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palpation-触診-②

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三次元で組織をイメージできるか(解剖の知識)とは



筋や骨、神経などを平面ではなく、立体的に捉えられているかどうかということ
どこに何があって、という位置関係を体重120kgのアメフト選手でも30kgのお年寄りも4kgの乳児でもおおよそ想像がつき、触ることでそれらを確認出来るかどうかということ。

例えば一般的な位置に筋の存在がわかりにくい場合、癒着や神経絞扼によって変位していたり、極端にサイズや硬さが違うことで把握し辛かったり、本来その人にとってあるべき位置や形では無い場合もあれば、個人差による違いのこともあるでしょう。
特に筋肉の位置は勿論ですが、神経のトラブルが圧倒的に多いのでその走行を出来るだけ把握しておくと役に立つとおもいます。

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痛みや痺れ、パフォーマンス低下、リハビリの進行がうまくいかないなどに限らず、
トレーニングやスポーツの動作が思ったように、言われたように出来ないなどにも重要です。

触診で知りたい情報の重要な事の一つに
筋に神経インパルスがどの程度きているか、ということがあります。
これがわからなければ、そもそも筋の働きが何故低下しているのか原因を探ることが出来ないので。
過緊張の筋は基本的に神経絞扼がないので(正確には無いか比較すると絞扼が弱い)情報として大切ですが働かなくなってしまった筋に対して何故?を探る方が色々と早いと思います。
ちょっと横道にそれてしまいました。


組織の状態や役割に対する情報量(むくみ、過緊張、弛緩、癒着、や神経支配などとそれらを触った時の感触の違いを知っているかなど)

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例えば
筋膜には何層かあり、筋肉が癒着している場合基本的には筋膜が何かと癒着するわけですが
重なり合う他の筋肉と癒着すれば当然その筋肉にとって表面の筋膜が癒着することになります。
癒着による筋肉の硬さがある場合、癒着している筋膜による硬さを触知しているとすると、比較的表面であるはずです。
圧をあげてその層よりも奥を触知していくと、内部は硬くないかもしれません。

一方過緊張の場合は収縮のしすぎなわけですから
神経インパルスが過剰にきている全ての筋繊維が硬くなるので全ての層というか、内部も表面も硬くなります。
どちらも起こっている場合もあれば、部分的であったりもします。
癒着している場合はお互いがひっついているので外部から圧を加えた場合そこだけが動かないので癒着している場所に引っ張られるように感じます。
圧の変化を感じているだけだと思いますが、脳が処理して引っ張られているように感じるわけです(私は勝手に処理されるのが好きではないので、それをもう一度分析し直し、手が何を感じそれがどんな変化の割合をみせたとき、脳が‘引っ張られている’と感じるのかを知識的に再評価して、直感のような感覚に頼りすぎないようにします、そもそも、直感は過去の経験から導き出していると考えているので、新たな発見をする際にはむしろ邪魔になることがほとんど)

あとは単純に神経絞扼があれば、安静時も含め筋の正常な収縮がみられないので柔らかい。
それは絞扼がなくとも拮抗筋の過緊張があれば同じように柔らかくなる。

神経絞扼があり、癒着がなければ筋の弾力は低下しますから関節可動域は増大します。
関節可動域をただの大きさとして、評価してしまうと異常な側を正常と判断してしまいかねないので関節の動きや抵抗をよく感じながら評価しなければなりません。

大腿四頭筋が硬くなっていて?膝関節の屈曲可動域が低下している人がいたとして、太ももの前にアプローチばかりしても良くなるとは限りません。
例えば座骨神経に異常がないことを評価しておかないと、四頭筋と何かの癒着によるものかハムストリングスの弛緩によるものかがわからないからです。
可能性のあるものをたくさん知っておいて、それを、評価して絞っていくということが大切になってきます。そのための情報量
そしてその情報は当たり前ですが、正解に近いほど良い。
偉い人が言っていたとか、一般的に認知されているとか最新の研究がとか外部の根拠に頼っているだけでは他者の誰かが間違えていた時には正解に近づけないのでそれだけで済ませないようにしたいところ。

横道にそれるそれる


圧情報の取得量(圧そのものに対する感度と、正確な圧情報をとるための条件設定)


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自身の感覚器の感度は感覚神経の絞扼によって低下するので、状態を整えておくことが望ましい。
触る時にゆっくりと丁寧にとは、特に力の変化を緩やかにすることで、組織による変化を触知しやすい。自分の力発揮の変化が激しいと、ほんの少しの触る対象の圧の変化が読み取れないので。

それから、イメージできないものは読み取り辛いというのも重要です。
例えば1mmの段差を探しているときに、0.1mmの段差は無視してしまいがち。
対象をどのレベルに置くかというのは、ざっと触診するときと、当たりがついた後、より詳細に触診するときとで変わってきます。
ナノレベルの凹凸まで違いがわかると言われる人間の指先ですから、ほとんどの触診である程度の状態をキープしてさえいれば、個人差、性差など無視して考えても問題がなさそう。
もちろん指先に圧が強くかかった状態では感度も大きく変わると思いますのでそこまで細かい内部の状態はわからないと思います。
多くの場合その人の触診の限界は感覚器そのものの限界ではないと思います。
何をトレーニングすべきかもよく自己分析をして取り組むべきだと思います。

先にも少し書きましたが、条件設定とは
簡単に言うと、触診をする際に何の力を使ってこちらがかける圧をコントロールしていくのかということ。
当然圧のコントロールがより繊細にできる方が細かい情報を得やすくなります。
指先一本を対象に当て腹筋の力で圧をコントロールするとほとんど何もわかりませんが
手の内在筋を使うとかなり詳細な情報がとれます。
これが例えば深指屈筋で圧をコントロールしようとすると、指の先端が握り込むように角度が変わっていくのに対して、内在筋で握ると指の腹を面で押し付ける形になるので触知しやすいものや分析の作業が変わってきます。
どちらが良いというわけではなく、使い分ける必要があります。
ここでご自身の手が機能不全を起こしていると、できる動きとできない動きや、その精度が大きく変わってくるので、無意識で触っている人は、感覚の狂いがなぜ起こっているのか、なぜ自分には触知できないのか得手不得手があるのか、理由がわからなかったり、
そもそも自分の感覚がおかしいせいで評価が普段と違っているのに、その異常に気づくことができません。
そんな状態の評価が正しいと判断して良いのかどうかよく考えなければなりません。
自分で自分の正誤を評価できるシステムが頭の中にあるかどうか
プロであるというのであれば、当然身につけておくべきスキルです。
「私の体がおかしいのかあなたの体がおかしいのか私にはわかりません。」と言っているようなものではないでしょうか。

自分ならどんな人に見て欲しいと思うのか。
自分がみてもらいたいと思えるような自分であるべき。
そのハードルは考えられる限り極限まで高く設定しておく。

なんとなくやっていても成長はする。
セミナーに参加しても、本を読んでも、自分で考えても成長はする。
本当にそれでいいのかというだけの問題。
無価値な時間などない、そこにどれだけの価値があるかという問題。
どれだけの価値(効率)を自分が求めるか、それがあなたが死ぬまでに到達できるレベルを決める。

それなりに時間をかけて、それなりに取り組めば、それなりのレベルにはなれる。
夢を聞くとそこを目標にしている人は少なくとも指導者向けパーソナルに来たことがない。
環境はある程度行動で手に入るが、能力は最終的に自分自身の思考に依存する。


私はこの記事を見たときに一度では理解できず何度も見返しました。
もしかしたらまだ理解できていないかもしれません。
そんな気がしてなりません。


能力は思考に依存する


肝に銘じます

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