理想の保育を考えるために、理想の世界を考える(2) SDGsを下敷きに

前回の記事はこちら。

これから「理想の世界」について私なりに探求していきます。ですが一つ前提として断っておきたいことは、あくまで私は保育士として、子どもたちが社会に出る頃にこのような世界になっていてほしいということについて考えていきたいと思っているということです。ただの理想であれば「全人類が幸せになっている世界」ということで終わってしまいます。あくまで、だいたい20年から30年後の未来の話を考えたい、その点を留意いただければと思います。

それでは始めていきますが、その前にみなさん、SDGsというものをご存知でしょうか。Sustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標と訳されます。これは、2015年に国連総会で採択された文書で示されたものです。

そして、私がこのSDGsの中で一番大好きなのが、その理念です。SDGsの理念は「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」とされています。これこそが、私も日々の保育の中で忘れてはならない思想だと思っていて、もちろん目の前の子どもたち一人一人を大事にするということでもありますし、子どもたちに伝えていかなければいけないメッセージだと思っています。

先に進みますが、その次にSDGsには17の目標というものがあります。

これがSDGsで掲げられた17の目標というもので、これらを2030年までに達成しようということです。これらをもう少し細かく見ていきます。

■ゴール1.貧困をなくそう
 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
■ゴール2.飢餓をゼロに
 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
■ゴール3.すべての人に健康と福祉を
 あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
■ゴール4.質の高い教育をみんなに
 すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
■ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう
 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
■ゴール6.安全な水とトイレを世界中に
 すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
■ゴール7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
 すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
■ゴール8.働きがいも経済成長も
 すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
■ゴール9.産業と技術革新の基盤をつくろう
 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
■ゴール10.人や国の不平等をなくそう
 国内および国家間の格差を是正する
■ゴール11.住み続けられるまちづくりを
 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
■ゴール12.つくる責任つかう責任
 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
■ゴール13.気候変動に具体的な対策を
 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
■ゴール14.海の豊かさを守ろう
 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
■ゴール15.陸の豊かさも守ろう
 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
■ゴール16.平和と公正をすべての人に
 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
■ゴール17.パートナーシップで目標を達成しよう
 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

この17の目標を読んでいくだけで、今の世界的な課題というのが浮き彫りになってきますよね。賛否はどうあれ、全人類が一度は読むべき内容ではないかと思います。

そしてこのあと、各目標に対して全部で169のターゲットというものが定められています。これらは具体的な行動目標と年限が設定されているものなのですが、少し細かいのでこの記事では割愛します。

ということで今回はこのSDGsの紹介までということで、第3回からはこのSDGsから少し展開していきたいと思っています。よろしければ是非続けて読んで頂ければと思います。

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