Vol.5 魚の油の摂取方法 DHA EPA
皆さんこんにちは。
僕は第3回のマガジンで良質な脂質の勧めみたいなものを書きました。
そこで、よく"魚の油は身体に良い"という事を耳にする人は多いと思います。
第3回のマガジンで中鎖脂肪酸を余分に取ると疲労回復に効果的という話をしましたが、今回のEPA DHAすなわち魚の脂(フィッシュオイル)は長鎖脂肪酸に含まれますので、なんでもかんでも健康に良いから中鎖脂肪酸だというわけではないので理解していただけたらと思います。
○魚の油(EPA DHA)の一般的効果
EPA→エイコサペンタエン酸
DHA→ドコサエキサエン酸
2つの脂肪酸はn-3系の脂肪酸で、n-6系の代謝産物の合成を抑制する事で、血液凝固を防止する働きがある。
要は血液サラサラみたいな効果が得られるって事で良いかと思います。
ここで豆知識ですが、油と脂の違いは分かりますか?
油→常温で液体のもの
脂→常温で個体のもの
と分けられるようです。牛脂・サラダ油をイメージすればわかりやすいかなと思います。
話を戻して、血液がサラサラだと何が良いかというと、体内の様々物を運ぶのは血液(血漿)というのは中学校の時に習ったと思います。という事は様々な物を運びやすくなる。すなわち栄養が早く行き渡ったり、酸素を早く供給できたりなんかにも繋がるのかなと思います。(自論)一般的には動脈硬化を予防すると言われていますね。
●魚の油の問題点
油が酸化するという事は割と聞いたことがある人が多いと思います。
油の酸化→油の劣化
と捉えて大丈夫だと思います。栄養価が落ちたりするとい事ですね。
脂肪酸は分子の構造から
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
主に脂が飽和脂肪酸で、油が不飽和脂肪酸です。
魚の油は常温で液体のため不飽和脂肪酸であり、
不飽和脂肪酸は加熱をすると酸化しやすい
という性質があります。
また、調理法により良質の油が逃げてしまうという事はよく聞く話です。
その為、魚の調理方法には工夫が必要であるということです。
今回はEPAとDHAをうまく摂取する調理法についての論文です。
参考論文
○実験方法
スーパーで購入したサンマを肩、腹、尾の3区画に分割した。
・電子レンジで5分間加熱した場合(レンジ調理)
・グリルレンジで15分間加熱したもの(焼く調理)
・沸騰した湯で10分間加熱したもの(煮る調理)
・蒸し器で15分間加熱したもの(蒸す調理)
・サラダ油中で3分間加熱したもの(揚げる調理)
で比較した。
また10分間温度を変えて行う実験と、95℃の一定温度で時間を変えて行う実験も実施された。
EPAとDHAの詳しい解析方法を知りたい人は論文を読んでみてください。
○加熱温度による変化
EPA及びDHAは加熱時間を10分の一定にした場合、加熱温度が高くなるにつれてDHAとEPAの残存率が低くなった。しかし加熱温度が80℃以下では50%以上は残存し安定していた。
○加熱時間による変化
95℃の一定条件下では加熱時間が長くなるにつれて残存率が低くなった。しかし、6分以内ではEPA.DHA共に60%以上残存し、安定していた。
○調理方法による変化
生(刺身)の状態を残存率100%とする
結果は↑の通りになりました。
100%を超えている部分は再確認する必要があると論文では書いていました。おそらく調理用の油を吸ったりなどして実験方法があまり良くなかったのではないかと考えます。
最も特徴的なのは揚げた時にEPAが全く残らなくなったということが挙げられます。
その為、あまり揚げ物に良いイメージを持つ人は少ないとは思いますが、魚のフライは脂肪酸の観点からすれば身体には良くないよということが言えると思います。
また蒸す調理は栄養を逃さない事はわりと広まっていますが、ここでもそのような結果になりました。
やはり蒸し調理には可能性を感じます。
また、EPAとDHAを逃さない観点からするとレンジでの調理も他の調理法に比べて優秀なのではないかと思います。
しかしながら電子レンジでの調理は、オーガニックにこだわる人からすればタブーとしている人もいるらしくそこに関してはなんとも言えないところですが、多くの人にとっては良い調理方法ではないかと思います。(電気代に関しては気になるところではありますが)
○私たちの生活に活かすには
まずは刺身で食べることが1番だと思います。
これはすべての食材で言えることかもしれませんが、そのまま食べる事が1番栄養がある食材がほとんどだと思います。野菜なんて洗うだけで栄養が落ちるなんてことも言いますからね。
しかし、新鮮なものでなければ健康に害を及ぼしてしまうのも生鮮食品の特徴で、なかなか刺身を常時買えるほど余裕がない人もいると思います。ちなみに僕は刺身をスーパーで買った事はありません。
先ほども述べましたが、火を通す場合は蒸す調理が良いのではないかと言えるでしょう。
しかし、サバ味噌煮とか焼き魚とか美味しいんですよね本当に。
別にそういう調理をしたからと言って、効果が0になる訳ではないですし、魚はEPAとDHAしか健康に対してポジティブな影響を及ぼす食品でもないと思います。
だから推奨するわけではないですが、そういう食べ方もありだと思います。やはり自分の欲求とやるべき事のバランスが大切ですね。
EPAとDHAを摂るためにサバ味噌煮を食べよう!
みたいな事が少し違うんじゃないの?って話なだけです。
またサバ缶は、栄養表示のところにあらかじめEPAとDHAの含有量が書いてあるため、火などを通さずにそのまま食べる事がおすすめです。僕が見たサイトの紹介ではサバ缶一個で1日の目標摂取量は達成できますし。(あくまでそのサイトの一意見です)
皆さんも食品にこだわるだけでなく、調理法、食べ方もこだわってみてはどうでしようか??
感想や意見などお待ちしています!
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参考
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