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【蒸留日記 vol.100】北海道でヒノキチオール精油を得てみる蒸留家としての挑戦!

「遠いものほど恋をする」ってどっかで聞いたことありませんか。

おいらは高校国語の授業で、ぼんやりと先生のこの話を聞いてたくらいで、何についての解説だったのかは詳しく覚えていませんが、確か国宝:正倉院の宝物についての内容だったかな…
シルクロードを通ってはるかユーラシア大陸の向こうから持ち込まれた唐食器は国宝としてよほど大事にされてるという文言だったはずです。


さてさて蒸留日記もついに100タイトル目を迎えることになりました!
いくらか番外編的な扱いの記事もこのマガジンにぶっこんでるんですが、、、
およそ100の素材or100の蒸留方法を試した、ということになります。
いやーおめでたい。
北海道の自然の偉大さブログの数字で感じております( ̄▽ ̄)

で、記念すべきvol.100くらい自分の好きな香りについてでも取り組みたいなぁーとか思うんですが、なんにしろ今はラベンダーの咲かぬ真冬。(蒸留当時)
だもので季節柄、針葉樹素材に限定されてしまうワケなんですね。

で、ひとつ思い浮かびました。
大学生時代より、社会人になってもモノづくりの素材として愛でてきた、とあるエエ香りのする素材(木材)があります。

その名をThuja plicata
英名だとウエスタンレッドシダーと呼ばれる樹木。

ウエスタンレッドシダー/Thuja plicataの独特な木材の色

木材の色が独特で、甘い香りが特に強い部分はなんと赤紫色をしていて木材の印象を塗り替えるビックリな色合いをしているんです。
そして魅力は木材の色味だけでなく木材の香りも美しくてですね、ヒノキの仲間らしからぬものすごい甘い癒される香りなんです。

おいら、この精油が欲しい!!

と願ったのが、このvol.100の蒸留テーマきっかけとなりました。

■Introduction/序論

北海道でのヒノキの仲間植物たち

まず前提知識として、日本人が最も聞き馴染んでいるヒノキ(Chamaecyparis obtusa)は北海道にはおりません。自然にはまったく生えていないんですね。自然分布の北限が福島県あたりだそうです。
範囲を広げて"ヒノキに近い仲間"でいうと、渡島半島・函館エリアにヒノキアスナロ/青森ヒバ(Thujopsis dolabrata var. hondae)
そして、北米由来の外来樹木ですが広く普及している園芸樹種としてニオイヒバ(Thuja occidentalis)が存在しています。
この2種が現状、北海道に存在するヒノキ科樹木でしょうか。

よって、北海道でヒノキ科植物から精油を得たい!となるとニオイヒバヒノキアスナロに選択肢が限られてしまうワケです。
すごーーーく頑張ればスギとヒノキも手に入りますが、邸宅の庭木レベルでしか入手経路がないので本稿では省くこととします。

Aboutヒノキチオール

ヒノキチオールは別名ツヤプリシン(Thujaplicin)とも呼ばれる芳香物質。
名の通り後述するThuja plicata/ウエスタンレッドシダーからもそれなりの量が抽出できたので欧米圏ではそう呼ばれていたりします。
(文化的にアジア・日本圏ではヒノキチオールと呼称する傾向が強い)

ヒノキチオールとは、1936年にヒノキ属タイワンヒノキから発見された7角形環の構造をもつ芳香物質。この物質を元に抗がん治療薬の研究が行われていたりするなど、ありがたい植物生成物質なのです。
「ヒノキ」と名前がついている香り物質なんですが、当の日本産ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)の精油中にはほんのわずかしか含まれておらず、かつての日本統治時代の台湾に生育するタイワンヒノキより発見された事に由来するため現代では少々誤解を招くような物質名になっています。
日本国内でヒノキチオールを含む精油を求めるならば、青森ヒバの木材精油を買うほかないくらい、ヒノキチオールの名からは程遠く限られた入手経路となっています。

このヒノキチオールを多く含む樹木はエフゲニーマエダが知っている代表的なもので3種

ヒノキアスナロ(日本固有種)

