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利尻島を訪問したら絶対にやるべき事、行くべき場所 -ただの離島と侮るなかれ-

何度でも行きたい離島

2022年の5月、北海道の観光シーズンにはまだちょっと早い春先、人生で初めて利尻島に訪れた。その島の土地は海抜0mから緩やかに始まり、中心には標高1721mの独立峰「利尻山」がどっしりとそびえ立つ、島の形はほぼ円形、自分がイメージする理想の離島像のお手本がそこにあった。

礼文島から見た5月の利尻島

隣の礼文島から見るとため息の出るような存在感。
1度行っただけではその魅力を十分に堪能できないと悟った自分は、同年の8月に季節を変えて足を運んでいた。滞在日数は4泊5日だったが、まだまだ利尻島の魅力を知り尽くすには時間が足りないと悟って帰ってきた。
この記事は、5月と8月に利尻島を訪問した結果から利尻島で必ずやるべきところや行った方が良い場所を備忘録的に書き記しておくものである。

「利尻山」、孤高の独立峰を踏破せよ

孤島の中心にそびえ立つ1721mの独立峰、その姿は圧巻で登山を少し嗜む人間であれば、あの頂に立ちたいと思うはずである。自分もそのうちの1人だったが、5月に訪問した時点ではまだまだ雪が積もっていたので、利尻島の観光シーズンといえる8月に挑戦した。

あの頂の上に立ちたいと思わせる何かがそこにはある

道のりは長くコースタイムは往復12時間と言われている。自分は8時間半で往復できたが、普段の登山と比較するとべらぼうに長い道のりであった。
また、海に近い独立峰であるがゆえに、山頂付近には雲がかかりやすく、頂上から景色を拝めるかは運次第な部分が大きい。早朝は頂上が見えていたとしても、昼頃には雲にかかってしまうことが多い。

雲に覆われた利尻山の山頂付近

実際に今回は頂上を含め大部分はガスに包まれてしまい、絶景を拝むには至らなかった。では、得るものがなかったのかと言われると答えは「いいえ」で、大自然というコントロールできないものに対して身一つで挑む楽しさを再実感させられた。景色は何も見えなくとも、ここは孤島にそびえる独立峰、ガスの先にある雄大な景色の存在感を十分に感じられた。

景色は何も見えなくとも、独立峰なのでガスの先にある雄大な景色の存在感を感じる

「らーめん味楽」で昆布出汁香る激旨ラーメンを食せ

利尻島の西、沓形にある「らーめん味楽」は利尻島に訪れたら必ず行って欲しい飲食店の1つだと思う。島の名産であり、高級食材でもある利尻昆布を使って出汁をとったスープには旨味たっぷりで、気づけばスープを完飲してしまっていた。

「らーめん味楽」の焼き醤油ラーメンは利尻昆布出汁が効いていて絶品

自分は自転車で利尻島を一周する途中に訪れたので、程よく塩分を失っていた体にスープがスーッと染み込んで、血となり肉となる感覚をヒシヒシと感じられた。ぜひ思う存分に体を動かした後に食してほしい。

「北利ん道」で真面目に美味な珍スイーツを堪能せよ

らーめん味楽の直ぐそばには「北利ん道」というお店があり、このお店ではウニと昆布を贅沢に乗せた異色のアイスクリームを堪能できる。
ただ、アイスクリームにウニと昆布を乗せただけではなく、なんとアイスクリームをすくって食べるスプーンまで昆布で出来ているので更に驚くだろう。もちろん昆布でできたスプーンは食すことができるので、まさに最先端のSDGsな商品といったところ。乾燥しきった昆布でできているので、使っていてもヘロヘロにならず頼もしいスプーンだった。

ウニと昆布を贅沢に乗せた異色のアイスクリーム、スプーンも昆布でビジュアルがすごい

食べ方は2段階指定されており、最初にウニとアイスクリームを一気に食べて、ウニとアイスクリームのマリアージュを楽しむ。次に、アイスクリームに添えられたトロロ昆布を全力でかき混ぜて、昆布とアイスクリームのマリアージュを楽しむ。普通はおかずとして食べられるウニと昆布だが、スイーツとして食べるのは新感覚、旨味と塩味がアイスクリームと非常に深くマッチしていて、とても良かった。

「グランスポット」でスパイス効くタコカレーを食せ

利尻島民でも食べられるかは運次第とのお話を耳にする喫茶店「グランスポット」の激ウマなカレーにたまたまありつくことができた。

訪れた時間は夜の19時ごろ、たまたま利尻島の東の鴛泊にあるセイコーマートに訪れようと歩いていた時、喫茶店の扉には「OPEN」の文字が残っていたので気になってお店に入ってみた。すると「ラストのカレーが残っていますよ」との一言、普段だったらこの時間までお店を開けていることはないとのことで、かなり珍しい状況に遭遇したらしい。

