個人通信”Simple Dreams”１３２９号

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個人通信"Simple Dreams"　　　　　　　　　　　　　　　1329号
２０２３．８．１１
石川　晋
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８月５日（土）から８月１１日（金）まで

　引き続き、自分の時間を生きている夏。今年は体調も思わしくなく、やや苦しい。

　８月４日夜から８月のオンライン対話が再開となる。少しずつお話ししていく。
　７月が終わったと思ったら、８月のオンライン再開まで、もう休憩はほんのわずかだった。そして、８月最初は回数もそもそも少ないのだが、それでもどうにも順調ではない。次々とキャンセルや、先方が時間にPC前にたどり着けないケースが続くのだ。苦しいなあ。なんだろう、死の匂いのする夏だ、と思う。

ノコギリカミキリが死んでいた

　ルーマニアの名指揮者マンデアルとクルジュ=ナポカ・フィルとのブルックナーの交響曲全集。オーケストラは非力で、でも息の長いフレーズでとても良い。ずうっと聴く。

ブルックナー:交響曲全集 マンデアル(指揮)クルジュ=ナポカ・フィル

　中川敬。新作はまだ聴けていなかったのだが、名古屋得三。素敵な場所だった。また、ソロLIVEは格別だった。中川の歌は、言葉がとにかく届いてくるそして一つ一つの言葉が想像力を掻き立てる美しい比喩なのだ。
　中川は、「今作は最高傑作だ」という、なぜなら「自分で何度も聴いているからだ」と、「いつもは録音中に何度も聴いてうんざりしてしまって聴かない。今回は発売後も何度も聴いている、これまではそういうことはなかったのだ、と、だから最高傑作だ」、と。
　よくわかる、
　ぼくも自分の書く本を書き上げた後はほとんど読まないもの。中川の話がとてもよくわかる。ぼくはまだ最高傑作を書けていないのだな。