まず日本北に自生するヒノキアスナロ(Thujopsis dolabrata var. hondae)の木材。枝葉にも含んでいるかどうかは不明です。
なかなかホームセンターの木材コーナーなどではお目にかかれない比較的レアな木材であり、植栽エリアも限定的なのでヒバ木材を入手したいとなると、やや割高な板材を東北エリアの限られた木材屋さんで入手するなどしかなさそうです。
それに、青森ヒバ木材精油の香りは後述の台湾ヒノキやウエスタンレッドシダーのような甘い香りが強くないのがネックです。

台湾ヒノキ(台湾高山エリア原産)

ちまたでは有名な、台湾ヒノキ(Chamaecyparis taiwanensis)
この産地であった阿里山郷に2017年訪れたことがあり、そこで台湾ヒノキ木材の香りを嗅いだことがあります。
日本のヒノキと同じカマエシパリス属植物ですが香りにかなり差があり、日本のヒノキを感じさせないほどすんごい甘い香りでした。(後述のThuja plicataにすごい似る)
台湾の標高2000m以上の限られたエリアでしか育たない希少資源のため現状伐採禁止となっているようです。

ウエスタンレッドシダー/ベイスギ(Thuja plicata)

北米西海岸に生育するウエスタンレッドシダー(Thuja plicata)です。
無印良品が"防臭防虫ハンガー"や"シューキーパー"などを独特な赤紫色の木材で製品化していました。木材の香りの良さも無印良品のお墨付きです。
アメリカ西海岸育ちの樹木であり、日本へ丸太の輸出が簡単なので高い防腐性も相まってログハウス住宅の構造材によく使われているようです。

私自身、赤紫色をしたなんとも珍しいThuja plicata木材に心惹かれ、この木材を買い集めて名刺ケースを作って売ってました。
匂いも台湾ヒノキに似てすっごい甘い香りがして癒されるんですよ。。。

※よくエンピツビャクシン/イースタンレッドシダー(Juniperus Virginiana)と誤解されているのをよく見ます。名前は似ていますが完全に異属別種の樹木で、バージニア精油は普遍的に流通していますがベイスギ精油は日本ではほぼ流通していません。(唯一確認できたのはdottera/アーボビテ精油のみ)

という現況となっています。

日本ではほぼ入手できないThuja plicataエッセンシャルオイル。

上記ウエスタンレッドシダー項で特記したのですが、実はT. plicataはヒノキ科植物であり精油が得られるのにも関わらず、日本ではほぼT. plicata/ウエスタンレッドシダー精油の取り扱いが無いんですね。
会員販売で有名なdoTERRAくらいでしか流通・扱いがないくらい入手難度が高い精油なんです。

といった知見を踏まえて、市販精油を買う以外にヒノキチオール(を含んだ自然素材)を最速入手したい!となると、実は北海道のホームセンターの角材コーナーでその原料素材を入手することができたりします。

原料の一つ(T. plicata木材)は身近に安定した入手経路があることがまず一つの課題クリアとなりますね!

■ブレンド蒸留の実践。

小型の蒸留器でも芳香蒸留水は簡単に作れることから、蒸留愛好家の方々では「ケルン水」などの蒸留生産にてブレンド蒸留が行われているよう。
この場合、数種類のハーブ・蒸留素材を同時に蒸留器に詰め、蒸留器内部で素材同士ブレンドを行なっている例ですね。

香りのブレンドに関しては、異なる精油同士を混ぜてブレンド精油を作る方法のほかに、蒸留器の中で先に素材を合わせてしまって複数素材の香りが織り混ざった精油を得る方法も取れるワケです。

本稿では、より面白みのある後者の方法をとって平成林業。なりのThuja plicataブレンド精油を得たいと思います。
また、Thuja plicata素材単体の蒸留で得られる精油は比重が水よりやや重い1.0041であることから水底に沈んで扱いづらいため、より扱いやすいサラサラした精油との混和抽出と効率的な抽出を目的として蒸留実践していきます。
蒸留日記vol.100という大きな節目を迎えたこともあるので、今までの蒸留経験と化学知見を生かして少し工夫した蒸留を行ってみたいと思います!

■Materials&Methods/材料準備!

