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ちなみに給料てどうやって決まってるの??

最近、木暮太一さんが書いた「超入門資本論」という本について話をすることが多いのだが、マルクスの資本論をもとに今の私たちの給料がどうやって決まっているかを考えると非常に面白い。

そんなことないやろ!という風に思うところも多少あるが、なぜ新卒の給料はどこも一律なのか?なぜ年功序列という仕組みがこんなに長い間採用されてきたのか?ということを考える上では非常に役に立つ。

それなので、その概略は是非とも知ってもらいたいと思っている。

給料は我々の必要経費と原材料によって決まる

結論からいうと、私たちの給料は労働力の価値とその労働力を再生産するためにかかったコスト(必要経費)によって決まってくる。

とてもざっくりとしているよね笑
ということで、詳細に解説しますわ。

まず労働力を再生産するためのコストについてだが、これは何かというと、労働者(会社員)が今日働いて、明日も働くのにどれくらいの費用がかかるか?という金額。つまり生きていくのに必要な経費ということだ。

例えば20代であればワンルームのマンションにファストフードを食べて、週末は飲みにいくくらいの生活費になると思うが、40代や50代になると家のローン、子どもの学費、部下への飲み代など多くの生活費がかかると思う。

つまり生きていくのに必要な費用が年齢と共に変わる。そして給料は「一般的」に必要とする経費の最低限として払われる。これが年功序列の給与体系になる答えである。

それなので、年齢とともに給料が上がっていっても全然生活が楽にならないのは、払われる対価が必要最低限の経費に過ぎないからだ。
若い時に比べて必要な経費が40代や50代ではかかってくる。

ちなみに転職もそういう意味ではあまり効果的ではないことがわかる。
なぜなら、同じ年齢でも給料が高く支払われる会社は、低い会社よりもストレスがかかったり、職場の飲み代が多かったり見栄を張ったりするので、生活を維持するためのコストが高くなるからだ(例えば弁護士が仕立てのいいスーツを着たり、外資金融マンが高級時計を身につけるなど)。

また同じ仕事(コールセンターやマクドナルドなど)でも地域によって、時給が異なるのも生活にかかる経費という観点から見れば納得することができる。

ベースの給料は価値によって決まる

そして、もう一つの給料を構成する要素は価値だ。

マルクスによれば物の値段は使用価値 (=どれたけ役に立つか?)よりも価値(=それを作るのに当たって掛かった経費とコスト)によって決まるという。

つまりコンビニの水は非常に必要なモノなのに値段の相場が100円なのは原材料や作るコストが大体それくらいだからで、お土産屋の熊の木彫りは全然使えないのに1万円もするのはそれを作る時間や原価が掛かっているからだ。

そしてそれは労働についても同じことが言えるとのこと。

なぜ事務員の給料が医者よりも低いか?というと、社会に与える価値以上に、その職種に就けるまでのコストをどれくらい払っているか?と考えた時に医者は学費を数千万円を払って、かつ研修医を経てようやくなれる。つまりコストがめちゃくちゃかかっているからだ。

つまり自分がどれだけ成果を出しても給料が上がらないのは、価値を大きくすることができていないからだ。どんなに使える人材になったとしてもそれは使用価値を上げたに過ぎず、これは給料の構成要素の4%でしかない。

そう考えた時に会社員としていい暮らしをするのであれば「価値」を上げるか、ストレスを少なくしたり同僚や先輩との関係を絶って、「一般的な」必要経費を少なくすることだ。
(まあ、本当はそれ以外にも方法はあるけど、今回は割愛する)

これからはもっと成果主義になるともっと大変

実際に全国転勤の総合職は、どのエリアでも給料が一律だし、楽な仕事で給料が高いのもあるからこれらの理論で全て説明できることはない、ということは承知しているが、それでもこの考え方は是非とも知っておいたほうがいいだろう。

またこれから成果主義に移行すると、もっと厳しい状況になるのは心に止めておいたほうがいい。

なぜなら成果による報酬は雇用主の思惑で変えられるからだ。
例えば、1000のアウトプットに対して今まで200もらっていたが、ある日突然100に減額されることが往往にしてある。

別にその人が悪いわけでも成果を落としたわけでもなく、雇用主の勝手な都合で、だ。

嘘だろ!?って思うかもしれないけど、まじである。会社によっては。

それなので、これから成果主義でバリバリ稼ぐんだー!っていう人は是非とも選ぶ企業や手段を考えた方がいい。そうしないと一生搾取されて人生終了するから。

まあ、搾取する側は労働者に一生バカでいて欲しいから、そういうことを教えないけどね笑


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