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お前らの青春用意しといたよ!喜べ!が大嫌いだった

ずっと嫌いな空気があった。

そこに最近名前があることを知った。ホモソーシャル

そう、ホモソーシャル。憎い。本当に憎い。

色々と多感な高校生の時期、私は超絶古くさいホモソーシャル満載の地域で1番の進学校に通っていた。掲げているのは文武両道。

入学するとすぐに山奥の合宿場に詰められ合宿がある。

校歌を覚えろ、行進の膝の角度は90度、大きな声で挨拶しろ(叫ばないと延々と怒鳴られる)、声を出すために走れ、シャワーは女でも5分で終わらせろ(女性の先生がタイマーをつける)、そして2日に一回で充分、食事もかき込め、というような、行進と校歌を叫びながら歌うことを延々と続ける狂気の5日間くらいを過ごした。

その様はまるでテレビで見たハイパー社会主義国家のようであった。全員強制参加。倒れる人も泣き出す人も吐く人もいる。それは弱さからくるもの。バターン!と体育館の床に人が倒れる音は結構気が狂う。

んで、怒鳴り散らして皆を恐怖に陥れる指導員、応援団の皆様は、合宿最終日に突然、「お前らよくやった。これでお前らも俺らの一員だ」と優しい(?)言葉をかけ、皆が号泣する。私も泣いた。狂気

あ、ちなみにこれほんの10年前くらいの話です。笑

そんなやばい学校にいて私がそこに染まれるわけでもなく、その当時私がやりたかったことはモデル。現実と夢のギャップがすごすぎて学校に行くことが将来に繋がる訳じゃねぇよな、意味わかんねぇな。とほぼ不登校、保健室登校になる。

それで、もちろん壮絶で傷病者も出る体育祭も、統一感を求められる文化祭も、確かギリギリ2年までは頑張って参加しなくなった。なんかその他にもあるイベントもしんどいです、と学習室で1人すわって自習するふりをしていた。

体育祭の準備期間のホームルームに参加してるときに、突然男子生徒が、「おれたち、こんなんでいいのかな?もっと、一生懸命準備するべきなんじゃないのかな??こんな甘ったれてていいのか?なぁ、俺と、一緒に、もっともっと魂込めて頑張ってくれるやつは、席を立ってくれ!!最高の夏にしたいやつ、立ってくれ!」と言い出し、1人、また1人、と席を立っていくシーンなどもあった。

私もその場にいたので立たないわけにはいかず、「青春ドラマの見過ぎだろうがお前ら!!!」と心の中で死ぬほど冷え切りながら立ち上がった。

先生もいたが、満足そうに眺めていた。

これが青春なのかよ。どゆこと?私全然たのしくないんだが。が本音。

そういえば男だけ強制参加の体育祭後の祭典(裸で火の回りを踊るという噂)とかもあった。女子に口外してはいけないようだった。今考えるとやばい。

もうすぐ3年生になるくらいの春。疲れ切っている私に決定的なダメージを与えるあの大地震が起きた。九州だったので被害はなかったが、とんでもない無力感に襲われた。ここについて詳しく書きたくはない。

そんなこんなで、なんとか保健室登校で単位のためだけに授業に出る憂鬱な日々をこなし、やっとこさ卒業した。2度と経験したくない日々だ。

そんな前提があり、このコロナ禍で、夫が今の高校生は文化祭とか無くなっちゃったから、本当に大事な時期に仲間とつくりあげるものとかなくて可哀想だよね、みたいなことを言った。

私は、正直、楽しめる側にいなかったからわからない。でも、当たり前にあった伝統が無くなるのはやはり寂しいのかな。とも思う。そして、夫は都内のバリバリ中高一貫だったのでそれはそれは楽しかったのだろう。私もど田舎縛り付け青春押し付け高校じゃなく場所が違えば楽しめたかもしれない。

そして、そこを楽しめた夫は、今でも日本トップレベルの超絶ホモソ界隈で楽しそうだ。

でも、時々めんどくさそうな本音を垣間見る。

私と子供とは、時間がとれれば一緒にいてくれる。旅行も行ってくれる。ただ、それ以外は仕事、仕事の飲み。たまーに趣味少し。くらいのギッチギチの時間配分。

本当に、心配になる。自分の時間、要らないの?一人でボケラ〜っとする時間、要らないの?

全てを仕事につなげようとしているように見えるので、本当に、疲れてしまわないのか心配だ。

もし、夫が怪我や病気で仕事ができなくなってしまったら、心もぶち壊れてしまうんじゃないだろうか。生産性のない自分には価値がないとか思ってしまうんじゃないだろうか、と思って日々言葉をかけるんだけど、全く聞く耳をもたない様子。本当に私はそこが心配だよ。

生きてるだけでいいんだよ。生きてるだけですごいんだよ。

そんな私の気持ちとは裏腹に、社会はどんどんどんどん加速していって、命もどんどん希薄に見えるようになっている気がする。

このまま、洗濯機にレンガ入れたときみたいに(検索してみてくださいw)、ぐわんぐわん、誰も止められなくなって、バラバラになって修復できなくなるまでに、私たち人間社会は壊れちゃうんじゃないのか、と心配なのです。

だけど、色々話し合っていても、まだ9割以上を仕事と仕事仲間のために割く。そこに時間を割かざるを得ない。それが"当たり前"で、そうしていないと仕事がなくなってしまうかもという恐れがあるのだろう。そうすれば私たちの生活が崩れてしまう。

独身の人たちのために、独身のように振る舞う。

朝起きると1番にスマホを見て、スマホを見て就寝。

私が体調を崩していて育児が辛くても、深夜まで独身もしくは同じく独身のように生きてる人たちと飲んで帰ってくる。

"俺ら"の中に私と子供は入れて貰えない。

でも、彼らの脅威にならない、彼らの行動を咎めず癒しを与えるような"わきまえた"女は仲間に入れてもらえる。

家族は二の次のように振る舞わないと恥ずかしい

仕事と仕事仲間のために自分の身体を壊してでも動く

ずっと不思議だった。

でも、それが夫だけの問題ではないことは薄々気づいてはいた。

私だって、独身の時はそうやって生きようとしていた。男のように振る舞ったりもしていた。

そうさせるのは、この社会だ。

それを美徳とする社会構造が、わたしたちを苦しめている。

それは時に夫婦の関係を、家族を壊すこともあるだろう。

だから、本当に、早くなくなってほしいよ。

この重苦しく私たちにまとわりつくホモソーシャル。

どうしたら、どこから手をつけたらいいのかわからない。

いま苦しんでる人がいたら、たくさん話をしたい。

女性でも、男性でも、それ以外でも、古い価値観から抜け出したい。

意味のわからない、無理させてまで続ける伝統なんていらない。同調圧力もいらない。

どこから手をつけたらいいですか?涙

文字を書いてストレス発散するような主婦に、なにか微力でもできることはないですか?

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