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従業員と接する時に思い出したい、魔法のフレーズ

突然ですが、ゲシュタルト療法という心理療法があります。
1940年頃、ドイツの精神科医のフレデリック・パールズとローザ・パールズ夫妻により創始された心理療法です。フレデリック氏は日本が好きで、禅の修行をかなり本格的に行った人でもあります。

フレデリック・パールズ

夫妻は、治療やワークショップで、好んで次の詩を読み上げたといいます。

まずは、だまされたと思って、読んでみていただけますか?

私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。
私は何もあなたの期待に応えるために、この世に生きているわけじゃない。あなたも私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。
私は私。あなたはあなた。
もし私たちが、たまたま互いを見つけ出すなら、それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。
私とあなたが私たちの基本、二人が一緒なら世界を変えていける。

読み終えて、いかがお感じでしょう。
コクのあるコーヒーみたいでしょ。(変な例えですけど)

私はこの詩がとても好きです。この詩に出会えたことは幸運だったなと感じます。
人生を歩む中で、いつも思い出すフレーズの一つになっています。

同時に、経営者、事業主でもありますので、経営的な目線で思うことがあります。
これ、従業員との関係にもピッタリ当てはまるのではないか?と。
なお、私の経験での見方でしかないので、10人~20人の会社の話になるかもしれません。

昔、従業員に「過度な期待」をしていた時期があります。
こういうふうになってほしいな、くらいの期待をするのは、全てが間違いではないのですが、私のそれは「行き過ぎた期待」でした。

私がなってほしいと思う姿に、従業員に半ば強制に近い態度で接していたこともあります。
なぜ、理想の姿になってくれないのか?

軋轢だらけの生活でした。お互いに、ですね。
接するすべての瞬間で「君は俺の理想の姿とはほど遠い」と認識しながら接するわけですから、今考えると、うまくいくはずはないです

ちなみに、従業員の歩く音が、チャリンチャリンと聞こえていた時期でもあります。
一歩あるけばお金がかかってゆく感覚(笑)…わかってもらえます?

従業員は従業員。自分は自分

従業員は、たまたま、私の会社(士業ですので事務所)に来ただけ。

会社(事務所)の方向性に沿って仕事をしてほしい、給与に見合う仕事をしてほしい、というのは良いです。雇用する側として当然の想いでしょう。数字もありますよね。

でも、それを超えて「従業員であればこうあるべき」をゴリ押ししてしまうとうまくいかなくなります。

私の黒歴史でもあるあの頃、この詩を知っていたら、私も従業員も、業績も、全部が幸せに近づいていたのではないか?と感じます。

再掲しますね。

私は私のために生きる。あなたはあなたのために生きる。
私は何もあなたの期待に応えるために、この世に生きているわけじゃない。あなたも私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。
私は私。あなたはあなた。
もし私たちが、たまたま互いを見つけ出すなら、それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。
私とあなたが私たちの基本、二人が一緒なら世界を変えていける。

もしあなたが経営者、事業主で「従業員ならこうあるべき」とか、少し行き過ぎると「雇ってやっているんだからこうあるべき」とか、ゴリ押ししている自覚があるようでしたら・・
ゲシュタルトの詩をプリントアウトして、あなたのデスクの近くに貼り付けてみてください

あなたも従業員も、変わってくるはずです。少しずつ。
あなたと従業員と一緒に頑張ることで、会社(事務所)の未来は大きく変わってくるかもしれませんよ。
いつか、今回の記事のタイトル「従業員と接する時に思い出したい、魔法のフレーズ」の意味がわかってもらえるかもしれません。

要は、

私は私。あなたはあなた。
もし私たちが、たまたま互いを見つけ出すなら、それは素敵なことだ。

俺は俺。君は君。
求人と求職のタイミングでお互いを見つけ出して一緒にやっている。
色々現実問題あるけど、お互い肩の力ぬいて、やってゆこうよ。

これくらいのスタンスで臨むと、過度な期待をせず、期待をされず、心地よく働いて、業績も伸ばしてゆけるように思います。
実際、自分の場合、そうでしたから。

この詩は、心理療法で使われるものですのでもちろん、仕事面だけでなく、家族、友人、兄弟姉妹にも当てはまります。

生活全般で心の片隅に置いておくと
人生が少しずつ、好転してくるかも。

では、今回は失礼しますね。事務所から出る間際の投稿ですので、少々乱文かも。お赦しください。

崎田 和伸


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