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機関投資家の93.7%が見るIR資料とは?

近年、上場企業はESG(環境・社会・ガバナンス)などの非財務情報の開示を拡大しています。財務情報と非財務情報を統合した「統合報告書」の発行企業数は右肩上がりに増加しており、2019年には500社を超えました。

「決算説明資料、ファクトブック、CSR報告書、サステナビリティリポートに統合報告書…」

企業が開示するIR資料のバラエティーは年々増しています。そう考えた時に、もっとも重要なIR資料はどれになるのでしょうか。今回は機関投資家のアンケート調査からそれを整理します。

最も見られるIR資料は決算説明会のプレゼン資料

機関投資家がよく見るIR資料

上記は、野村インベスター・リレーションズ株式会社が実施した機関投資家・アナリスト向けアンケート調査の一部です。機関投資家やアナリストが最も見るIR資料は何かを尋ねたものです。

これを見ると、決算説明のプレゼン資料が圧倒的に見られていることが分かります。数値にして93.7%で、この値は年々高まってきています。2番目のQ&A資料が6割強ですから、その差は極めて大きいと言えます。

先日のnote(※下記参照)では、ディップ株式会社の決算説明プレゼンが成功した事例を取り上げました。株式市場に漂っていた同社の成長率鈍化への懸念を払拭することに成功した事例です。

このように、決算説明資料は極めて重要なわけです。では、具体的にはどういった内容が求められているのでしょうか。

短期的な業績情報+αで業界情報がGood

決算説明資料に求められているもの

上記は、同じく機関投資家・アナリストに対し「決算説明資料で充実させてほしい内容は?」と尋ねたアンケート結果です。

棒グラフの最も濃い紺色の部分が「最も充実を望む」という回答を示しています。ここではやはり、前期決算の詳細分析や短期の業績見通しに関する情報など、短期的な業績情報の充実が求められていることが分かります。

ユニークなのは、業界内のトレンドやシェア、技術情報といった業界情報の充実を求める声が強いことです。グラフの内訳をみると、短期的な業績情報を最重視する一方、プラスアルファとして業界情報を欲している投資家の姿が浮かび上がってきます。

今回は、IR資料を作成する際には、ぜひ参考にしたい2つのアンケート結果を整理しました。以上です。

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