好きな本の話~また話すかもしれない~

 たまには好きなものの話をしたい。
 以前こんなタイトルで嫌いなものについてばかり話す言い訳をしたが、今回は真っ当に好きなものの話をする。

 私の好きなものと言えば真っ先に本が思い浮かぶ。皆様お気づきかもしれないが。
 とはいえ全ジャンルの本を網羅している訳ではない。学生時代に読んでいた本はほとんどが小説である。
 ではどんなジャンルの小説を読むかと言えば、圧倒的にミステリとファンタジーの二強だった。今はその限りでもない。
 小説小説と言っているが、純文学はほとんど読んだことが無い。何かを期待されている方が居たら申し訳ないが、教科書に載っている作品の知識しかない。「精神的に向上心の無い者は馬鹿だ」「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」くらいしか分からない。それもどうなんだ。
 ミステリ作家と言えば誰かと言われれば恐らく十人十色、様々な名前が出るだろうが、私は赤川次郎先生が真っ先に思い浮かぶ。母親の蔵書を勝手に読んでいた。「三毛猫ホームズ」「天使と悪魔」「夫は泥棒、妻は刑事」「華麗なる探偵たち」辺りは一通り読んだ。どれも登場人物に三癖くらいあって面白い。
 ファンタジーも色々読んだはずなのだが、さっぱり覚えていない。辛うじてストーリーをなぞれるのは「タラ・ダンカン」くらいか。私の記憶力にも困ったものである。
 ホラーは苦手なくせに、ホラー小説は結構読んでいた。映像だと絶対に無理なのに、文章だと案外平気なのである。平気と言っても、阿呆なので後々思い出して猛烈に後悔するくらいには怖いのだが。「学校の怪談」はお馴染みであろう。カーナビの話は今でも思い出して空恐ろしくなる。
 やたらと神話にも興味があった。といってもギリシア神話ばかりに傾倒していたが。おかげで有名どころの神話は大体頭に入っている。当時ケルトやエジプト、インド辺りも押さえておけば良かったのになあと、無理難題を言っている。

 少しずつライトノベルに傾倒していく。当時周りでも読んでいる子が居たが、彼ら彼女らの読んでいたものはほとんど読んでいない。涼宮ハルヒは二巻まで読んだ。灼眼のシャナは一巻だけ。
 私の好きな作品は何といっても「キノの旅」である。あとがきの面白さは時雨沢先生から学んだ。本編を全てすっ飛ばしてあとがきだけ読んでも良いレベルで面白い。そんな愚行はしてほしくないが。
 どの話も好きで好きで仕方ないのだが、どれがいいだろう。下手に「こういう話がある」と言ってまだ「キノの旅」を読んだことの無い人の妨げになっても困る。ネタバレをするのもされるのも嫌いだと、人に勧めたいとき非常に困る。下手に紹介することは避けようか。
 基本的には旅人のキノと、相棒であるモトラドのエルメスの二人(?)の物語である。たまに別の人物たちが主人公視点に据えられる。オムニバス形式の小説で、基本的にストーリーは繋がっていない。が、たまに繋がっている。
 キノとエルメス、或いは他の主人公格のキャラクター達が様々な国を訪れ、何かしら問題を起こしたり起こさなかったりしながら旅を続ける。作品に登場する国は様々な問題を抱えていることが多く、現実社会の色々な問題に酷似している事が多い。私はどうも風刺や皮肉の類が好きで堪らないらしい。
 どの巻にも思わずハッとさせられるようなエピグラフが記されている。などと言うと大したことない台詞が載っていると思ってしまいがちだが(私だけかもしれない)、本当に素晴らしい文章ばかりなので、それだけでも見て欲しい。気になったら是非全巻読んでみて欲しい。20巻以上あるがセレクション版もあるので問題ない。アニメもあるのでそちらからでもいい。

 ……何の話をしていたのだっけ?
 普段好きなものの話を渋る癖に、語り始めるとこうなってしまう。全く良くない癖である。ごり押ししか出来ない人間の末路。貴方はどうか多少のネタバレを許せる心の持ち主であって欲しい。でないとこうなる。
 ほかにも「しにがみのバラッド。」や「Missing」も好きだ。「Missing」に関してはホラーが苦手なのにホラー小説が好きになる決定打となった。今書いていて思ったが、推理要素のあるホラー小説が好きなのかもしれない。
 基本的に頭を悩ませる作品が好きなのかもしれない。風刺や皮肉で問い掛けている作品だったり、ミステリ要素が強いものだったり。意外と(自分ではそう思っている)恋愛要素のある作品もかなり好きなのだが、恋愛色が全面に押し出され過ぎていると苦手である。難儀なものだ。

 久しぶりに何を書くか纏めずに書き始めたおかげで、文章が取っ散らかっている。大変申し訳ない。
 好きなものを語るのが苦手なので、一度構想を練ってから文章に起こして、とやっていると勢いが削がれるどころか「本当に好きだったのか?」という嫌疑をかける羽目になる。全くもって厄介な性格になってしまったものだ。
 本当はまだまだ好きな作家さんや読んだことのある作品を列挙したい。小説以外の本の話もしたい。しかしこんな人間が作品を紹介したところで、「こんなに面倒な人間になるのなら読まない方が良いかもしれない」と思われてしまうのではないかという不安が鎌首をもたげ始めたので、今日はこの辺りで〆させてもらおう。大変なネガティブキャンペーンになっていませんように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?