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【蒸留日記 vol.54】カツラの落ち葉を蒸留してみる!

えっれぇ〜〜〜〜〜〜お久しぶりです。
エフゲニーマエダはちゃんと生きてました!
しかし精神が死んでいた為にぜんぜん執筆まで至りませんでした!

ラベンダーやらは活動が進み、活動写真が撮り溜まっていく一方で、なかなかブログ投稿までにたどり着けず・・・な近況なんですワ。

蒸留日記も最近ぜんぜんだったなーと思い、ふと気づいた秋の香り素材を試しに蒸留してみてやった久々の回でっす。

最近ぜんぜん筆≒タイピングがすすまなかった理由としては
①やることが激減する冬季鬱到来を予感した
②部屋の掃除や飯支度がおろそかになるレベルで精神疲労が重なり、
 しかもそれを解消する方法を見いだせてなかった
③ラベンダー研究園の支度が完全に終えられていないまま11月突入


が相乗してしまい、ここ最近不安定期に入っていたようだ。
ひとつみっけたのが、意外とセンス感じるボウリングや激しいアクション性のある格ゲーなんかをやること。"熱中できる"ことが鍵らしい。
エフゲニーマエダ 自己分析レポーヨ

さてさて本題。
下に続きます。。。

■序論〜今回は初の落ち葉蒸留回かもしれない。

最近怠惰生活の中でtwitterをさまよっていたんですよ。したっけこんな投稿を発見。。。

なんか国産の針葉樹アロマ素材だけで作るクラフトジンで話題になってる蒸留所が、カツラの試験蒸留をやっていたンですわ。
で結果、あのカツラ落葉独特の甘い香りをしっかりスピリッツに落とし込めてるそう。
これを聞いたおいらは興味津々。

そして家の近所にカツラの街路樹めっちゃ生えてるやーーーん!!

ぜひやってみたくなった!

■カツラ/桂(Cercidiphyllum japonicum)の簡単な紹介

カツラのわりと元気な葉っぱ

カツラは調べてみると日本に固有な樹木らしーです!
中国大陸にもアメリカにもヨーロッパにもわりと近縁な仲間はあまりおらんそう!

で、東北とか北海道、北日本の天然林だか自然林(国定公園とか)の山の中に10~30%の割合で存在してるイメージ。
水気の多い、沢地とか日陰の多い北斜面地に生えてるイメージですね。
ヤチダモとかミズキホオノキらへんと一緒にいる感じですね。

結構大木に育っている率が高くて、立派な日本家具材や旅館とかの内装材に使われてることの多い、わりと高級な広葉樹木材になります。

で、最大の特徴といえば、落葉時期になるとカツラの木の周囲が甘い香りに包まれること!(葉っぱが丸いとか幹が螺旋状に巻く特徴もなんすけどね)
秋が近づくとマジで甘ったるい、独特のキャラメルのような香りがしてくるんです。
けど強烈でもなく、ほのかに、確かに香ってくる程度の香り。

正体はマルトールという植物が生み出す糖分の分解生成物。
きっと夏間に光合成で仕事しきった葉っぱが落葉のために葉緑体なんかを糖類に代謝させる一端で生まれる代謝産物なんでしょうな。


今回の蒸留実験は、そんな甘い香りを感じさせるモル質量126.11のマルトールは蒸留で蒸留水に移ってくれるのか!?を試していきたいと思いまっす!

・・・たぶん広葉樹の落ち葉の蒸留って初めての試みなんだよね。

■蒸留準備

山のようにあるカツラの落ち葉。しっかり甘いアロマが香る。

皆様の感覚ではもう冬に突入しているかとお思いでしょうが、ここ最近になってやっと平地での紅葉MAX、落葉時期が到来。
なのでこの時期にモッサモッサとイチョウやカツラが落葉し始めました。

なので家の近隣のカツラ街路樹の真下は落ち葉ランド。
集めるのもなんら苦労はなかったでっす!素材にはかーーーなり満ち満ちたエリアなんですねおいらの地元って。

若葉の方が強く香ってる感

わりと近頃落葉ピークだったこともあり、枯葉の中にまだ健気な葉っぱもいくらか散見。
嗅ぐってみると、どうやら枯葉よりも強くねっとりと香ることに気づいた。
なので枯葉だけで蒸留するのもアレやし、半分くらい生の葉っぱも混ぜようってことで。

どうやら生葉のほうが強く香ってるんすよね〜。。。


で、こんくらい集めてきました。どのくらいかわかりませんね。

蒸留釜を25L満たす程度の落ち葉(専門用語でLitterという)を集めてきました。
この状態でもしっかり甘い香りが香っています。

さぁーてこの質量127.11の水に溶けるアロマ物質を分溜することはできるのか否か・・・!!


■蒸留結果

オイルセパレータの部分

香り物質を分溜したはずなんですが、精油の確認はされず。
どうやら油物質ではなかったみたいです。

前にもこんな結果だった蒸留素材あったよなぁ。。。


カツラLItterの蒸留水

で、肝心の蒸留水部分。
蒸留時間1時間ちょいで1000mlビーカーが満杯になるまで蒸留しました。

ここで気づいたんですが、蒸留ラボは拾ってきたカツラの葉っぱの香りとはちょっと違った香ばしい香りが充満していました。ほうじ茶的な…

ちょっとここで嫌な予感を感じるおいら氏。。。

■蒸留結果!!

1.味とか香りとか

おめでとうございました。完全に

香 り 紅 茶 で し た 。緑茶寄りの。

まぁそりゃあ、樹種が違うだけで同じ樹木の葉っぱを100℃以上で蒸しあげてるワケですからそりゃねぇ。。。
兎にも角にも、もともとの香りが高温で変性してる疑惑アリですね。
やはりマルトースの香りは低温低圧蒸留で抽出するっきゃないのかなぁ〜と思った次第でした!

で、お次は肝心のお味。
みっけたツイッターの方曰く、ちゃんと甘いらしい。すごい。

で味の結果は

すっぱ苦い。とても飲み続けられるような味わいではなかった。
なんでやねんって感想。

たーぶんこれも高温で蒸しあげられてるからアミノ酸やら酸化物質やらでまみれてるから酸っぱいし苦い味になっちゃってるんでしょうな、、、と。

やはり感覚としては遠くに紅茶がいる感じです。香りが紅茶に変わってしまった。

2.総論

まったく美味しい香りはしない。期待はずれでありましたーっと。

ということはみっけたツイートの蒸留とはしっかり違った工程を踏んでいるみたいでした。

少なくとも紅茶のような甘味含む香りはするので、成分の濃縮は必須なんじゃないかなぁ〜と思った次第でした!

はい!そのへんに落っこちてるカツラの落ち葉を蒸留したけど使えそうな素材は得られませんでしたぁ〜・・・という蒸留実験回でした!!


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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。