Shun Ex.Edu,lab (体育ラボ)

パーソナルトレーナー&フィットネスコーチinシドニー 体育学修士。心と体の健康…

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パーソナルトレーナー&フィットネスコーチinシドニー 体育学修士。心と体の健康をサポート。 -Fitness Coach in Sydney- -Master of Exercise Education- #トレーニング #教育 #運動学習 #体育 #筋トレ

最近の記事

褒めると運動学習が促進する?!?!

 誰もが,褒められると嬉しいと思います.学習中や練習中に褒めることは,学習者の自己効力感や有能感を向上させたり,ポジティブな感情や,良い結果を導くことが多くの研究からわかっています.私たちが,実際に褒められた場合も似たようなことが起こっていると感じると思います.  運動学習においては,褒めることによってやる気や自己効力感が向上することによって練習参加がより意欲的になり,学習が促進されます.つまり,褒めることは,モチベーション(やる気)をあげることによって運動スキルの向上に寄

    • コーディネーション運動は生徒の注意力を向上させる!!

       子どもの注意力がないことに悩んでいる先生や親は少なくないと思います.特に,学校のクラス中に注意力が散漫な生徒や,家で自主学習に集中できない子どもは少なくないと思います.  多くの運動関連の研究において,運動,特にランニングなどの有酸素運動は子どもの学力向上や認知機能の向上に効果的であることが証明されています.このような,運動の効果は,習慣的な運動のみならず,10分間の短い運動後においても見られることがわかっています.  運動にも様々な様式がありますが,多くの研究が有酸素

      • 保護者の運動習慣と子どもの身体能力は関連する!!

         幼児期の運動参加は肥満解消や幸福感,将来の運動参加率などに関連するためとても重要です.  しかしながら,近年では子どもの運動参加率や活動レベルが低下しており,それに伴って,肥満や体重過多の子どもが増えています.  したがって,いかに子どものスポーツ・運動参加を促すか,なぜ子どもがスポーツ・運動に参加しない理由を探すことはこれらの問題を解決するためにとても重要ではないでしょうか?  今回紹介する研究は,保護者の運動習慣と,子どもの課外スポーツ参加と身体能力の関係について

        • 運動モビリティとワーキングメモリには関係がある!

          ワーキングメモリとは,一定時間,脳内で情報を保持しながら,同時に情報を処理する能力のことです.例えば,複雑な計算を暗算することなどが挙げられます.ワーキングメモリは日常生活において,とても重要な脳の機能なので,向上させたり,高いレベルを維持することはとても重要です.  過去の記事でも紹介しているように,運動によって様々な脳の機能(例えば実行機能)が向上することが多くの研究によってわかっています.それに伴って,高齢者での認知症の予防や,子どもの学力向上など,身体機能のみならず

        褒めると運動学習が促進する?!?!

          発声が運動効率をあげる!!!

           ハンマー投げ選手の室伏選手は,投擲の際に声を出すことによってパフォーマンスを向上させていることはよく知られています.これは,声を出すことによって,心理的ストッパーを外し,火事場の馬鹿力が出せるようになることや,覚醒レベルを向上させることによってより大きな筋力発揮が可能になり,パフォーマンスが向上すると考えられています.  また,多くの研究は,言語を司っている脳部位と運動制御を司っている脳部位がある程度リンクしていることを示しています.例えば,『投げる』という言葉を聞いた時

          発声が運動効率をあげる!!!

          ヒットは本当に伝染するのか??

          スポーツ場面で,誰かがミスをした後に続けて誰かがミスをすることが多いと感じたことはありますか?(サッカーのPKやバスケのフリースローなどがいい例でしょう)反対に,野球では,誰かがヒットを打った後にはヒットが出やすいと言われていると思います.このような現象は本当に起こりうるのか?もしそうなら何故なのか? ヒットが伝染する原因野球で,誰かがヒットを打ったとに,ヒットが出やすくなる(ヒットの伝染)が起こる理由にはいくつか挙げられています.バッターのモチベーション,ピッチャーの一時

          ヒットは本当に伝染するのか??

          イメージトレーニングで筋力・柔軟性アップ?!?!

          スポーツのパフォーマンス向上や,新しいスキルの獲得にイメージトレーニングをする人は多いと思います.メンタルトレーニングには,試合の状況などをイメージする”状況のイメージ”と運動をイメージする”運動イメージ”がある.パフォーマンス向上やスキルの獲得には,運動イメージを行う人が多いのではないでしょうか?(反対にプレッシャーや不安を克服するために状況イメージを行うでしょう) 今回は,運動イメージがスキルの向上のみならず,筋力や柔軟性を向上させることを示した研究を紹介します. 運

          イメージトレーニングで筋力・柔軟性アップ?!?!

