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「大した経験をしてこなかった」という幻想。

今まで生きてきて、大した経験をしていないからという理由で、自分に自信がないと思ってしまう。昔の僕がそうだったのですが、大した経験をしてこなかったから自信を失う必要はないという話をさせていただきます。



僕は、社会に出てから鬱になり、抗うつ剤が増え続け、薬地獄から抜けられなくなりました。最後には働けなくなって、社会から離脱した経験があります。



その期間も10年という長い時間だったので、人よりも10年遅れてる、みんなが社会で経験している時、自分は何も経験していない。実際また働き始めた時に、この遅れを取り戻せるのか…とにかく自信を失っていました。



まずは薬をやめないと何も始められない。地獄の苦しみを耐えて薬をやめ、社会復帰するために、まずはバイトから始めました。


10年ぶりに社会にでて、社会のうつり方は、自分が思っていたものとだいぶ違いました。



悟りを開いてない仙人が下山した。


10年という時間は、当時の僕に重くのしかかっていました。社会も移り変わるし、人も変わっているはず。そんな俗世に順応できるのか、まるでなんの悟りも開いていない仙人が下山したような感覚でした。



最初は全てが恐る恐るでしたが、実際に働きはじめてみると、不安はすぐに消し飛びました。



カメラで例えると、いままではズームで手元しか見えていなかったのが、引きで見えるようになっていました。



手元しか見れていない場合は、いまの作業に集中するあまり、全体を見れません。しかし、手元を見ながら引きで全体を見渡せるようになっていたんです。



それは仕事だけではなく、人間関係においてもでした。自分はここにいるのに、もう1人の自分がちょっと引いて遠くから自分を見ているそんな感覚です。


この感覚で全体を見られるようになったので、仕事の評価も高く、人間関係もうまく回せるようになっていました。


前は仕事もできず、人間関係もギクシャクしていた僕が、なぜそんな見方ができるようになったのか不思議でした。



10年間も人から遅れていたはずの自分が、なぜこんな風に変われたんだろう。


僕は鬱で苦しんでいた時のことを思い返しました。あの時期は精神も体調も苦しかったのですが、ある意味自分を見つめ直す時期でもありました。


自分とは何か?

人生でやりたいことは何か?

やりたいことができないのはなぜか?

これからどう生きたい?


ずっと自分に問い続けていました。痛みの中から、自分を見つけ出すのはつらかったですが、自分の中の「見たくない自分」を自分で認める作業だったんです。



それに気づいた時、10年間何もしてこなかったというのは思い込みで、10年間自分を見つめたから、今の自分があるという自信に変わりました。



痛い経験から這い上がる意志は最強。



僕は、人生はハードな経験から立ち上がった時に人の深みが増すのだと思っていました。だからハードな経験をしていない自分はダメだと思いこんでいたんです。


例えば、借金を背負って一家離散。ホームレスになり、そこから立ち上がって年商10億を稼いだ社長。



こんな人がいたとしたら、経験でも人間力でも叶うはずがない。成功者になる人はハードな経験をしている人が多いように思います。だから、何かを大成するために必要な経験していない自分はダメだと思いこんだんです。



僕の場合は、言ってしまえばひたすら引きこもりだったわけです。でも、何も経験していないということではありませんでした。


経験とは、
どんなことが起きたかではなく、
その時にどれだけ痛い思いを感じて、
自分の糧にできるのか
だと思います。


自分を見つめるのは大事で、自分が変わると、見えてくる世界も変わります。仕事のスキルや、コミュニケーション術、そんな表面的なものではなく、もっと本質的な部分になります。



仙人が下山した気分でしたが、もしかすると少し悟りがひらけたのかもしれません。



もし、自分には大した経験がないと思っている方がいたら、それは経験の粒を自分で拾えていないだけです。


痛い経験も這い上がってしまえば、経験値になります。


当たり前ですが、自分が経験したことは、自分だけのものです。自分にしか感じられなかったことを自分で消化して、活かすことができるかだと思います。


10年間も自分を見つめる必要はありませんが、周りを遮断して、1人の空間でボーとすると、自分というものが見えてきます。


「カッコいい自分」も自分。

「カッコ悪い自分」も自分。


何かがフッと心に落ちた時に、経験の粒は芽をだして、自分が変わって見える世界が変わってきます。




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