【連載短編】風吹ねいろの毎日は。#1
風吹ねいろの毎日は忙しい。まずいつものように寝坊から始まるので、今日も家を出る時間まであと十五分しかない。多分とんでもない寝癖がついているんだろうなと寝起きの頭で絶望しながらベッドから洗面台へダッシュで直行すると、案の定鏡には仮面ライダーの敵みたいな見た目の私が映っていた。
洗面台の横に置かれていたくしを取って適当に水で濡らし、肩までかかる髪を大急ぎで解いていく。ボサボサだからブチブチとくしに髪がひっかかって痛いけど、そんなことをいちいち気にしてたら絶対に間に合わない。な