世界一まとめきれていないインタビュー論
今宵、本の深みへ。編プロのケーハクです。
現在、私たちのYouTube番組「シュッパン前夜ch」では、スポーツメディア編を展開中。その中でゲストであるスポーツライターの方々とインタビューのテクニックの話になったのですが……
「取材対象者に仮説をぶつける」
取材前に入念な準備をしたうえで仮説を立て、それをある種「決めつけ」のような形で取材対象者であるアスリートたちにぶつけるそうです。
それが当たっていれば、相手は「よくぞわかってくれた」と話してくれますし、外れていたとしても「それは違う」と反論するために話してくれる。いずれにしろ、取材対象者の内面を掘り下げるには、有効な手法であるといいます。
たしかにアスリートたちは、自分の意図を説明しながらプレーすることはできません。ライターたちは、そのプレーを客観的に分析し、そこから何かを読み取って言語化することが必要になります。
そのアスリートを捉える視点そのものが個性となり、読み手にとっての魅力につながります。スポーツライターの場合は、いわゆる職業ライターというよりは、作家やコラムニスト的な存在に近いのかもしれません。
一方、安易な仮説や決めつけにはリスクがある
この取材対象者に「仮説をぶつける」手法は、安易にやるとリスクがあるといいます。そして、仮説に固執せず、柔軟に話を転がしていくことが重要だとも。
これは、ジャンルは違えども、私にも経験があります。
「安易な決めつけ」は危険です。
健康系の雑誌って、ネタづくりが大変だな〜と思います。そんなに頻繁に新しい理論が生まれるはずがないので、似たような理論の切り口を少しずつ変えながら話題をつくるしかありません。
なので、毎号の編集会議ではネタを編集主導でつくることが多く、「1日10分でこれだけやれば痩せる!」みたいな「決めつけ」前提で記事を作成することがあります。
そのネタを監修者である専門家に取材して裏を取りたいわけですが……
監「10分じゃ痩せませんよ」
編「そこをなんとか……」
監「せめて30分はやってくれないと」
編「それだと大変なのでもう少し……」
監「でも痩せないし」
編「では15分ではいかがでしょう?」
自分は一体なんの交渉をしているのだろうか?
このような決めつけ前提で取材をしなければいけないときは、結構監修者との意見の相違が起こり、トラブルも発生しがち(当然!)。
雑誌だけでなく、実用書や健康書でも攻めたテーマの本などは、このようなやりとりは少なからずあります。
結局は、編集側の要望と理論的に正しいところで折り合いをつけて着地させるのですが、ここまでに辿り着くまでの努力(労力)はハンパないものがあります。
インタビューもいろいろ
ひと口にインタビューといっても、いろいろな局面があり、ポイントやコツなどもたくさんあります。
ライターの世界もジャンルが違うだけで、スタイルやアプローチなどにも違いがあり、いろいろ勉強になりました。ご興味のある方はぜひYouTubeもご覧になってみてください。
……もうバレていると思いますが、まとめきれておりません。
今回だけはどうかお許しを(涙)。
文/編プロのケーハク
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