          なぜ,試合で思い通りにパフォーマンスできないのか??(プレッシャー以外の要因)

          練習と全く同じように試合でもパフォーマンスを発揮できる人はほぼいないと思います.多くの場合が,プレッシャーによってパフォーマンスが低下することだと思います.今回は,練習方法が悪がために,試合で良いパフォーマンスを発揮で来ていない可能性について述べたいともいます. *要は,練習のための練習ではなく,試合のための練習をする方法について 練習環境練習環境は,試合のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします.試合の環境と練習の環境では大きく異なります.これが,試合でパフォーマンスをう

          なぜ,試合で思い通りにパフォーマンスできないのか??(プレッシャー以外の要因)

          ランダム練習での過去の経験が,将来の新規スキルの獲得に有益?!(論文紹介)

          練習効率をあげる,文脈干渉効果について以前紹介しました.それに関係する論文の紹介です 過去の記事のように,練習順序をブロック(AAABBBCCC)からランダム(ABCBCAACB)にするだけで,学習(スキルの習得)効率が上がることがわかっています.今回,紹介する論文は,過去のランダム練習での経験が,新規課題のパフォーマンスを向上させるのかを検討した論文です. 論文紹介Kim at al(2018)Improving novel motor learning through

          ランダム練習での過去の経験が,将来の新規スキルの獲得に有益?!(論文紹介)

          学習を促進する指導方法(注意の向け方について)

          運動指導やトレーニング指導において,どう教えれば良いか迷うことが多くあると思います.新たなスキルの獲得や,フォームの習得,などなどスポーツ場面のみならず,トレーニング指導場面においてもこのような場面は多くあると思います. 今回は,注意の向け方に絞って,効果的な指導の仕方についてです. 注意の向けかた注意の向け方には2種類あります.インターナルフォーカスとエクスターナルフォーカスです. インターナルフォーカスとは,自己の内側に注意が向いている状態,例えば,体の一部分や,体

          学習を促進する指導方法(注意の向け方について)

          筋トレは,認知機能を改善する?!?!

          筋トレといえば,身体を鍛える最も有効な方法の1つです.多くの人が,ダイエットのためや,筋肥大のために筋トレをすると思います.しかしながら,最新の科学では,筋トレが認知機能を改善することがわかっています. 今回は,筋トレが,認知機能に及ぼす影響について述べたいと思います. 人の脳には様々な認知機能が備わっています.例えば,記憶力.脳はたくさんのことを記憶することができます.しかしながら,加齢によってその能力は衰えていきます.名前が思い出せなくなったり,アルツハイマー病を引き

          筋トレは,認知機能を改善する?!?!

          反復練習は効率悪い??

          新たな技術を習得するときや,漢字や英単語を覚えるときに,多くの人がたくさんの反復練習を行うのではないでしょうか?? 古くから,この様な練習・学習方法は非効率であることが,心理学分野では明らかになっています.今回は,その改善方法について述べたいと思います. 文脈干渉効果文脈干渉効果とは,学習において同じ練習をブロック化して練習をするよりも,毎回ランダムな内容の練習をするほうが,練習中のパフォーマンスは練習中・学習中のパフォーマンスは低いが,学習の定着率や,類似した他の課題の成

          反復練習は効率悪い??

          練習効率を悪くする3つの失敗

          同じ練習をしているのにもかかわらず,上達が遅いことはないですか?もしくは,指導していて思ったおよりも上達しないことはないですか?そんな時やっている3つの失敗について述べたいとおもいます. 注意の向け方注意の向け方には,2種類あり,インターナルフォーカスとエクスターナルフォーカスです. インターナルフォーカスとは,自身の体の動きや部位に注意を向けることで,反対に,エクスターナルフォーカスは,自分の体以外の環境要因に注意を向けることです. 練習段階において,多くの人が体をこ

          練習効率を悪くする3つの失敗

          マインドマッスルコネクションって存在するの??

          マインドマッスルコネクション(Mind Muscle Connection; MMC)とは Mind Muscle Connection;MMCとは,脳と筋の結合つまり,トレーニング中に筋を思い通りに働かせ適切な負荷を与えられるようにすることです.多くのトレーナーやボデイビルダーがトレーニング中に意識していたり,重要だと行っていますが,本当に効果的なのか?そもそも可能なのか?この謎について,いくつかの文献とともに説明したいと思います, 注意の向け方特に,運動学習などのスポー

          マインドマッスルコネクションって存在するの??

          ミラーミューロンでイメトレ!!

          特に今の時期,実際に練習やトレーニングができないことが多いのではないでしょうか?今回は,イメトレの効果や有効性を話そうと思います. 模倣学習 新しい技術を身につけるのに効果的な練習方法に,模倣学習があります.模倣学習とは,モデルの動きを観察して,その観察した動きを”マネ”することによって練習する方法です.かなり原始的な方法で,ヒトは生まれて間も無く,模倣して学習を開始します.新生児は,観察したか表情や,舌の動きを模倣します.これを”新生児模倣”と言います.さらに,子どもが言

          ミラーミューロンでイメトレ!!

          最適なインターバルの長さは?

          〜筋肥大・筋力向上を最大化するには〜 *長いので,時間がない方はまとめだけ呼んでください>_< 筋肥大に重要なことは,メカニカルストレスと代謝ストレスを筋肉に与えることです.メカニカルストレスとは,筋にかかる物理的なストレスで代謝ストレスとは,筋にかかる化学的なストレスのことです.  一方で,筋力向上に必要なことは,筋サイズと神経系の機能です.トレーニングではこれらを効率的に刺激することで,目的にあったトレーニングが可能になります.  メカニカルストレスや代謝ストレスの

          最適なインターバルの長さは?