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【蒸留日記vol.30】新春のエゾヨモギ新芽を蒸留してみる!

●記念すべき初の野草蒸留!

えーこんちはこんちは!
ついこの間まで雪の上で松ぼっくり拾ってたハズが、気づけば山菜採りの時期になってしまいました。
そんなGW中、世間ではアイヌネギ=ギョウジャニンニクを取りに山へ出かける人たちで溢れてましたが、
そんな中エフゲニーマエダはまさかのヨモギ採り。

しかも食うわけではないというエセ研究者っぷりです。

どこか風の噂でヨモギから青い精油が採れる!

と嗅ぎつけたので、満を持して、ヨモギの蒸留やってみましょう…!


そもそも僕の住んでる地域では夏になるとそのへんの草っ原を占めて目立つ雑草といえばセイタカアワダチソウオオヨモギササという地域性だったりします。
夏になると腐るほど生えてるんですよ、ヨモギ!!

ヨモギも風に吹かれると葉っぱの裏が真っ白なので簡単に見分けがつきますね!
あとは葉っぱを軽く揉み込むとスーッとした、いかにも薬草っぽい香りがしてきます。これも有名なヨモギの特徴ですよね。

どうやらこのスーッとする成分を精油として抽出できるんじゃないか?説が予見として立っています。

●エゾヨモギの簡単なプロフィール!

若い時期より葉っぱの裏が細毛で覆われているエゾヨモギ

学名で書くとArtemisia montana(アルテミシア・モンタナ)なんですが、東アジア中心のヨモギ属ですな。品種名が謎にモンナタ州とかのモンタナなのかは少々疑問ですが。。。

ヨモギはたいてい葉っぱの裏が真っ白けっけなのであ、ヨモギだ!と判別がつきますね。
今ちょうどラベンダーの蒸留残渣で線香作ってたりする関係で諸知識として知り得たんですけど、ヨモギの葉裏を真っ白く覆っているうぶ毛を集めることでお灸の原料となるらしいです。ガイヨウ?モグサ?でしたっけ。

Artemisia montanaは数あるヨモギのなかで比較的葉っぱが大きい特徴から、主にオオヨモギと呼ばれてたりしますね。
お灸用の毛質繊維を採取してるのも葉っぱの大きなオオヨモギだとか聞きます。

メインを占めてる北海道ではエゾの名を冠してエゾヨモギ。
僕も北海道人なので敬意をこめてエゾヨモギと呼んでいます。

●新春のヨモギ摘み。。。

おそらくそのへんにたくさん生えてるだろう!という認識で空き地などの原っぱへと繰り出します。

地面に緑色が現れ始めた5月頭の北海道空知地域

ところによってこのようにヨモギの幼体が密集しています。
しかし雪が多く残っていたところはヨモギまだ小さいですね。
とはいいつつここ南空知は北海道でも有名な豪雪地域なので当然っちゃあ当然かーと。。。

砂利溜まりからも生えるエゾヨモギ

砂利の溜まった空き地でも何食わぬ顔でヨモギが芽吹いています。
生える場所を選ばない感じがするので北海道では育ちやすくタフな野草なのでしょう。
エゾヨモギは背丈が1m以上になるので芽吹きからの成長スピードは早いもようです。

香りは薄い気がするけど揉み込むと特有のスーッとした香りがある

ヨモギを探すなら風のある日がいいでしょう!
風で葉っぱがめくれ上がると白さが目立つので見当つけやすいです。
そんなコツを踏まえつつヨモギを探していきます。

たくさん採ってると見分けがすぐにつくようになり採取の効率が上がります。
まぁこれが慣れってモンですね。

重さは体感値2キロくらい?

太陽がよく当たる、比較的雪解けの早い地点ではもう50センチくらいに背丈を伸ばしている個体もいました。
なので新芽採り〜といいつつ1時間ほどの採集作業でそれなりに集まってしまいました。
雪が溶けたばかりの時期にこれぐらいの体積集められるのもなかなかだなぁ〜〜〜と感動しつつ、、、

ヨモギ葉が詰まった蒸留釜

より成分が抜け出やすいように大きいものはハサミで細かくして釜へ詰めていきます。
マツ素材とは違って柔らかい野草素材なので、かなり釜へ詰めることができました!
割とぎゅうぎゅうに押し付けて素材充填しています。

さてさていよいよ。。。

●いざ蒸留開始!

