタスクを「亡霊タスク」と名付けた。
この亡霊タスクは、供養しきれない欲望によって現れるとぼくは踏んでいる。

※いやいや、「英語を勉強する」ってざっくりしてるからアカンのよ。単語をいくつ覚える、とか、この英文を読むとか、とか、もっと具体的にリスト化したらええやん、という声が聞こえてきそうなので一応書いておくが、勿論やった。しかし、亡霊の数が増えただけだったことを告白しておこう。

みなさんも経験はないだろうか。
「ESを書く/転職の準備をする/◯◯の勉強をする/ダイエットをする/筋トレをする/◯◯に連絡する(などなど)」

これらの亡霊たちは、度々あなたのToDoリストに現れるが、消えることはない。
今日こそは手をつけよう」「気分が乗ったら終わるかもしれない」そんな淡い期待はすぐに裏切られ、明日も、半年後も、来年も亡霊タスクは姿を現す。

ぼくの推測では、亡霊タスクは「どうせできない」「自分には無理だ」という失望感を徐々に植え付け、次第にあなたの心を蝕んでいく。それだけじゃない。亡霊タスクに心を蝕まれた人間は、いつしかその人自身も亡霊と化し、怨霊さながらに、自分がやりきれなかったことを達成した人を羨み、足を引っ張ろうとする。夢を叶えられなかった人が、夢を叶えた人の足を引っ張るのと同じようなこと。

さて、亡霊タスクは早急にどうにかしなければいけない由々しき問題である。

ぼくにとっての亡霊タスクは紛れもなく、「英語を勉強する」。

大学時代に留学も経験したが、留学前に思い描いていたほど上達しなかったのが正直なところだ。留学前の英語レベルが最低だったので、有り余る伸びしろの中でそれなりの成長はした。しかし、いまビジネスの場で話せるのかというと、まったくもって無理だ。普段から継続して勉強したいと思いつつ、なかなか手をつけられていないのが、これまた正直なところ。

亡霊の対処方法は2つしかない。徹底的に諦めることで供養するか、タスクには出てこないくらい習慣化するか。このどっちかしかないと思っている。

日々、亡霊タスクを眺めてモタついてる暇はない。これ以上放置していては、亡霊タスクに魂を蝕まれ、英語戦死者の亡霊としてこの世をさまようハメになる。

ぼくが生き延びる方法は、英語学習を習慣化し、生活に取り入れる事によってのみ。1分、1秒でもいいから教材を開き、英語を耳から取り込むとことでしか生きてはいけないのだ。こんな文章日本語でダラダラ書いてる暇はない。さっさと始めろっちゅう話だ。それでは。




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