Thuja plicata木材の準備

いくらかのホームセンターで入手できるThuja plicata材をヒノキチオール抽出素材として利用します。
青森ヒバ木材を利用する手もあるのですが、すぐさま身近で手に入らない素材であるのと青森ヒバの精油の香りはT. plicataほど甘みが強くないので、香りがより優れているThuja plicata材を用います。

蒸留日記vo.32にてこのThuja plicata角材単体のみで蒸留を行い精油抽出を試みたのですが、なんと水より重い精油が抽出される大失敗。
しかも水より軽い精油水より重い精油の両方が溶け混じってしまっていたので、蒸留水の中でフワフワと浮遊し回収にすんごく苦労した思い出&反省点を抱えていました。

その反省を踏まえて、炭素数10コの軽いモノテルペン主体の精油を出せる素材と組み合わせて蒸留し、扱いやすい状態にして抽出しようか〜というのが次回への課題となっていました。

そして、このvol.32で余したThuja plicata角材がまだ残っています。
今回これを蒸留材料Aとして用います!

ヒノキリーフの準備

水蒸気蒸留コミュニティにて縁があり、西日本産の新鮮なヒノキリーフをみかん箱一個分入手することができました。
北海道で暮らしているだけでは到底入手できない素材&物量となります。
またヒノキチオールを抽出する木材と同じヒノキ科素材でもあったという理由も選定理由の一つです!

今回このヒノキリーフから単純にヒノキリーフ精油を得るのではなく、ヒノキチオールの溶媒として本実験蒸留素材Bとして用いることにしました!

ちなみにヒノキ葉っぱ精油の香りは、嗅ぎなじんだヒノキ木材の精油とは大きく異なり、シトラシーでペッパーライクな気分がスッキリするような香りを持っています。カルダモンと表現した方がわかりやすいかもしれません。

ヒノキリーフ精油の香り

蒸留釜への素材充填の方法

①薄く切り出した木材を蒸気水部分(下層)で煮込む蒸留パターンおよび②ヒノキリーフ素材の上方に配置する蒸留パターンとでの2つが考えられました。

前回T. plicata蒸留で得た反省点として、T. plicata木材から得られる精油は水より重い成分が主体となるため熱でそもそも抽出されにくく、成分の抽出開始が蒸留開始から遅れるといったことが予想されました。

A)Thuja plicata木材の予想収油率

こちらは前回蒸留時などから収油率計算を行なったことが無い素材となるので、今回の蒸留にて収油率が算出できる仕組みです。

今回の蒸留で得られた精油抽出量からヒノキリーフ分を差し引くことで、T. plicata木材の収油率が判明します。

B)ヒノキリーフの予想収油率

前回の純粋なヒノキリーフ蒸留回から収油率を参考にあてはめます。
前回純粋に蒸留(5時間)を行なったところ1.466%という収油率を得ました。

この収油率をあてはめて精油30mLを得たいと考えると、30overでの抽出量30.8mLとなるヒノキリーフの素材量は2200g。
なので2200gのヒノキリーフ素材で蒸留を行います。

なお前回蒸留で算出した収油率は1.466%ですが、含水したThuja plicata(蒸留材料A)と合わせて蒸留するので率を少なく見積もって1.400%とし、0.066%は切り捨てて計算します。この値を今回vol.100での係数として扱います。

■蒸留準備!

ヒノキリーフ素材の用意

計画した通り、ヒノキリーフを2209g用意。(バケツ重量抜き)
溶媒・持ち上げ材となるヒノキリーフを30分以上かけて刻んだ。

Thuja plicata素材の用意

はい、前回vol.32で使用したウエスタンレッドシダー木材の残り材です!
前回使用時より時間が経過しているので、購入時よりもいくらか含んでいる精油は飛んでしまっているでしょう…

しかし蒸留用に細かく刻んでいくとしっかりと本来の甘い香りが内部から湧き上がってきます!木材精油が完全に飛んでしまったワケではないようです。

蒸留抽出されやすくするためレッドシダー木材を薄く細かく切断するのですが、刻むことで外気に暴露される表面積が増えて準備中にも精油の総量を減らしてしまうので、精油の揮発をなるべく防ぐために冷水桶に沈めて揮発を防止します。

1時間あまり木材を薄く切り出して必要量が用意できました。

Thuja plicata木材の素材重量は516g用意した。

本来の全乾木材とは違い含水してしまっていますが、湿った状態で重量を計測します。
結局のところ蒸留釜の中でも水蒸気を吸って含水状態になるので、重量計測時は湿潤状態で計測することにしています。

【今回の各蒸留素材のグラム配分】
ヒノキリーフ→2209グラム
レッドシダー木材→516グラム

2素材を分けて抽出率算出するためあまり関係ないが素材2種の総計は2,725g

蒸留釜への素材充填方法

形式的には蒸留釜の上に抽出したい蒸留素材A(T. plicata木材)を配置する方法を採用しました!

