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病院の食事が教えてくれた、幸せな食卓とは【出産レポ②】
子どもを出産して、2ヶ月半が過ぎました。
出産に関わる大切な記憶を綴っている出産レポ。
今回は入院期間に病院で食べた、美味しいごはんのお話です。
毎日家でご飯を作っていると、
人の作ったご飯を食べて、片付けもしなくていいなんて、
夢のようではありませんか?
しかもその病院は、管理栄養士が考えた身体にやさしい料理を
専属シェフが地元の食材を使って作ってくれます。
ホームページに掲載されている料理を見ながら
(どんなごはんが出てくるのかなー?)と楽しみにしていたのですが…
出産直後のお昼ごはん。
麻酔の影響なのか吐き気がとまらず、
運ばれてきたお料理にまったく手がつけられません。
目の前にはカフェのようにオシャレに盛りつけられたサンドイッチに、
スープ、サラダ、フルーツ。
美味しそうなプレートを横目に、寝ていることしかできず、
無念でなりませんでした。
ようやく吐き気が治まってきた頃には、
すっかり日が暮れていて、夕食の時間になりました。
「無理しなくていいから、食べられるだけ食べてね。」
と助産師さん。
24時間、固形物を口にしていなかったし
まだ体調が完全復活していないので、
恐る恐るお鍋のお豆腐を口にしました。
(あ、美味しい。)
優しい味わいが、空っぽの胃にじんわりと染み渡りました。
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気づいたらほぼ完食。
「お夜食」と書かれたお皿には、サンドイッチがのっていました。
夜中も3時間おきに授乳があるので、お腹が空きますもんね。
美味しい料理と、心遣いに触れて、
自然と気力が蘇ってきました。
“食べること”は、“生きること”。
美味しくごはんをいただくことで、
前向きな気持ちになれることを実感しました。
翌日の朝食。
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そして昼食。
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さらに、おやつ。
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こんな品数、家で育児しながら作るなんて絶対にできないので、
バランスよくて美味しい料理に、毎食感激していました。
そして、母子同室が始まった3日目の夜。
夕食は楽しみにしていた「お祝い膳」。
病室に運ばれてきたのは、3つのお盆にのせられた豪華なお食事とデザート。
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時間は18時。
(授乳は19時だから、それまでゆっくり食べよう。)と思った矢先。
「ギャーーーーーー!」
ごちそうの匂いで目覚めたのか、
息子くんが赤ちゃん怪獣のごとく泣き叫びます。
(えっ!授乳まで、まだ1時間あるのに…)
抱っこしてあやしても泣き止まず、
オムツを替えても泣き止まず、
おっぱいを吸わせても泣き止まず…
ミルクをあげたら泣き止むんだろうけど、
助産師さんから19時の授乳時間までは
飲ませないように言われていたので、
抱っこして部屋中ぐるぐる歩いて必死にあやします。
結局1時間泣き続け19時になり、
ミルクをあげたらあっさり寝てくれました。
耳の鼓膜が破れるほどの泣き声を聞き続け、
歩いたりスクワットをしてあやし続け、もう心身ともにヘトヘト。
すっかり冷めたお祝い膳。
どれも手が込んでいて美味しかったのですが、
この疲労感を、この美味しさを、
誰とも共有できない孤独感が、静かな部屋に漂っていました。
感染症の流行がなければ、家族や友人が来れたし
食事もお願いすれば一緒に食べることもできたんです。
でも、今はそれができないので、
家族にも友人にも会えず、心が折れそうでした。
どんなに美味しい料理も、
「美味しいね!」と言いながら、
食べる人がいないとこんなにも寂しいんですね。
なにを食べるかより、誰と食べるか、が大事。
この言葉を心の底から痛感した夜でした。
凝った料理じゃなくてもいい。
大切な人と一緒にたわいもない話をしながら
囲む食卓は最高に幸せなんです。
産後は慣れない育児で手抜き料理ばかりですが
家族そろって笑顔で食べられる幸せを、
ちゃんと噛みしめて過ごしていきたいと思います。