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さいさんの地方創生 note【能登半島地震が表出させた現在地⑩「能登ボランティアから戻った高校生達の防災ワークショップ」

*祭りとつながりをテーマにした前回はこちらです。
 
さて、皆さんの地域、地区の夏祭りはいかがでしたでしょうか?
つながりをテーマにした前回からバタバタと間が空いてしまいましたが、こちら長野県伊那市でも夏祭りがあり、踊り、みんなで花火を見上げるそんな日本の夏のワンシーンを迎えることが出来ました。
 
そんな夏のシーンが当たり前ではない日の足音も近づいてきている今。改めて私達はこの地域、この国のあり方、つながりを見直していかなければいけない。そんな状態にもあると感じたのでした。

能登半島地震ボランティアを実施した高校生達の防災ワーク

☆「行動」そのものを変えていくために

そんな夏祭りの後の原爆の日。
GWに能登半島地震へボランティアに赴いた高校生達による防災ワークショップが開催されました。
 
アイスブレイクを兼ねた避難所ボードゲームでは、いかに快適さを守り、過ごすかという内容がさらにバージョンアップされ、参加者達の一体感を作りだしていました。

報告では自分達が見てきたこと、感じてきたこと、活動し体験してきたことを伝えてくれたうえで、私達の地域で何が出来るのか、地域として、個人として明日を変えていくアクションプランは何か?といったファシリテーションにも挑戦してくれました。
 
そんな今回のワークショップで高校生たちが大事にし、フォーカスしていたのは、現実を変える「行動」そのものでした。
 
参加者からもフィードバックがありましたが、これまでのよくあった行政主導の能登半島地震に関する報告会では、

「災害から日数がたってからわかった事実の羅列や状況に対する後出しジャンケン的な評価ばかり。被災現場で人々と汗を流したような人が不在で、どこか他人事のように聞こえてしまう。じゃあ自分達がどうすればいいのか?という部分になると急に避難所運営は行政がやらない、市民がやるものだといった話が出てきて一線を引いてくる。本来は能登の避難所運営が混乱した行政と市民のコミュニケーションを日頃からどうつくるかといった部分や避難所マニュアルが市民の誰の手元にもない現状をどうするのかという話であるべきなのに、一方的に市民が頑張れみたいな話になる」

ようなことが多かったわけです。
この点で今回の高校生達はここでどんな災害が誰に起こりうるのか?という部分を明確にして、その状況を共有しつつもいかに自分自身で生き残るのかという焦点を描かせる。そんなシナリオ・ファシリテーションへの挑戦をして、参加者達に「実」のある学びになる場になるようにとワークを進めていました。

☆「知る」病から脱出せよ!!

今回のシナリオの一つにもありましたが、まさに「今、この街で大火災が起こったら?」というリアリティから始めることで、私達はありのままの今の自分を見ていくことが出来ます。また、自分の見落としていた何かや思考の外にある事象を自分以外の人々が教えてくれます。

その現在地を確認したうえで、何か小さな行動を全員が起こすこと。

これはずっと言われ続けていることでもあり、科学的に証明されていることでもあります。つまり「知る」だけでは何も変わらないということです。
 
今回の能登半島地震でも能登の自治体がたまたま例外的にさぼっていたから被害が拡大したのか・といえばそんなことはありません。
 
むしろ1993、2007、2020、2023とマグニチュード6以上の地震が発生しており、1983年の日本海中部地震での津波も目の当たりにしてきたエリア。その自治体達が今の状況に陥っているわけです。日本の他の自治体なら大丈夫と考える方が危険であることは言うまでもないでしょう。

この8日からは南海トラフ地震への注意が喚起されていて、9日に神奈川でマグニチュード5.3、今日10日は八丈島で同4.9、北海道で同6.8と大地の揺れが続いています。
 
例えば僕が防災士として個人的に話すシナリオに「首都圏直下型地震からの南海トラフ」という最悪の想定があります。ざっくりいうと直下型地震で東京エリアが機能不全に陥り、高層ビル街を避けるためのその場しのぎで河川敷やお台場のような埋立地に避難エリアを設けたり、避難者の集団がうまれたりして、そこに南海トラフで津波が遡上してくるというシナリオです。

どれだけの人がこうしたリスクマネジメント視点での提起に即応できる何かをもっているかはわかりません。が、この部分こそが重要なのです。

日頃から備えておくこととは「知る」だけで終わらない「行動」できる脳の回路だということです。

☆身体を使い、感情を動かし、脳の回路を創る

スポーツ選手。あるいは将棋や囲碁、麻雀といった頭脳競技の選手にも見ることが出来ますが、イメージしたら身体を動かす。実際にちょっとやってみるという「動き」がここではとても大切になります。
 
経験のある方も多いと思いますが、やってみると違う結果になったり、イメージしたようには身体が動かなかったりということがままある。むしろ当たり前にそれが起こります。そこで修正したり変更したりすることでようやく実になっていき、脳の中に定着し、パッと使える状態になっていくわけです。

今回の防災ワークではそこがデザインされ、24時間以内の行動として持ち帰るものを共有しあいました。
 
つまり「知る」だけではない「やる」も作り、個人の中で「できる」への挑戦を課題にし、今日であった人達と共有し、励ましあうことで「やる」「出来る」の実行確立や到達する確率を向上させていると言えるでしょう。

つまるところ防災の第一歩とは、いつも我が身を守り、生き残るということに尽きます。

過去原因をどれだけ分析しても同じような状況はまず起こらないですし、これまでの結果を見てもわかるように、行政組織こそ同じような状況下になれば、同じような失敗を繰り返します。
 
生き残るためのイメトレと行動。
今からでも小さく重ねてみてはいかがでしょうか?

ではでは!































6e

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