まず最下層に蒸留素材B(ヒノキリーフ)を敷き詰めます。
初手、高温の水蒸気がモノテルペンが主要であるヒノキリーフ精油を持ち出す効果を狙える配置とします。

底が見えなくなるくらい蒸留素材B(ヒノキリーフ)を敷き詰めたら、まずはじめに素材A(T.plicata木材)の木粉を配置します。
木粉が上すぎると冷却管内に舞い上がる懸念があったので下層配置としました。
また木粉は素材サイズがきめ細かいので高温蒸気だとしっかり精油を素材から抜き出せそうだったので下層配置としました。

ある程度・蒸留釜の1/3を蒸留素材B(ヒノキリーフ)で満たしたところで、次に素材Aを湧き上がる蒸気が当たりやすいよう平行配置。
全ては置かず、一面分素材Aを配置したその上に素材Bを敷き詰め、素材Bの層をつくります。

蒸気の滞留層ができるのを意識して、より多くのヒノキチオール浸出を狙う

そして蒸留釜2/3ほどの高さでまた蒸留素材Aの層を作ります。
素材Aを平置きした層を作ることで蒸気の流れを滞らせることにより、より多くThuja plicata精油が回収されることを狙います。

そして最上面により細かくした素材Aを配置。
薄い木材と細かい葉っぱ素材の混合蒸留なので、蒸留素材をこのようなミルフィーユ状の積層配置としています。

■いざ蒸留!

溶媒となるヒノキリーフが素材特性上じっくりと精油抽出されるため蒸留時間は5時間と長尺になりましたが、定期的に抽出精油の香りや色など詳細に観察を行いました。

滴下開始から10分のようす。

精油の滴下開始から10分ほどで、うっすらと透明な精油が水面に張ってきたのが見えてきました。
蒸留素材B(ヒノキリーフ)は細かく刻んでいるのでより成分が水層に溶け出すためか芳香蒸留水が白く濁っていますね。
この時点ではまだヒノキリーフのシトラス風な香りが強く漂っています。

500g仕込んだ蒸留素材Aの香りの変化

本稿で重要なテーマとしているT. plicata木材(蒸留素材A)の甘い香りがどのように抽出されて蒸留の経過とともに変化するのか?を重点的に観察していたワケです。

蒸留開始から50分ほど経つと精油の色合いが黄変しはじめた。

今回の蒸留だと、T. plicata木材の甘い香りは蒸留開始から30分ほどたつとヒノキリーフのシトラス&ペッパーな香りを覆い隠すようにT. plicataの甘い香りが強くなりました。
蒸留水の香りも同様にT. plicataの甘い香りが濃くなったのを観察できました。
T. plicataの精油がまとまって抽出開始されるまでだいたい30分ほどのラグがあったようです。
40~50分経過した頃にはたまった精油の色合いもより黄色味が強く変化し始めました。

そしてピークの終わりは蒸留開始から4時間ほど経った頃でしょうか。
精油でもベースノートとして香りの主張が強かったT. plicataの甘い香りですが、蒸留4時間を経過したあたりで再びヒノキのシトラス&ペッパーな香りに取って代わられたのが観察できました。
おそらく、薄切りにして仕込んだ500g分の蒸留素材Aの精油抽出がほぼ完了したのだと見ています。

■蒸留結果は…!?

蒸留前半(2時間半)で一旦精油を回収する。

5時間中、前半パート(2h30min)終了時点のようす。vol.97で得られたヒノキリーフ精油より黄色味の強い精油がかなりの量得られました!
が、まだまだ抽出しきれていないので、このあと蒸気水を足しさらに再度2時間蒸留します。

蒸留後半(前半時点〜5時間分まで)で得られた精油。

5時間中、後半パート(2h30min)終了時点のようす。これで計5時間分の蒸留を終えました!精油の色はあまり変わっていないようです。

後半パートではやはりいくらか精油の抽出量が落ちてきているのがわかりますね。
前半パートではしっかり香っていたThuja plicata木材の芳香が後半パートではあまり香らなくなっていたので木材素材からも精油抽出が終わったのだろうと踏んでおきます。

2725gの混合素材から蒸留5時間で総計34.3mLほど精油が得られた!

