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【日記】都農町フィールドワークの引率に行ってきた話

宮崎県の都農つの町に、勤務校の教育活動の一つである都農町フィールドワークの引率教員として行ってきました。

都農町フィールドワークは、自主的に参加したいと手を挙げた有志よ生徒たちが行くもので学年やクラスの行事ではありません。目的としては実際の「まちづくり」に参加し、日常とは異なる環境で探究的な学習を体験することなのですが、普段の学校生活では見られない貴重な機会となりました。間違いなく自分の教員生活の中でもトップクラスに宝物となる経験かなと思います。せっかくなので感じたことをチラホラ書いていきたいと思います。あ、これは私的な日記なので詳しい内容は別の先生が書いた記事に任せます。

イツノマ側の記事も

為すことによって学んでいく生徒たち

現地での活動を通じて、何が印象に残っているかときえば、何よりも日常の教室では見ることができない生徒の姿でした。と言っても18人の参加者のうち普段の授業を担当してるのは3人(去年見たも合わせると+2人)ですが…。

というか行った後、バスケ部員たちになんで行かなかったのか聞いてみると、「知らなかった。」とか「あんなに楽しそうなものだと思わなかった。」とか…。うーん、ちょっと残念。
そんなことより、兎にも角にも生徒たちの大きく異なる姿を目の当たりにしました。

特に印象に残っているのは、普段は大人しい生徒たちが、自ら積極的に動き出し、周囲の大人や現地の中学生と積極的に交流している姿で、かなり主体的なんですよね。なんというか目的が自分たちの中にあるんですよ。

だからこそ、自分たちの意見を堂々と発言していたし、気になることは自分たちで地元の大人に聞いたり、スマホを使って調べたり、あるいは参加してくれた地元の中学生から意見を引っ張り出して、ブラッシュアップしたり。

こういう活動を通した成長を見ていると、デューイの言う“Learning by Doing”と言うのはこのことなのだろうと思うわけです。

ちゃんと「這い回っ」ていたし…まさに「這い回る経験主義」

恐らく探究的な学びとは、こういう形であるべきなのでしょう。

経験の価値とは

「探究」というと学術的な手続きを持って学んでいく形式を想像する人も多いだろうと思います。もちろんそういう形の探究学習も否定はしません。というか積極的に肯定します。自分も現場に入るまではそう思っていたし、自分も博士課程を出てきたわけで、そういったアカデミックスキルを習得していることを自分の売りとも自負してます。

でも、それって高校生の心をどのくらい焚き付けることができるのでしょうか?学問的知識に興味をもつ高校生ってどんな子たちなのでしょうか?結構珍しいような気がしてきました。恐らくですけど高校生までにいろんな場所に行く経験があって、いろんな大人に自分の関心ごとを聞いてもらえた経験がある子どもたちなのではないかと思うのです。

そんでそんな経験を持っている子たちはどれくらいいるのでしょうか。少なくとも勤務校の生徒たちの中には少ないのではないかと思うのです。(同時に翻って自分がいかに恵まれてきたかを理解できるわけです…。)

そういう意味で勤務校の生徒たちを見ていると、自分の考えが肯定的に受け入れられるということがイメージできてないのではないかという印象があるのです。自分が考えたところで意味がないというか…。

だからこそ、大人や中学生、大学生と対等な関係で関わりながら何かを作って、考えを肯定してもらうことが必要だと思うのです。しかも押し付けっぽくならないで…。今回のフィールドワークで得たのはその経験、延いてはそれによって得られる自己肯定感、自己効力感なのでしょう。これが有るのと無いのでは、かなり違います。上手くいくイメージが無いと一歩を踏み出すのが難しいもんです。それこそ好きなものを好きということ言うこととか、自己表現すら難しいと思うのです。

そう考えるとこの経験を得た参加生徒が、今後の学校生活でどうなっていくのか楽しみで仕方ありません。(ただし教科担当をしているのは3人だけです。)

地元の大人たちにプレゼンする生徒たち

今後、学校説明会などで使える動画を作成するのですが、生徒に協力を募ったらこれも積極的で、ぜひ作りたいとのこと。とりあえずAdobeの使い方を教えていこうと思うのですが、こうやってスキルを身につけていくのも大事なのかなと思います。

教員として学ぶこと

ところでこのワークショップの進行を見ながら、私自身も学ぶことが多くありました。教員として印象的、そして勉強になるなと思ったのは、今回のワークショップを開催したイツノマの方々の手腕です。

とにかく生徒たちを引き込むのが非常に上手いんですよ。しかも活動注文適切なタイミングでヒントを与えながら、やる気を高めることができる技術を持っていたし、活動の順番も絶妙、話の内容も惹きつけられる、とにかく上手いのです。

恐らくはこれまでのキャリアで築いてきたビジネススキルだと思うのですが、これまで大学院に籠って(コロナ禍でもあったし余計に籠って)20代を過ごしてきた自分にとっては、新鮮なわけで、刺激的なわけです。まあ無いものねだりをしても仕方がないので、ちゃんと学んで吸収しておこうと思います。

まあでも日常も違う環境で、一日という長い時間使えたということもあるのでしょうけどね。そう考えると一日かけて「総合的な探究の時間」を実施する日がGW前後にあってもいいと思うんですけどね。提案してみようかな。

探究とは関係ない(かも)だけど

ところで都農つの町どちらかと言うとあまり有名ではない町だと思います。というか勤務校に来るまで、私も宮崎リニア実験線があった場所というのでギリギリ知っていましたが…(マニアックかな?)。

ただ都農町は知る人ぞ知る美食の町です。とにかく美味しいものがたくさんあるんですよ。特に果物。地元の人は「農の都」と言っていました。(ただ用字の由来を求めると恐らく万葉仮名だと考えられます。万葉仮名の規則通りの表記だし、最も古い記録が『続日本書紀』に記録があるのですが、ここでは都農神社と都萬つま神社が書かれており、都萬神社は妻とも記されるんですよね…。)

そんでワインが有名なのですが、仕事なので流石に飲まずお土産にしました。

とりあえずお土産にした。
ワイナリーの中に入れてもらったり

ただブドウを食べる機会は結構あり、美味しかった。BBQの時には焼くと美味しいと聞いて焼いてみたり…。

それから「南国プリン」。これがとにかく上手い。旅行中に合計3ついただきました。取り寄せたい。

美味しかった。すごく美味しかった。
そりゃそうだろう。こんなに美味しければ。

まとめ

というわけで刺激的な3日間でした。生徒にとってはもちろん、教員にとっても刺激的で勉強になる経験でした。

帰りに百舌鳥古墳群が見えた!

許されるなら来年もまた行きたいと思います。

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