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権力者腐敗の心理学②【本当の謙虚さを知り、引き寄せという落とし穴を回避する】

偉大な国家というものは、偉大な人間にも似ている。
あやまちをおかした時には、それに気づく。
気づいた時には、それを認める。
認めた時には、それを正す。
あやまちを指摘してくれたものを、彼は最善の師と考える。

どうも、さいさんです。
上記はスティーヴン・ミッチェルが【老子】に発想を得て記したものですが、今日は道徳心の土台ともいえる「謙虚さ」をテーマに掘り下げていきたいと思います。

前回のキーポイントの一つがこちらでしたが、道徳心が薄くなっているときほど

①綿密な計画を立てる脳回路
②過去の失敗から学ぶ脳回路
③自分を俯瞰し、成功をイメージする脳回路
 
が弱くなり、綿密な計画を立てられず、過去の失敗を学べず、成功をイメージ出来ないヤバい状態になるわけです。

この「謙虚さ」を司る島皮質は共感を司るだけではなく、自分自身の「心」と「身体」をつなぐ役割もしています。
 
カリフォルニア大学ボーラス博士らのアスリート調査では、オリンピックのメダリストと10位くらいの選手間にフィジカルの差はほとんどなく、チャンピオンになれる人はこの「島皮質」の活性が高いことがわかったそうです。
 
この「島皮質」の活性が高いことで脳が未来予測を出来て、事前に呼吸や心拍を調整し、普段通りに能力を発揮できるサポートをしていた・というわけです(もちろん逆に、活性の低いグループは緊張や環境の変化に対応できず、普段通りの能力を発揮できなかったということ)。
 
漫画やドラマの世界と違い、現実世界では練習もなしに本番で突然、能力以上の力を発揮する事はありません。

私達は、自分自身の能力を能力通りに発揮させる。小さな先の未来に備えるという点でも「謙虚さ」を保つことはとても大事なのです。

☆ 本当の謙虚さを知る

そこで、みなさんの中にある「謙虚さとは何?」を振り返ってみましょう。
 
なんか控えめで遠慮がちなあれでしょとか思ったあなたは要注意!

謙虚さとは、決して自分の強みや特技を過小評価し、控えめであることではありません。

デューク大学・マーク・リアリー氏らによる被験者419名を対象とした「謙虚さ」に関する研究によると「謙虚さ傾向」に高いスコアを示したグループは、自分の強みや特技について控えめに過小評価する傾向がみられなかったそうです。さらには、自身のそうした強みや特技が、自分を特別な存在・地位に結びつける傾向はむしろ弱かった結果が出ました。

真に謙虚な人は、自分自身の強みを認識し、自分にOKが出せている。そして、その強みが自分を特別扱いさせるものではない・というマインドセットもあわせ持っていたわけです。

つまり「謙虚さ」とは「自分を客観視する力」でした!

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☆ 引き寄せという危険な落とし穴

この点からも僕が嫌っているワードが「引き寄せ」です。
 
あなたの周りには、そういうタイプの方はいませんか?(笑)

「引き寄せ」いう言葉には「特権意識」の香りがプンプン漂います。この言葉には私は「特別」という意味が含まれやすいからです。

何かを成し遂げた時、手伝ってくれた人達や機会や役立った何かへの感謝はそこにありません。

「特別」な私は、誰かが、何かがやってきて助けてくれるように定められている。全ては私の力!!

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まさに謙虚さとは真逆の位置です。

当然「引き寄せ」はこの世の中を変える魔法にはなりえません。
 
実際、引き寄せをしている人達が世の中をいい方向に変えるインパクトを出せていないことからもそれは明らかでしょう。
 
だって当たり前ですよね。
自分自身のことがわからない。
自分にOKが出せていない。
それでも自分は特別扱いされるべきだと思っている。
 
そんな「引き寄せ」という傲慢な振る舞いは、島皮質の活性を低下さ、共感力が下がり、心が通じなくなるので友人達は離れていきます。当然未来を予測できなくなりますので、環境や状況の変化に備える力も失われます。

なので、何かが起こったとしても、昔、親切に教えてくれた誰かの言葉を思い出すこともないでしょう。
 
いつも対応が後手後手で、非常時にも会議をしないと決められないようなどこかの国のエリートは、傲慢さゆえに未来が予測できず、対応する力を失ってしまっている典型なのかもしれませんね。

☆ 優しさと思いやりと

エイミー・モーリンは大ヒット作の「メンタルが強い人がやめた13の習慣」でこう語ってもいます(昨年新書になって買いやすくなりました!)。

【誰もが心の中で思っている。人生のどんな時期に、どんなことで、ふとそんな態度をとってしまうのか、よく目を光らせよう】

・私はもっと報われて当然だ
・あの法律には従わない。ばかげているから
・私の価値はこんなものじゃない
・私は大成功するはずだった
・私には、きっとよいことが起こる
・私には昔から、どこか特別なところがある

こんな兆候の自分に気が付いたら要注意です。
気が付いた自分で、自分自身に聞いてみましょう。

「このまま傲慢な方向へ行けばどうなると思う?」
 

☆ 仲間の存在

とはいえ、人はなかなか自分自身だけで律することは難しいものです。

歴史的にも優れたリーダー達は、歯に衣着せぬパートナーを評価し、オープンな場を持つことで自身をも向上させました。

外的自己。自分が他の人や社会からどう見えるかを客観する為にも、良質のフィードバックをくれる人は、人生にとって本当に大事な存在なんですね。
 
もちろん、個々の日常においてはそこまでいかずとも・ですが、普段から思いやりを持って、人の気持ちをくみとるようにコミュニケーションを取ることは重要です。
 
その何気ない小さな繰り返しが、変化に強くなり、小さな先の未来に備えることの出来る自身へのトレーニングにもなっているのですから。

こんな当たり前にも思えるようなことが出来ていないのはちょっと寂しいですよね。

今日これを読んだ方は、ぜひ自分以外の誰かの気持ちに目を向けて、耳を傾けてみて下さい。

その瞬間から、未来が変わるかもしれません。

☆☆

さて、追加のお知らせです。

コロナでいろいろと変化を余儀なくされている時期でもありますので、いつも読んでくれている皆さん向けに1on1セッションもしくはコーチングの無料体験希望者3名を募集します。

ご希望の方は、コメントか Facebook からメッセンジャーでご連絡ください。個別で対応をさせて頂ければと思います。

ではでは!

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