1.収油率/Oil Yield

蒸留前半(2時間半)と蒸気水を補給しての蒸留後半(2時間半)とで合わせて5時間分の蒸留を行いました。

5時間の蒸留で得られた精油の合計量は30mLと4.3mLを得ました!
事前計算の推定30.8mLを越える抽出量34.3mLとなりました!

蒸留事業としてみると、やはり葉を刻んでも大して短くはならないこの蒸留時間の長さはネックですね。

1-2. Thuja plicata精油の純粋な収油率を求める

さて、醍醐味である素材2種分の収油率計算です!
過去何度かのヒノキリーフのみでの蒸留により、ヒノキリーフ素材としての大まかな収油率を知ることができています。
今回使用したヒノキリーフ素材は2209gであり、前回の蒸留で得られた収油率1.400%で"抽出量"を計算すると

1.400% ÷ 100 x [ 2,209g ] = 30.926mL

ヒノキリーフ精油分の収量計算

すなわち30.9mLのヒノキリーフ精油抽出量と算出できました!

そして抽出精油の総量34.3mLからヒノキリーフ分を引くと3.4mLとなります。これがThuja plicata木材516gから得たおおよその精油量です。

で、抽出量3.4mLと素材重量516gは判明しているので、求めるはThuja plicata木材の収油率ですね。

抽出量[ 3.4ml ]÷ 素材重量[ 516g ]100 = 0.658%

ヒノキリーフ2200gを溶媒とした場合のThuja plicata木材の収油率

となりました!
今回使用した蒸留素材A(T. plicata木材)は購入時よりいくらか時間が経過しているのでその間に精油成分が揮発離散していると考えられ、購入後すぐに蒸留に供するよりいくらか収油率が下がっていると想定されます。
なので数値の正確性がやや低いことにご留意ください。

2.香りとか/Essential Oil scent

芳香蒸留水の香り

coming soon…

精油の香り

おもしろい香り性質を持つブレンド精油を得ることができました!

手の甲に垂らして官能を行いましたが、ファーストノートはまずThuja plicataの甘い香りがスッと香ってきますが、すぐさまヒノキリーフのシトラス&ペッパーな香りに取って代わられます。

そしてファーストノートが飛び去ってからがおもしろい。
しばらくして香るミドル〜ヘビーノートはThuja plicataの甘い香りが再び現れ真価を発揮!
芳醇で癒される甘い香りが強く現れ、ファーストノートに比べて5,6倍は香りが残り続けるでしょうか。
ヒノキチオールもといThuja plicata精油は樹脂的な残香性の高い性質があるようなのです。
「Thuja plicataの甘い香り」と「ヒノキリーフ精油」の香り性質の違いが大きいことにより、結果として香りの個性がハッキリ分かれているような官能結果でした!

アロマテラピー的観点で香りをコメントすると、、、
ヒノキリーフのシトラスアロマ心地よく甘いThuja plicataの香りの2種とでは香りのギャップが大きいことで、ブレンドアロマとしてはあまり心地よいとは思えない香りな気がしています。
やはり心地よいブレンドアロマを作り出すなら木材x木材などの同じ素材同士を掛け合わせるのが無難なのかなぁ〜と思わされる結果でした!

■蒸留を終えての展望

今回の実験蒸留にて、ヒノキチオールの香りがする精油を作り出す試みは成功を収めることができました!
意外にもヒノキリーフの精油構成主体であるC10モノテルペンでも重い木材精油を持ち上げることができたみたです!

次回への展望としては、ヒノキチオール源となるウエスタンレッドシダー木材はわりといつでも入手できる香材なので、次はヒノキリーフ以外の北海道に存在するヒノキ科素材(ニオイヒバやビャクシン等)とも掛け合わせてみたいと考えています。

今回の反省としては、ヒノキリーフ素材が思いのほか強くペッパー&シトラシーな香りを持つ素材だったのでウエスタンレッドシダーの香りとはミスマッチな感じでした。
なので視野を広げてまろやかな香りを持つ他針葉樹素材なんかとの掛け合わせも検討してみたいと思います。

〜関連記事リンク〜

今回の蒸留素材A(Thuja plicata)単体から精油抽出を試みた回⤴︎⤴︎

今回の蒸留素材B(Chamaecyparis obtusa -Leaf)の蒸留回⤴︎⤴︎


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