記念すべきヨモギの蒸留水一滴目

やはりパイン・松類のようにジャブジャブ油玉が溢れ出てくる、というワケではなさそうですね。
その点精油成分を多く含むパイン・松類様様だなぁ〜って思います。

溜まり始めるヨモギの芳香蒸留水

画像ではわかりづらいですが、うっすらと油玉も浮かび始めてました!
初めてみましたが、どうやら精油成分は含んでるみたいです!

マツ素材のように素材が硬く分厚いわけではないので、長くても蒸留時間は1時間半に設定しました!

●どれだけ精油採れた?

抽出量は1mL以下という惨敗っぷり

予想だにしなかった、過去イチで精油が採れない結果となりました。
ヨモギが生えたばかりで若すぎたのがダメだったんすかね?

水蒸気蒸留だったので、当然っちゃ当然なんですけどフローラルウォーターはわんさか採れました。触ってみると独特のサラサラ感?があり、、、

しかし精油と違って青臭いというか、よもぎ餅とかの味をそのまま香りにしたような香り。この点はさすが漢方やら生薬の素材だなーと思いつつ。
ハーブ蒸留のように香り高いものではありませんでした。

ヨモギ特有のスースー感はやはり精油にすべて回収されてしまったんでしょうかね?

目測0.5mLも採れていないヨモギ精油

一応存在はしているが、まとまった量抽出されるわけではないようなエゾヨモギ精油。
しかも青い精油になるかと思いきや、ぜんぜん薄黄色のオイルでした。
少なすぎて香りもほぼわからんという。。。

やはり時期尚早すぎたのが災いしたのだろうか。。。
あぁ〜〜青い精油欲しい!

●蒸留後の調べで。。。

エフゲニーマエダ的推測では、植物にとっての幼い時期=体が小さい発芽時期は動物や害虫に一番食べられたくない時期であろうと思い、シネオールとかカンフェンの精油成分もそれだけ多いんじゃね?という見立てで蒸留をやってみた。

しかし結果は一転、わたし油分なんて持ってませんけど?くらいまでに精油が採れなかった。あららー・・・。

なにやら他の方の蒸留結果をみてみると、素材量がそもそも5kg以上〜という方々がほとんど。
精油の歩留まりが0.1%以下らしいのでそれなりの素材体積をぶち込まないとまとまった量の精油が得られないそう。。。

しかも市販の価格を見てまわってもすごい高い。
ヨモギ加工品を手作りされる方が多いので民生品の半数は煮詰めたヨモギ残汁をエキスとして販売してる状態なのですが、「精油」としての販売価格に注目してみると5ml以下で¥5000以上という高値っぷり。

よほど採れないということなのでしょう。。。

◯そもそもヨモギは精油含有量が低いらしい。

らしいです。調べによると。
ヨモギ(Artemisia)は日本全国ありふれた野草であることから蒸留を試されブログ発信されてる方も多いのですが、記事一つ一つみてみると時期は7月8月であり、ヨモギはというと1m近く大きく伸びきっている時期の蒸留だったり。
晩夏に近い時期のヨモギで精油を採られてるってことですね。

ということは新春新芽のヨモギ蒸留はひょっとして尚早すぎた?という結果に。
一方の私蒸留時期は雪が消えた直後・桜の時期だったので。。。

ヨモギに関しては、精油成分は植物組織が大きく育って成熟する夏頃の方が多くなっているのかもしれません。(花穂をつけた頃が目安なのかも)
小学校以来まともにヨモギの香りを嗅ぐったことはないですが、その頃の方がしっかりと香りが充実していた気がします。

あくまで"気がする"ですが。。。


という感じで!
新春のちいちゃいヨモギからはぜんぜんオイルが採れなかったよ。。。
という蒸留回でした!

次回まとまったヨモギ蒸留は、花穂がつき始めるほどデッカくなった時期に再挑戦してみます!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos/66/8/66_ess16006/_pdf

テキトーにGoogleをさまよってみっけたヨモギの論文⤴︎⤴︎


若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。