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なぜ,試合で思い通りにパフォーマンスできないのか??(プレッシャー以外の要因)

練習と全く同じように試合でもパフォーマンスを発揮できる人はほぼいないと思います.多くの場合が,プレッシャーによってパフォーマンスが低下することだと思います.今回は,練習方法が悪がために,試合で良いパフォーマンスを発揮で来ていない可能性について述べたいともいます.

*要は,練習のための練習ではなく,試合のための練習をする方法について

練習環境

練習環境は,試合のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします.試合の環境と練習の環境では大きく異なります.これが,試合でパフォーマンスをうまく発揮できない1つの要因です.

下記の研究は,練習環境と試合環境の違いがパフォーマンスに及ぼす影響を検討しました.

方法は,実験参加者は,陸の上もしくは水の中のどちらかで単語を記憶させられました.その後,陸の上と水の中の両方で,単語テストを実施しました.その結果,陸の上で勉強したグループは陸の上で,水の中で勉強した人は水の中で行なったテストでの成績の方が,もう一方の環境下でのテストの成績よりも高いパフォーマンスを示しました.

つまり,練習環境と同じ環境下でのテストの成績の方が高い!

Godden and Baddeley(1975)Context-dependent memory in two natural environments: On land and underwater, Br. J. Psychol., 66, 325-331
https://msu.edu/course/psy/401/Readings/Godden%20&%20Baddeley%20(1975).pdf

練習方法:片手?両手?

例えば,難しいスキルを習得 / 練習するとき,複雑な動きを簡単な複数の動きに分解して練習する人多いと思います.これも,パフォーマンスをうまく発揮できない1つの要因に考えられます.

方法は,先ほどと似ており,参加者を2つのグループ(片腕で練習:両腕で練習)にわけ,その練習後にテスト課題(片手unimanual:両手bimanual)を行うというもの.

練習課題は,左手で行い,機械による抵抗がありそれに逆らって腕を伸ばす課題.                                テスト課題は,練習課題と同じだが,機械による抵抗なし,       *右手の測定はなし


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その結果,片手で練習したグループは片手でのテスト成績,両手で練習したグループは両手でのテスト成績が有意に高かった.先ほどの研究と同様に,練習環境と同じ環境でのテスト成績が有意に高いことが示された.

nozaki et al(2006)Limited transfer of learning between unimanual and bimanual skills within the same limb, NATURE NEUROSCIENCE VOLUME 9 NUMBER 11 
https://www.queensu.ca/limb/sites/webpublish.queensu.ca.limbwww/files/files/Limited%20transfer%20of%20learning%20between%20unimanual%20and%20bimanual%20skills.pdf

つまり,試合で,練習通りにパフォーマンス発揮するためには,練習する環境をできる限り試合に近づける必要がある.もしくは,少なくとも,多様性効果などが示しているように,練習に多様性を持たせることによって学習は促進されるので,練習環境を変化させる必要がある.

例えば,試合会場で流れるであろう音楽や騒音を練習中も流してみたり,試合のユニフォームで練習するなどといった工夫が必要だろう.


スポーツの練習のみならず,テスト勉強や受験勉強でも同様である.勉強する環境を試験会場と近づける必要がある.例えば,机の色を同じにする.同じ鉛筆を使う.などである.

試合のための練習にするためには,練習環境と試合環境を同じにしよう

主に,スポーツ医学や子どものスポーツに関することについて配信します.