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【弱者の洞察】 一章「我慢は百害あって一利なし」
日本には我慢を美徳とする意識が深層まで染み込んでいる。
それは越冬の先に桜が花開く国ならではの感覚である。
しかし人間の精神は樹木のようには出来ていない。
タフネスを称賛されるボクサーもパンチドランカーとなり、良くて半身不随か脳死状態、悪化すれば簡単に死に至るのである。
そしてそれは物理的なダメージに限定されるものではない。
むしろ筋肉を貫通して脳を破壊することができる精神的ストレスこそ、タフネスで乗り越えてはいけないのである。
どんなに格好悪くてもいい。
どんなに無様でもいい。
ルース・ベネディクトの「菊と刀」は本当に日本人の本質を見抜いている。
日本に今も根付く恥の文化に囚われず、助けを求め、力を借りて、それでも駄目なら全てを捨てて逃げていいのだ。
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