OPENの文字を見たら飛び込んでみるものだと身にしみて思った

注文したカレーは「タコカレー」で、以下の写真のように肉厚のタコがゴロゴロとカレーに埋まっている。噛み締めるごとにタコの旨味が溢れてくる。カレー自体もタコの旨味に負けないくらい、しっかりとスパイスが効いており、深いコクがあって美味しい。

グランスポットのタコカレー

夜の19時ということもあり、女将さんと島民1名と自分がお店にいるだけだったので会話も弾み、とても楽しい1時間を過ごさせていただいた。また、アイスコーヒーもサービスしてもらえるなど、島の人情味をビンビンに感じるよい喫茶店だった。

朝店の前を通るとしっかり看板が立ててあった

最果ての乳酸飲料「ミルピス」はホッとする優しい味

利尻島の東の鴛泊から時計回りで自転車で走っていると、最後に辿り着けるお店が最果ての乳酸飲料「ミルピス」を売っている無人販売所である。

看板がもうエモエモである

無人販売所の扉をカラカラと音を立ててあけ、奥にある箱にお金を入れたら、冷蔵庫の中から瓶詰めされたミルピスを取り出そう。飲む前に瓶を上下に軽く振って、さあ準備万端、クイッと飲み干すと優しい甘味と酸味が喉を通過、後味に薄い牛乳の味が存在感を示す。よくある乳酸飲料に比べて、甘味も酸味もしつこくなくちょうど良く美味しい。

優しいお味が特徴の最果ての乳酸飲料「ミルピス」

和菓子、洋菓子なんでもある「長生堂寺嶋菓子舗」

利尻島で130年以上続く、歴史あるお菓子屋さんが「長生堂寺嶋菓子舗」である。

利尻島の南、鬼脇に「長生堂寺嶋菓子舗」はある

和菓子・洋菓子とわず、さまざまな手作りお菓子が300円程度という非常にリーズナブルな価格で販売されているのがポイントで、言わずもがな味もとても上品で美味しい。

ラインナップが広く、次に利尻島に来るときの楽しみが広がる

利尻島を一周中の場合はぜひ「長生堂寺嶋菓子舗」を見落とさずに立ち寄るべし。個人的おすすめは「チョコレート饅頭」で、上品な甘さの白餡が入った饅頭にチョコレートがコーティングされており、和洋折衷を感じる贅沢なお菓子である。

利尻プリンもおすすめ!瓶を返せば20円戻ってくるのがポイント

「利尻町定住移住支援センターツギノバ」はテレワークにおすすめかも

普段、テレワークをしている私としては利尻島にあるコミュニティスペース「利尻町定住移住支援センターツギノバ」は訪問してみたかった場所の1つ。
旧沓形中学の校舎をそのまま再利用、内部を改装したこの場所は、どこか懐かしさを感じる居心地の良い空間が広がっていた。

外観は学校の校舎そのまま

コンセントはこまめに机の上に備え付けられてあり、ここでのテレワークは問題なさそう。この校舎は昔は中学校の技術室として利用されていたそうで、再利用されている机は所々に穴が空いている。これが懐かしさを感じる所以の1つで、中学生だった頃の自分を振り返ると、学校の技術室の机に対して穴を開けたり、ほじくり返したりしがちだった。これは多くの人が経験したあるあるではなかろうか?きっと同じ懐かしさを感じるはずだ。

旧沓形中学で使われていた机が穴ぼこの作業台として現役で学校だった頃の息遣いを感じる

利用料は500円で、飲み物が1つ付いてくる。飲み物の選択肢は豊富でコーヒー豆やハーブティーの茶葉が10種類以上並んでいる。今日はどれを飲もうかたっぷり悩み抜いた末、淹れたてをいただいてホッと一息つく、なんと贅沢な時間なのだろうかと思う。このままテレワークを始めると普段以上に集中して作業ができる、そんな気がした。

たくさんのコーヒー豆、茶葉から淹れたの飲み物をいただける

自分だけの心に響く景色を自分の足で探そう

自然豊かな利尻島では朝、昼、晩と様々な表情を見せてくれる。
ゆったりと穏やかに流れる島の時間に心を委ねて、自分だけの心に響く景色を探してみるのも一興、きっと何かが見つかるはず、色々なところに目を向けてみよう。体力に自信があれば、自転車で島を一周するのがおすすめ。

夕日ヶ丘展望台から見た利尻山(5月)
仙法志御崎より
イソヒヨドリ
お世話になったお宿と夕日
光害の少ない夜空には満点の星空(夕日ヶ丘展望台とともに)

おまけ:利尻の準・鉄人認定されました

「利尻ぐりーんひるinn」の宿泊者対象に「利尻の鉄人」チャレンジを実施できます。登って、走って、泳いで、全ての課題を達成して鉄人になりましょう!


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