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Vol.9 運動後にプロテイン!+α

多くのサッカーチームが練習再開されました。
僕のチームでは未だに練習再開の目処は立っていません。
早くみんなとサッカーがしたいですね。


チーム練習が再開すると、多くの疲労感がまとわりつくと思います。そして最近とても暑くなっているのでそれによる疲労も春先とは比べ物にならないくらいになるのでは無いでしょうか。


最近僕が書くマガジンでは"疲労回復"に焦点をおいた記事が多いです。

そうです。

僕も暑さを感じ始めかなり疲れているのかもしれません笑
どうにかそれを乗り越えようと、疲労回復についての勉強をしているところです。

今日は、筋トレや運動後に多くの方々が摂取しているであろう"プロテイン"について書いていこうと思います。


参考論文

https://www.jstage.jst.go.jp/article/trainings/23/2/23_135/_pdf/-char/ja

○実験の内容

炭水化物、タンパク質のサプリメントを使い、運動直後のサプリメント単回摂取にようパフォーマンス影響および、翌日までの疲労からの回復効果を検討した。
また、筋グリコーゲンについての観察のため血糖値とインスリン濃度についても調べられた。
血中インスリン濃度が運動後の栄養摂取後に高ければ筋グリコーゲンの再貯蔵が促進されたとされる。
筋グリコーゲンの再貯蔵
→筋肉の回復に影響


○試験食(サプリメント)

・ショ糖を中心とした糖質20.4gとホエイタンパク質6.9g混合物
・ホエイタンパク質23.0g

それぞれ市販のプロテインである。
そして摂取カロリーを約100kcalに合わせた。
この、プロテイン1杯分の摂取カロリー程度で実験が行われたことがこの実験の特徴である。
(いくつかの論文の中で同じような実験はあるが、摂取量が一般人にとってなかなか摂取できない量のためこの実験は参考になりやすいのではないかといえる)


○運動方法

自転車エルゴメーターでVo2max50%の運動強度で10分間ウォーミングアップさせた後、
50%と90%Vo2maxを2分毎に繰り返す
高強度間欠的運動を行わせ、筋グリコーゲンを枯渇させるため、血糖値が72mg/dl以下になるまで継続させた。

運動終了後、サプリメントをそれぞれ摂取させ、2時間寝かせて安静にした。

その後85%Vo2maxの運動強度で疲労困憊になるまで自転車エルゴメーターを漕ぎ続け、運動継続時間を測定した。継続できたかどうかは、一定速度で5秒間漕げなくなったところで終了した。


Vo2max
→最大酸素摂取量のこと
 1分間に体重1キロ当たりどれだけ酸素を体内に取  
 り込む事ができるかという値
 この値が高ければ心肺機能は高いとされる

画像1

ちなみに、90%とか85%はどんなもんなの?と思う人向けに載せておきますが、ガーミンジャパンが出している表ではこの通りです。

この実験をした被験者がどれだけ身体を張ったかが分かりますね笑
運動生理学の実験は身体を張ることが必要とされます笑


○パフォーマンステストの結果

被験者7名中6名の被験者において運動時間が延長された。
混合サプリを摂取した群は、タンパク質単体を摂取した群よりも53%パフォーマンス時間が向上した。
疲労感については、サプリメント摂取120分後では混合サプリを摂った群において、疲労感が軽減する傾向が見られ、翌日には有意に疲労感が軽減された。

https://www.hirougakkai.com/VAS.pdf
⬆︎疲労感の測定にはこちらが使われたようです。


○血糖値・インスリン濃度


画像2

左が血糖値で右がインスリンです。
どちらも混合サプリを摂取した群が、運動後30分くらいに急上昇しその後値が落ち着いています。
タンパク質のみでは血糖値が上がっていません。
混合サプリを摂取した群は筋グリコーゲンの再貯蔵が進められていると言えそうです。

まあこの結果は当然と言えば当然です。
体内に糖質を入れたら血糖値が上がって、入れなかったら上がらなかったよという話です。

しかし、こういう事実が予想できるにもかかわらず、運動後にプロテインだけを飲んで満足している人も多いのではないでしょうか。



○まとめ

以上の結果から、市販に売られているプロテインの量(約100kal)でも疲労回復についての効果はありそうだとされます。
しかしこの研究の少し苦しい部分としては、摂取カロリーを揃えるために、摂取タンパク質量が糖質を摂ることにより減ってしまう事です。
これは市販のプロテインを使っているため同じことをやろうとすると、どうしてもタンパク質の摂取目標量に達しないということになってしまいそうです。

だから僕なりのお勧めとしては、市販の混合プロテインを買うよりも、プロテイン+マルトデキストリンというような摂取法が有効なのではないかと思います、

もちろん、運動直後に食事ができれば良いですが、おにぎりだとしてもこれからの季節は食中毒などが怪しい季節です。

疲労回復の観点からしてみると、タンパク質のみよりもプラス糖質を摂ることが有効だと言えそうですね。

確か他の論文で糖質単体よりもタンパク質を合わせた方が筋グリコーゲンの再貯蔵が進められるみたいな論文も見たことがある気がします。見つけたら紹介していこうと思います。


この、プロテイン+αに関してはもっと調べていけば様々な効果について学べそうなので続編として今後も見ていこうと思います。

皆さんも栄養摂取に一工夫加えてみてください!

#タンパク質 #運動生理学 #プロテイン #食事

参考

https://mag.onyourmark.jp/2019/02/heartrateleadshealthylife05/114540

https://home.hiroshima-u.ac.jp/expertpt/insurintokettou.html

マルトデキストリン

https://www.myprotein.jp/sports-nutrition/100-maltodextrin-carbs/10530114.html



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